安全衛生委員会の基礎知識|必要人数や組織図、ネタ(議題)の決め方は?

労務

掲載日時:2019.01.30

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安全衛生委員会の設置が義務となる人数や、企業が守らなければいけないルールをご存知ですか?
今回は、人事・総務担当者に向けて安全衛生委員会の構成メンバーやルール、進め方についてご紹介します。委員会で話し合う議題例も掲載しているので、お役立てください。

関連記事:社労士が解説 働き方改革のポイントvol.4「労働安全衛生法の改正と、衛生管理や健康管理の必要性」

安全衛生委員会の基礎知識

安全衛生委員会の設置が必要な人数や構成メンバーについて説明します。

安全衛生委員会の目的は?

委員会設置の目的は、労働災害防止の取り組みを労使一体となって行うことです。労働災害による休業4日以上の死傷者は毎年、10万人以上に上ります。また、最近は職場のストレスや長時間労働からメンタルヘルスの不調を訴えるケースが増えています。企業にはこうした災害を減らし、労働者の心身の健康保持を促進する努力が必要です。そこで、日々安全で健康的に働くことのできる職場環境を実現するために、現場の意見を反映しながら労使が一体となって改善・予防に取り組むことが求められています。

労働者数が常時50人以上であれば設置が必要

労働者数が常時50人以上であれば、安全委員会もしくは衛生委員会を設置しなければなりません。「労働者」にはパートタイマーや契約社員なども含まれます。安全委員会、衛生委員会の両方を兼ねて「安全衛生委員会」とすることも可能です。設置が必要な人数と業種はそれぞれ以下のようになっています。

※安全委員会は、従業員の安全確保のために職場の事故やけが対策などを調査審議する組織、衛生委員会は、従業員の健康確保のためにメンタルヘルスや職場環境の改善策などを調査審議する組織です。

安全委員会の設置基準

人数 対象業種
①常時50人以上 林業、鉱業、建設業、製造業の一部の業種(木材・木製品製造業、化学工業、鉄鋼業、金属製品製造業、輸送用機械器具製造業)、運送業の一部の業種(道路貨物運送業、港湾運送業)、自動車整備業、機械修理業、清掃業
②常時100人以上 製造業のうち①以外の業種、運送業のうち①以外の業種、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業・小売業、家具・建具・じゅう器等卸売業・小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業
人数:対象業種
①常時50人以上 林業、鉱業、建設業、製造業の一部の業種(木材・木製品製造業、化学工業、鉄鋼業、金属製品製造業、輸送用機械器具製造業)、運送業の一部の業種(道路貨物運送業、港湾運送業)、自動車整備業、機械修理業、清掃業
②常時100人以上 製造業のうち①以外の業種、運送業のうち①以外の業種、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業・小売業、家具・建具・じゅう器等卸売業・小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業

衛生委員会の設置基準

人数 対象業種
常時50人以上 全業種
人数:対象業種
常時50人以上 全業種

ただし、労働者数が50人未満の場合、委員会を設置しなくとも、安全衛生に関して労働者の意見を聴く機会を設けなければなりません(労働安全衛生規則第23条の2)。

参考:厚生労働省「安全衛生委員会を設置しましょう

議長1人を除いて労使半分ずつで構成する

委員会のメンバーは、労働災害防止に労使が一体になって取り組む必要があるという観点から、議長1人を除き労使が半数ずつになるようメンバーを構成します。議長を除いた委員の半数は、労働組合から(労働組合がない場合、過半数従業員の代表者による推薦によって)選出されなければなりません。人数の定めは特にないため、自社の規模や作業内容に応じて決めることになります。

メンバー構成例

安全委員会の構成メンバー

安全委員会には以下のメンバーが必要です。

  • 議長 1人
  • 安全管理者 1人以上
  • 委員(安全に関する経験を有する者) 1人以上

衛生委員会の構成メンバー

衛生委員会には以下のメンバーが必要です。

  • 議長 1人
  • 衛生管理者 1人以上
  • 産業医 1人以上
  • 委員(衛生に関する経験を有する者) 1人以上

開催頻度、周知、議事録について

設置人数やメンバー構成以外には、安全委員会・衛生委員会共通で以下のようなルールがあります。

  • 開催頻度…月1回以上、委員会を開催すること
  • 周知…労働者に議事の内容を周知すること
  • 議事録…議事録は3年間保存すること

原則月1回の開催ですが、災害・緊急時には臨時開催が求められます。また、周知については、(1)見やすい場所に掲示する(2)書面で労働者に送付する(3)電子記録に残す、など労働者に分かりやすい形で明示しましょう。

安全衛生委員会の進め方や議題例

人事・総務担当者の中には、「具体的な運営方法が分からない」「議題は何にすれば良いのか」と悩む方もいるでしょう。ここでは委員会の進め方や議題例を紹介します。

安全衛生委員会の進め方

安全衛生委員会は以下のような流れで進めます。

(1)委員を選出→(2)規定作成→(3)計画→(4)委員会を開催→(5)振り返り

(1)委員を選出する

労働安全衛生法の規定に基づいて、必要なメンバーを集めます。

(2)規定を作成する

委員会を設置したら、審議事項や委員の任務について定めた「安全衛生委員会規定」を作成します。法律で義務付けられてはいませんが、円滑な運営のために作成するのが望ましいです。
参考:東京労働局「4-6 作成例 安全衛生委員会規程」

(3)年間計画を立てる

委員会実施の効果をより着実なものにするため、月ごとに年間計画を立てます。以下は製造事業者における作成例です。

出典:厚生労働省「安全衛生管理・活動の進め方」より

(4)委員会を開催する

計画を立てたら、委員会を実施します。産業医は毎回参加することが望ましいですが、委員会への参加は義務ではありません。そのような事情もあり、産業医の欠席が常態化している、全く助言をしてくれないなど、いわゆる「名義貸し」状態になるケースも少なくありません。
産業医に積極的に活動に参画してもらうには、委員会の開催日を産業医が巡視を行う日に合わせる(産業医は月1回以上職場巡視を行う義務があります)か、来られない日は前もって議題を共有して助言をもらっておきます。そうして、産業医が委員会に積極的に参加するように促すことが重要です。

安全衛生委員会の主な審議事項は以下の通りです。

審議事項(安全委員会)

  • 安全に関する規程の作成に関すること。
  • 危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置のうち、安全に係るものに関すること。
  • 安全に関する計画の作成、実施、評価及び改善に関すること。
  • 安全教育の実施計画の作成に関すること。 など

審議事項(衛生委員会)

  • 衛生に関する規程の作成に関すること。
  • 衛生に関する計画の作成、実施、評価及び改善に関すること。
  • 衛生教育の実施計画の作成に関すること。
  • 定期健康診断等の結果に対する対策の樹立に関すること。
  • 長時間にわたる労働による労働者の健康障害の防止を図るための対策の樹立に関すること。
  • 労働者の精神的健康の保持増進を図るための対策の樹立に関すること。 など

出典:厚生労働省「安全衛生委員会を設置しましょう」より

(5)振り返り

適宜、活動の途中で振り返りを行います。成果や目標の妥当性、改善点などを整理し、今後の委員会活動に役立てます。

議題例37個

安全衛生委員会の議題例を紹介します。議題は、季節に関連した病気や会社で推進したいことに関する内容を取り上げると良いでしょう。

(1)春に関連したテーマ

  • 花粉症
  • 五月病、メンタルヘルス不調
  • 健康診断の目的や検査項目
  • 喫煙と健康の関係(5/31は世界禁煙デー)

(2)夏に関連したテーマ

  • 夏バテ、熱中症
  • 紫外線
  • 食中毒
  • 冷房の使い方

(3)秋に関連したテーマ

  • インフルエンザ予防
  • がん検診(10/1はピンクリボンデー)
  • ドライアイ(10/10は目の愛護デー)

(4)冬に関連したテーマ

  • ノロウイルス
  • ヒートショック
  • 湿度
  • 温度管理
  • お酒との付き合い方(忘年会シーズンなので)

(5)健康管理・予防

  • 健康寿命を延ばすには
  • 肩こり解消
  • 腰痛改善
  • 睡眠のとり方

(6)生活習慣病

  • 高血圧
  • 動脈硬化
  • 糖尿病
  • 脂質異常症
  • 肥満・メタボ

(7)ストレス・心の病気

  • 自律神経失調症
  • うつ病
  • 休職・復職

(8)女性に特有の病気

  • 低血圧
  • 貧血
  • 更年期障害

(9)働き方

  • 長時間労働の影響
  • ワークライフバランスの推進
  • セクハラ・パワハラの対処

(10)その他

  • 防災対策
  • スマホ・タブレットの影響
  • アンガーマネジメント
  • 職場のコミュニケーション

マンネリ化を防ぎ、意義ある委員会に

安全衛生委員会は、労災の防止や職場環境改善のためのものです。しかし、委員会を開催するうちに、目的意識が薄れ、委員会がマンネリ化してきてしまうケースも見られます。そうした場合は、議題が自社の実態に沿っているか見直してみたり、各委員にただ会議に参加してもらうだけでなく、発言・発表の機会を与えて能動的な参加を促したり、意義ある委員会の開催に努めることが必要です。

※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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