RPAとは? AIとの違いや人事・総務での活用方法を分かりやすく解説!

労務

掲載日時:2019.09.30

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RPAとは? AIとの違いや人事・総務での活用方法を分かりやすく解説!

RPAとは「ロボティック・プロセス・オートメーション」の略で、ホワイトカラーのデスクワーク(定型作業)をソフトウエアロボットが代行・自動化するツールです。コスト削減やミス防止など自社の生産性向上のために導入する企業が増えています。
ここでは、RPAと従来のツールの違いやRPAと導入するメリット、導入時の注意点、管理部門業務でのRPAツール活用例などについて解説します。

RPAは定型業務を代行するソフトウェア型のロボット

ホワイトカラーのデスクワーク(定型業務)を自動化することで、業務の効率化が期待されるRPA。まずはRPAの定義や仕組み、従来のツールやAIとの違いなどについて見ていきましょう。

RPAとは

業務効率化の一つに、定型業務を自動化する方法があります。自動化の手法として注目されているのがRPAです。RPAを活用することで、従来よりも自動化の範囲が広がるため、大幅な業務効率の改善が期待できます。

RPAの仕組み・RPAでできること

RPAツールは業務を勝手に自動化してくれるわけではありません。人間に指示を出すのと同様、シナリオと呼ばれるRPAに依頼する業務内容をまとめた指示書を準備する必要があります。シナリオをツールに登録することで初めて、RPAが指示通りに作業を実行してくれます。
シナリオの精度が高ければロボットの作業の品質も向上します。

従来の自動化ツールとの違い

従来の自動化ツールはプログラミングの知識が必要なものが多く、使用できる人が限られていました。

その点、RPAはプログラミングの知識がなくても使用することができます。PCの画面上で編集作業ができるほか作業内容もワークフローのように可視化されています。誰でもシナリオを作れるほか、視覚的に理解しやすい点が従来の自動化ツールとの違いです。

RPAとAIの違い

RPAが人間の作ったシナリオに従って動作するのに対し、AIはコンピュータ自らが学習・判断する仕組みです。RPAとAIを複合したサービスが普及しているため混同されがちですが、元々は違う仕組みで、得意なことも異なります。
RPAには、総務省によると三段階の自動化レベルがあるとされています。「RPA」単体での作業レベルは「クラス1」で、AIと組み合わせることでより高度な業務を自動化することが可能になるのです。

RPAのクラス
RPAのクラスイメージ
【参考】総務省│RPA

RPAを導入するメリット

続いて、RPAを導入するメリットについて見ていきましょう。

(1)生産性向上

人間が行っていたオフィス業務をRPAが代行することにより、オフィス業務の担当者は他の業務に時間を割けるようになります。その結果、業務の効率が上昇するため、生産性向上が期待できます。

(2)人手不足解消

日本は少子高齢化が深刻化しており、労働人口の減少も懸念されています。内閣府の公表した資料によると、労働人口の割合は2014年の約52%から2060年には約44%に低下すると予想されます。時間を気にせず人間の代わりに活動してくれるRPAは、人手不足解消への貢献が期待されるでしょう。

【参照】内閣府「選択する未来」委員会報告 解説・資料集

(3)人的ミスの防止

人間が業務を担当している以上は、疲労による集中力の低下といった人的ミスが発生します。RPAは疲労することがないので、集中力が切れるといったミスが生じることはありません。操作手順さえ間違わなければ、コンスタントに正確に業務を遂行してくれます。

RPAを導入する際の注意点

RPAを導入を検討する上で注意すべき点について解説します。

(1)システムの誤作動の可能性がある

RPAには、複数のシステムと連動することでより効率良く業務を行えるというメリットがあります。しかし、連動する際に何らかのトラブルが生じた時には、誤作動で正しい処理が行われない可能性があります。誤作動の復旧のために人的コストが発生したり、その間の業務が停止してしまうことが懸念されます。

(2)担当者変更によるブラックボックス化

RPA導入時のメンバーが残っている時は、RPAに誤作動などのトラブルが生じた時でも、元々は業務を担当していたのでフォローが可能です。ただ、RPAのシステム導入に関わったメンバーが人事異動や定年退職によってRPAの業務から外れる場合があります。メンバーがいなくなった場合、RPAの担当している業務がブラックボックス化し、トラブルが生じても誰も対応できなくなるため、業務プロセスのマニュアル化といった対策が必要です。

管理部門業務でのRPA活用例

RPAを人事・総務領域などの管理部門業務に導入するには、どのような活用方法が期待できるのでしょうか?管理部門業務でどのような活用法があるのか事例を紹介します。

採用活動をRPA化

採用活動には、面接だけでなく合格通知を出すまでに数多くの業務があります。応募者との対面面接は人が行いますが、以下のような業務はRPAに任せることが可能です。

採用試験の採点
受験者への合格通知
面接日程のメール連絡
各面接官のスケジュール調整

採用担当者の業務負担が軽減するほか、人的ミスも防ぐことが期待できるでしょう。

勤怠管理をRPA化

月ごとの集計作業や勤務時間計算など、担当者が手作業で集計し確認していた定型作業は、RPAで自動化することができます。勤怠データの集計、それに基づいた給与計算、給与振り込みまでをも自動化し、月末の作業を劇的に効率化することができます。

人事情報管理をRPA化

従業員の個人情報管理に関する業務でも、RPAを導入することにより工数を削減することが可能です。

例えば、従業員の住所変更ひとつとっても、交通費や各種書類の変更など、手作業で行えば時間がかかる上に、作業漏れというミスも起こりえます。RPAを導入すれば、住所変更があった場合に連動して変更しなければならないものをあらかじめ指定しておき、変更時には一斉に実行するようにシナリオ上で指示しておけば、早くミスなく反映することができます。

経費精算をRPA化

営業担当者や現場担当者は、交通費や出張費、接待費などの経費を伴うことが多く、レシートや領収書を提出する経費精算作業が面倒です。経理担当者は、経費精算に必要な書類のチェックや不備の指摘が面倒という課題を抱えています。RPAでは、これらを自動化することも可能なので、時間と手間がかかる経費精算の業務効率が上がります

自社の課題と照らし合わせた導入の検討が重要

人事・総務領域といった管理部門の業務は、RPAとの相性が良いと言われています。RPAを導入することでどのような業務を自動化できるか、自社の課題と照らし合わせながら導入を検討しましょう

※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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