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2020年の開始は目前!電子申請義務化に必要な準備とは?

労務

掲載日時:2019.11.25

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2020年4月以降、社会保険・労働保険に関する一部の手続きにおいて電子申請が義務化されます。義務化に向けて社内の準備はできていますか?この記事では、義務化の具体的な対象企業および対象となる手続きや、具体的な電子申請の進め方について分かりやすく解説します。まだ義務化に向けて準備できていない企業の方は、この記事をお読みください。

「電子申請義務化」とは?

電子申請義務化とは一体何なのでしょうか?まずは電子申請義務化の定義、義務化された背景、開始時期の3つについて説明します。

「電子申請義務化」の定義

電子申請義務化とは、特定の法人事業者が「社会保険・労働保険に関する一部の手続き」を行う場合に、電子申請で行うことが義務付けられるようになったということを指します。電子申請義務化は政府によって決定された方針であり、必ず守らなければなりません。

「電子申請義務化」の背景

電子申請義務化の背景には、行政の手続きコスト軽減に向けて、行政手続きのデジタル化に力を入れていく、という政府の方針があります。平成30年(2018年)4月24日に規制改革推進会議行政手続部会が発表した「行政手続コスト削減に向けて(見直し結果と今後の方針)」には、以下のように記載されています。

事業者の生産性向上・働き方改革のためには、政府自らが、事業者の生産性を阻害しないように、期限付きの数値目標を掲げて、行政手続を簡素化する必要がある

出典:行政手続コスト削減に向けて (見直し結果と今後の方針)

同資料において、人事・労務部門の申請手続きの電子化が義務として明示されました。

「電子申請義務化」の開始時期

電子申請義務化は、2020年4月以降に開始する各特定の法人の事業年度(課税期間)から適用されます。

参考:電子申告の義務化の適用開始時期一覧

電子申請義務化の「特定の法人事業者」、「社会保険・労働保険に関する一部の手続き」とは、何を指しているのでしょうか? 次の章で詳しく解説していきます。

電子申請が義務化される対象企業とは?

政府の広報によると、電子申請が義務化される対象は「特定の法人事業者」とされています。具体的にどのような条件を持つ企業が対象となるのか説明します。

対象企業の条件を解説

電子申請が義務化される対象の企業は、「大法人」「相互会社(保険業法)」「投資法人(投資信託及び投資法人に関する法律)」「特定目的会社(資産の流動化に関する法律)」の4つです。各対象企業の違いをまとめると、以下の通りとなります。

〇大法人…資本金や出資金または銀行などの保有株式取得機構に納付している拠出金の額が1億円を超えている法人。資本金や拠出金が基準になっているのがポイント。
〇相互会社(保険業法)…契約者を社員としている社団法人。「保険業法」に基づく形態で、保険会社のみに認められています。
〇投資法人(投資信託及び投資法⼈に関する法律)…「投資信託及び投資法人に関する法律」に基づき、投資家から集めた資金を特定の資産に投資または運用することを目的として設立される法人。
〇特定目的会社(資産の流動化に関する法律)…「資産流動化法」に基づき、資産の流動化を目的として設立される法人。

ただし、以下の2つのような場合においては、電子によらない方法での申請も特別に許可されています。

①電気通信回線の故障や災害などの理由により、電子申請が難しいと認められる場合
②労働保険関係⼿続(保険料申告関係)については、労働保険事務組合に労働保険事務が委託されている場合、単独有期事業を行う場合、年度途中に保険関係が成⽴した事業において、保険関係が成⽴した日から50日以内に申告書を提出する場合

出典:厚生労働省電子申請義務化についての政府公表リーフレット

電子申請が義務化される手続き一覧

上記の電子申請の義務化が必要な企業にあてはまった場合は、以下の表に記載のある手続きは電子申請が必須になります。後でトラブルになることを防ぐためにも、しっかり確認しておきましょう。

保険の種類 届け・申告書の種類
健康保険 厚⽣年⾦保険 ○被保険者報酬月額算定基礎届 
○被保険者報酬月額変更届
○被保険者賞与支払届 
労働保険
継続事業(一括有期事業を含む)を行う事業主が提出する右記の申告書 
○増加概算保険料申告書
○年度更新に関する申告書(概算保険料申告書、確定保険料申告書、一般拠出⾦申告書) 
雇用保険 ○被保険者資格取得届   
○被保険者資格喪失届
○被保険者転勤届
○⾼年齢雇用継続給付支給申請
○育児休業給付支給申請

電子申請の方法を具体的に解説

電子申請を行うには、e-Gov(イーガブ「電子政府の総合窓口」)のサイトを利用する、または外部連携API対応の専用ソフトを利用するという2通りの方法があります。

電子申請には2つの申請方法がある

それぞれの電子申請を行う方法について説明します。

e-Govのウェブサイトから申請を行う方法

e-Govでは、以下のような手順で申請を進めていきます。

電子申請の2つの方法

出典:総務省e-Gov電子申請システム利用に当たって

なお、e-Govの手続き方法は通常申請と一括申請に分類されますが、一括申請については平成30年末(2018年)で新規利用申込の受付が停止されました。通常申請では1項目ずつ入力して1つずつアップロードしますので、作業量が多く、手間と時間がかかってしまいます。e-Govのウェブサイトから申請を行おうとする場合は、前もってそのデメリットを把握しておきましょう。

API対応のソフトを利用し申請を行う方法

API対応の労務会計ソフトを利用することで、直接申請ができるようになりました。
API対応のソフトの利用は作業の負担を大幅に軽減できるというメリットがあります。

これまでe-Govで電子申請する際は、労務会計ソフトウェアに入力されている内容を見ながら申請データを入力する必要がありましたが、申請や公文書の取得などの全ての機能をe-Govを介さずに直接行えるようになります。

  PC サイト上操作 複数手続同時申請 申請データと到達番号の紐付け 有償/無償
e-Govのウェブサイト上 windows 必要 不可 手動 無償
外部連携API利用 制約なし 不要 自動 有償(外部ソフト購入)

参考:e-Gov公式サイトソフトウェアを利用して電子申請をお使いいただく方へ

電子申請をしない場合の罰則は?

e-GovやAPI対応ソフトを利用した申請は、システムの知識が乏しい人にとっては容易な作業ではありません。その抵抗感から、電子申請を避け、紙の申請で済ませてしまいたいと考える方も多いでしょう。義務化の対象であるにも関わらず電子申請をしない場合、何か罰則はあるのでしょうか?

罰則はないが、申請が無効になる場合も

電子申請をしなくとも、それに対する罰則は設けられていません。また、やむを得ない理由がある場合には紙での申請も受け付けるとされています。

しかし、電子申請を行わない特段の合理的な理由がない場合には、紙での申請が無効と見なされる可能性も。うっかりやり直し、となって時間や手間を無駄にしてしまわないよう、自社が対象企業の場合は、速やかに準備を進めましょう。

早めに確認して申請の準備を進めましょう

まずは自社が対象企業なのかどうか、必要な手続きがあるかどうかを確認しましょう。対象企業であれば、目前に迫る2020年4月の電子申請義務化開始までに急いで準備を進めなくてはなりません。

いずれの手続き方法を取る場合でも、少なからず時間と手間はかかります。、直前になって慌てることのないよう、事前にしっかり準備してから申請しましょう。

※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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