【2019年最新】国・自治体のテレワーク導入助成金・支援制度まとめ
テレワーク制度を導入したいけれど、何から始めたらいいかわからない……。導入までにはお金がかかりそう……。そんな悩みを持った中小企業をバックアップするための助成金・補助金制度や、無料コンサルティングサービスなど支援体制が充実しています。
ここでは、2019年の最新版としてテレワークにまつわる国や自治体による助成金・補助金制度や支援体制について概要をまとめました。上手に活用し、自社のテレワーク制度推進にお役立てください。
※情報は2019年8月時点のものです。詳細情報は各サイトでご確認ください。
なぜ、テレワーク導入に助成金が? 中小企業の推進を後押しするため
テレワークに関する助成金制度が充実している理由と、導入コストについて説明します。
働き方改革の推進と東京五輪に向けて
国や東京都が民間団体と一体となって2017~2019年の7月に「テレワーク・デイズ」を国民運動として展開しているほか、厚生労働省がテレワーク導入マニュアルを公開するなど、国や政府は積極的にテレワーク活用を推進しています。これは、2019年4月施行の「働き方改革関連法」によって柔軟で多様な働き方が見直されていることに加え、2020年の東京五輪を前に都心の交通渋滞の緩和が重要な課題となっていることも大きいでしょう。
中小企業の準備が整っていないから
一方、テレワーク導入企業はまだ少なく、浸透しているとは言えない状況です。総務省の平成29年(2017年)通信利用動向調査では、企業におけるテレワーク導入率は13.9%で、従業員300人以下の中小企業では3.0%でした。特に制度準備不足や情報システム不足で導入できていない中小企業を支援するため、さまざまな制度が設けられています。
テレワーク導入にかかるコストとは
テレワーク導入に向け、企業は以下のような準備が必要になるため、それぞれに人的、時間的、金額的なコストがかかります。
テレワーク導入コストまとめ
業務の棚卸し
テレワークの対象となる業務を決めるため、業務内容についてリスク・ランク付けやワークフローの見直しを検討します。
セキュリティ対策
ウイルスソフトの導入を検討するほか、技術的な対策(アクセス制限、暗号による管理など)に加えて物理的な対策(パソコンの管理、資料の電子化など)が必要です。
ICTツールの導入
勤怠管理やタスク管理ツール、コミュニケーションツール、ウェブ会議ツールなど、社員が同じ場所にいなくても業務を円滑に進めるために必要最低限のツールの導入が必要です。
人事評価制度の見直し
従来の勤務実態をベースにした制度から必要であれば見直します。
各種ルールの整備
セキュリティガイドラインをはじめ各制度を整備します。
今からでも間に合う! テレワークに関する助成金一覧
これから申請可能なものを中心に、テレワーク助成金制度の概要をまとめました。
※2019年8月現在のものです。申請にあたっては、対象要件や申請書類など詳細を確認してください。
(1)時間外労働等改善助成金(テレワークコース)【厚生労働省】
「時間外労働等改善助成金(テレワークコース)」について概要を説明します。
概要
テレワーク用の通信機器の導入・運用をはじめ、担当者への研修費やコンサルティング費用の取り組みに対し、社員1人当たり上限20万円~1企業当たり上限150万円が支給されます。取り組みに対しての成果目標の達成状況によって、支給金額が変わる仕組みです。
対象企業
テレワークを新規で導入する中小企業事業主または継続して活用する中小企業事業主で、業種によって資本(または出資額)、労働者数の範囲が違います。小売業なら5,000万以下/50人以下、サービス業なら5,000万円以下/100人以下(どちらかの要件を満たす)です。
募集時期
申請書の提出締め切り・・・2019年12月2日〈月)
対象取り組みと支給額について
以下の取り組みをいずれか1つ以上実施し、要した費用が助成されます。
受給までの流れ
申請
申請書とその他必要書類とともに、テレワーク相談センターに提出
↓
取り組み
交付決定後、提出した計画に沿って取り組みを実施
↓
実施報告、支給
実施期間終了後、テレワーク相談センターに支給申請し、支給額決定
(2)はじめてテレワーク【東京しごと財団】
企業の金銭的負担を軽減するため、法定雇用率が「はじめてテレワーク」について概要を説明します。
概要
東京都が実施するテレワーク導入に関するコンサルティングを受けた企業に対し、最大110万円が補助されます。上限額は企業規模によって変わり、テレワークだけではなくトライアルするための環境構築経費も対象です。
対象企業
東京都が実施するテレワーク導入に向けたコンサルティングを受けた中堅・中小企業で、以下に該当する事業者
- 常時雇用する労働者が2人以上999人以下、かつ6カ月以上継続して雇用していること
- 就業規則にテレワークに関する規定がないこと
- 東京都が実施する「2020TDM推進プロジェクト」に参加していること
募集時期
申請書の提出締め切り・・・2020年3月31日(火)
対象経費と支給額について
以下の取り組みをいずれか1つ以上実施し、要した費用が助成されます。
受給までの流れ
コンサルティングの実施
- ワークスタイル変革コンサルティング(※後述)
- 「業界団体連携によるテレワーク導入促進事業」に採択された団体などが行うコンサルティング
↓
テレワーク導入機器の選定
東京都の「テレワーク導入プラン」より選定
↓
申請
「テレワーク導入パッケージ提案書」および「導入予定機器等一覧表」、その他必要な書類を、東京しごと財団に申請
- 補助事業を支給決定日から3カ月以内に実施
- 支給決定日から4カ月以内に実績報告を提出
↓
実績報告、支給
審査を経て、補助額が確定、支給
(3)テレワーク活用・働く女性応援助成金(テレワーク活用推進コース)【東京都】
「テレワーク活用・働く女性応援助成金(テレワーク活用推進コース)」の概要について説明します。
概要
在宅勤務向けの「テレワーク機器導入事業」、オフィス以外の民間サテライトオフィスの利用向けの「サテライトオフィス利用事業」について、各事業最大250万円が助成されます。
対象企業
常時雇用する労働者が2人以上かつ999人以下で都内に本社または事業所を置く事業者
募集時期
申請書の提出締め切り・・・【電話予約】2020年3月24日(火)【書類提出】2020年3月31日(火)
対象取り組みと支給額について
受給までの流れ
申請
東京しごと財団に電話予約をした上で、事業計画書など申請書類を提出
↓
取り組み
支給可否、支給額が決定。決定日以降に事業を開始
↓
実績報告、支給
中間実績報告を経て、事業終了後に実績報告。報告内容によって助成額が決定
(4)働き方改革宣言奨励金【東京都】
概要
働き方・休み方の改善に関わる経費を助成される制度で、残業時間削減や年次有給休暇取得促進などに向けて取り組みを宣言した企業を対象に奨励金が出ます。制度整備にテレワーク制度があると奨励金が加算されます。
対象企業
都内で事業を営み、常時雇用する労働者が2人以上300人以下、かつ6カ月以上継続して雇用している事業者
募集時期
申請企業は事前エントリーが必要です。2019年スケジュール(2019年8月以降)
対象取り組みと支給額について
奨励事業を実施し、承認を得られた場合に支給されます。
※A 働き方改革宣言事業、B 制度整備事業の取り組み詳細については要項を確認してください。
受給までの流れ
(5)IT導入助成金【経済産業省】
「IT導入助成金」の概要について説明します。
概要
課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助することで、業務効率化・売上アップをサポートします。最大450万円が補助されます。IT導入支援事業者がパートナーとなり、必要なツールの選定などを行います。
対象企業
中小企業、小規模事業者。業種によって資本金、従業員数(50人以下~900人以下)の範囲が異なります。
募集時期
申請書の提出締め切り……二次公募 8月23日(金)
→「IT導入補助金(サービス等生産性向上IT導入支援事業)」のポータルサイト
助成金以外のサポート
テレワークにまつわる無料のコンサルティングやセミナーなどが各自治体で開かれています。ここでは東京都のものを紹介します。
ワークスタイル変革コンサルティング【東京都】
「ワークスタイル変革コンサルティング」の概要について説明します。
概要
専門のコンサルタントが訪問し、課題解決などの支援を無料で最大5回(各回2時間程度)行うサービスです。「はじめてテレワーク」の補助対象になります。
対象企業
東京都内に事業所がある従業員数999人以下の事業者など
募集時期
申し込み期限…2020年1月31日(金)
→ワークスタイル変革コンサルティング(東京都産業労働局)
地方でのテレワーク環境に関する補助
地方のサテライトオフィスなどでのテレワークが地方創生の実現に貢献するとして、総務省をはじめ各地方自治体で補助金制度があります。
(1)ふるさとテレワーク【総務省】
「ふるさとテレワーク」の概要について説明します。
概要
各自治体や民間事業者に対して、環境整備のための費用を補助する事業が行われています。公募期間は毎年4~5月になっています。
→ふるさとテレワーク(総務省)
(2)まちごとテレワーク事業【総務省】
「まちごとテレワーク事業」の概要について説明します。
概要
総務省が毎年全国で複数箇所を程度を選定し、上限3,000万円の定額を補助してテレワーク推進企画の後押しをする事業です。2015~2017年度で全国48カ所で整備を実施し、2018年度は12カ所が選定されています。公募期間は毎年10月になっています。
→まちごとテレワーク(総務省)平成30年度の選定結果
(3)各自治体による補助金・助成金
地方に本社を置く事業者向けの補助金や、地方にサテライトオフィスがある事業者向けの補助金制度があります。以下は一部ですが、自治体名で検索して制度の有無を調べてみるといいでしょう。
松本市テレワークオフィス設置支援事業補助金【長野県松本市】
テレワーク拠点開設支援事業補助金【富山県富山市】
松山市テレワーク在宅就労促進事業(就労奨励金)【愛媛県松山市】
各種支援を利用して、効率的に導入を
国や自治体の支援体制が整っている今、助成金制度だけではなく、無料相談や無料セミナーなどのイベントも充実しています。テレワークの導入・実践に向け、これらの支援制度をうまく活用していきましょう。
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