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休憩時間の与え方のルール 労働基準法上の決まりを解説

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掲載日時:2018.12.19

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休憩時間の設定は会社によりさまざまですが、法律により一定の決まりがあります。自社の休憩時間は適切かどうか、いま一度考えてみませんか? 今回は休憩時間の長さや原則、また実際の業務で起こり得る注意点や疑問点をご紹介していきます。

労働基準法における休憩時間

労働基準法により休憩時間は労働時間に応じて決められています。

休憩時間の長さ

労働基準法において、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を労働時間の途中で与えなければならないことが定められています。

使用者は、労働時間が6時間を超える場合においては少くとも45分、8時間を超える場合においては少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
(労働基準法第34条)

原則として、労働時間が6時間以内であれば休憩を与えなくても違法ではありません。そして、8時間を超えた場合は、何時間であっても休憩時間は60分でよいということになります。つまり、残業で労働時間が8時間を超えた場合でも休憩時間を60分与えていれば、それ以上休憩時間を追加する義務はありません。ただし、労働基準法は最低限の基準を定めたものなので、休憩時間が法律を上回っていても問題はありません。
休憩時間を与えるタイミングは「労働時間の途中」に限られます。例えば、8時間労働の場合、7時間の連続労働後、1時間を休憩時間として与え早退させるといった休憩の与え方は禁じられています。
休憩の定めは雇用形態を問わず適応されますので、パート、アルバイトにも同様に休憩時間を与える必要があります。

労働時間 休憩
労働時間が6時間以内 なし
労働時間が6~8時間 45分以上
労働時間が8時間以上 60分以上
労働時間が6時間以内
休憩時間 なし
労働時間が6~8時間
休憩時間 45分以上
労働時間が8時間以上
休憩時間 60分以上

また、休憩時間は分割して与えることが可能です。この場合は、休憩時間の合計が法定時間に相当するように設定しましょう。

休憩時間の与え方例

分割しても、休憩時間の合計時間が6~8時間労働の場合は45分、
8時間以上の労働の場合は60分を満たしていれば、違法にはなりません。

一斉休憩の適用

労働基準法第34条の2項で、休憩時間は原則として一斉に与えなければならないと義務付けられていますが、例外が2つあります。

(1)業種による例外

以下の業種は、休憩時間を一斉付与する義務はありません(労働基準法施行規則第31条)。

  • 運輸交通業
  • 商業
  • 金融広告業
  • 映画・演劇業
  • 通信業
  • 保健衛生業
  • 接客娯楽業
  • 官公署
  • 農・水産業
  • 監督・管理者
  • 機密の事務を取扱う者
  • 所轄労働基準監督署長の許可を得て行う監視・継続労働

(2)労働組合の協定による例外

労使協定を結んでいれば一斉休憩の例外が適用されます。

当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、この限りでない。(労働基準法第34条2項)

一斉に休憩時間を付与することが難しい場合は、労使協定において一斉休憩を付与しない労働者の範囲、該当する労働者に対する取り決めをしておくことで、休憩時間を別々に与えることが可能になります。

休憩時間の禁則事項

休憩時間とは、労働者が休息のため労働から解放されることを保障している時間を指します。休憩時間の利用方法について、使用者(事業主)が制限することは禁止されています(労働基準法第34条3項)。自社が休憩時間の定めに抵触していないか? といった疑問に、よくあるケースを例に説明していきます。

休憩時間中に業務をさせてはいけない

「新入社員が昼休みに電話番をするのが暗黙の了解になっている」「休憩時間中に来客の対応がある」のように、労働者が休憩時間を自由に使えない状況は労働基準法第34条3項に抵触する行為です。休憩時間中の電話番や来客対応は手待ち時間にあたり、休憩に含まれないため、会社は別途休憩を与えなければなりません。業務上、手待ち時間が発生してしまう場合には、労使協定を結び交替制で休憩を取るなどと定めておくことが必要です。

「休憩時間を取らない代わりに早退」は認められない

従業員の中には何らかの理由で「休憩時間を削って働きたい」という人がいるかもしれません。休憩には、心身の疲労を回復して、業務効率の低下を防ぎ、労災発生を予防するという役割があるので、従業員の希望であっても休憩を無くしたり短縮したりすることはできません。さらに、休憩は「労働時間の間」に与える原則があります。「休憩はいらないので、その分早く帰りたい」ということは休憩時間を「労働時間の後」に充てて早退させることになり、労働基準法では認められていません。

また、「休憩後に会議があるので必ず5分前に着席すること」のような会社側からの休憩時間短縮要請も、原則として法律では認められていませんので注意が必要です。

休憩時間外の○○休憩

タバコ休憩やトイレ休憩が多く、業務に支障をきたしている従業員がいる場合、会社はどう対応すれば良いでしょうか。タバコ・トイレ休憩の扱いについて説明します。

タバコ休憩が多い従業員に対して

労働者は、「自由利用の原則」によって基本的に休憩時間をどのように過ごしても構わないとされていますが、タバコ休憩を「休憩」ではなく「労働時間」と見なした判例があります。この判例では「何かあればすぐ対応しなければならず、労働者が完全に労働から開放されているとは言えない状態」だったため、タバコ休憩が労働時間と認定されました。タバコ休憩=労働時間と見なす場合、喫煙者のみ賃金をカットするといった対応はできません。

また、業務時間中、労働者には職務に専念する義務があるため、就業規則などで喫煙回数を制限するといった一定の制約を設けることは不可能ではありません。会社としては喫煙者と非喫煙者の両者が公平性を感じられるような労働環境を整えることが望ましいでしょう。例えば、株式会社ピアラ(東京都渋谷区)では、非喫煙者からの訴えをきっかけに、タバコを吸わない社員に対して年最大6日間の特別有給休暇を与える「スモ休」を導入しました。他に喫煙者と非喫煙者の不平等を無くすための策としては、喫煙の有無に関わらず通常の休憩とは別の休憩を与える、非喫煙手当を付与するなどの方法があります。

トイレ休憩が多い従業員に対して

トイレに行きたくなることは生理現象であり、また個人差があります。トイレに行かせない、あるいはトイレの回数を制限することは、社会通念上適切ではありません。しかし、トイレのために席を外す時間が多いことで業務に支障が生じている場合は、放っておくわけにもいきません。離席時間があまりにも長い場合には、まずは当人に勧告し、それでも改善が見られないようであれば、人事評価を下げる、賞与を減額とする理由にすることが可能です。

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公平な休憩時間を与える

従業員に休憩時間を与えることは会社の義務です。従業員が健康かつ快適に働くことができる環境を作るために、法律を遵守しながら職場に適した就業規則を整えることが重要です。

※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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