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休職中の社員の給料はどうなる? 保険手当の申請手順も解説

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掲載日時:2018.12.19

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社員がうつ病と診断されて診断書を渡されたら、一般的に医師の診断に従って休職させるか、働きながら治療を続けてもらうことになります。ここでは、うつ病になった社員が休職となった際の給料の支払いや、休職中に申請できる各種保険の手当について説明します。

社員の休職中の給料・手当について

社員がうつ病で休職している間、社員へ給与および何らかの手当を支払うべきでしょうか。休職中の給料の支払い義務や有給休暇の取り扱いについて解説します。
うつ病で休職する社員の対応の流れについて知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
うつ病で休職する社員の対応

基本的に給与の支払い義務はない

休職については法的な決まりはなく、就業規則において休職中に給与を支払うという記載がなければ、支払う義務はありません。「休職」とは、労働者側の事情で、労働者が就労をしないように命じられている状況のことをいいます。会社からの休職命令か、労働者から休職の申し出があり、会社が承認することで成立します。就労を禁止されているので、休職期間中の給与は発生しないという考え方がベースになります。

休職期間中の有給休暇申請について

休職期間中に社員から有給休暇申請があった場合、休職中に有給休暇を付与することはできません。休職は労働義務がない状態であるため、労働を給与付きで免除する有給休暇の対象には該当しないからです。休職前であれば有給休暇を付与できます。有給休暇の取得に関しては、公平な対応ができるように取得の対象者や理由について、社内で統一したルールを定めておくと良いでしょう。

関連記事:有給休暇の付与ルール・賃金の計算方法

各種保険手当の申請条件・給付額・申請手順について

社員がうつ病で休職したときに受け取ることができる主な給付金としては、傷病手当金と休業補償給付が挙げられます。
休職中は会社から給料が支払われないケースが多いため、社員は生活費や治療費の捻出に困るかもしれません。そんな金銭的な負担を軽減するのが以下の手当です。ここでは、それぞれの手当の申請条件や給付額、申請手順などについて説明します。

傷病手当金(健康保険)

健康保険における手当金で、健康保険加入者が病気やけがで働けなくなり、給与が受け取れない状況にあるとき、給与額の約2/3が支給される制度です。連続3日間の休みの後、4日目から支給が始まります。支給期間は最長1年6カ月で、これを超えた場合は傷病手当金は支給されません。
休業補償給付が業務または通勤が原因となった負傷や疾病が対象であるのに対し、傷病手当金は業務外の疾病やけがであることが条件となります。

傷病手当金の申請条件

(1)業務外の事由による病気やけがの療養のための休業であること
(2)労働できない状態であること
(3)連続する3日間を含み4日以上労働できない状態であること
(4)休業した期間について給与の支払いがないこと
上記4つを全て満たしている場合、申請が可能です。

傷病手当金の給付額

傷病手当金の額は、就労できない日1日につき、標準報酬日額(※1)の2/3が支給されます。1日あたりの給付額は以下のように算出されます。

傷病手当金(1日あたり)=「支給開始日(※2)以前の継続した12カ月間の各月の標準報酬月額を平均した額」÷30日×2/3

※1 入社時の報酬によって決められ、毎年決め直されます。また、報酬が大幅に変動したときも決め直されます。報酬とは、基本給、残業手当、住宅手当、通勤手当、家族手当、勤務手当など労働者が労働の対償として受け取るすべてのものをいいます。年3回以下の賞与は含まれません。
※2 支給開始日とは、一番最初に給付が支給された日のこと

給付額例(1日あたり)は以下の通りです。
標準報酬月額が26万円の場合
26万円÷30日×2/3=5,780円
参考:傷病手当金支給日額・出産手当金支給日額早見表

傷病手当金の手続き

Point

  • 傷病手当金を申請してから支給開始まで最低でも1カ月ほどかかる。
  • 傷病手当金の時効は2年。
  • 給与の締切日(1カ月)ごとに申請するのが一般的。

傷病手当金申請の流れ

STEP1:医師や本人から療養が必要である報告を受ける
STEP2:申請書を用意する
STEP3:「本人記入欄」を社員に記入してもらい、添付書類を用意してもらう
STEP4:「医師記入欄」を医師に記入してもらう
STEP5:「会社記入欄」を埋め、健康保険組合に提出

傷病手当金の申請は手続きが多く、申請書提出後の審査に時間がかかるため、支給開始まで1~2カ月程度かかるといわれています。会社側は、申請書を用意して渡す、必要書類一覧を伝える、会社記入欄を迅速に記入するなど、休職する社員がスムーズに申請できるようサポートしてあげましょう。なお、傷病手当金の申請書は、健康保険組合のサイトからダウンロードすることができます。

休業(補償)給付(労災保険)

休業(補償)給付とは労災保険の手当の1つ。業務または通勤が原因となった負傷や疾病により、休業せざるを得ない状況になってしまった場合、休業中の所得を補償するための給付です。休業の初日から第3日目までを「待機期間」といい、この間は業務災害の場合、事業主が休業補償(1日につき平均賃金の60%)を支払わなければなりません。待機期間を過ぎた第4日目から休業(補償)給付と休業特別支給金が支給されます。休業(補償)給付・休業特別支給金の申請条件・給付額は以下の通りです。

※休業(補償)給付と休業給付の違い……業務上の理由の場合は休業補償給付、通勤が原因の場合は休業給付と呼びます。

休業(補償)給付の申請条件

(1)業務上の事由または通勤による負傷や疾病で、療養していること
(2)上記理由のため、労働ができない状況であること
(3)賃金を会社から支給されていないこと
上記3つを全て満たしている場合、申請が可能です。

2011年、厚生労働省により「心理的負荷による精神障害の認定基準」が改められましたが、2017年度時点の厚生労働省の調査では、うつ病を含む精神障害の労災認定率は全体の3割程度に留まります。

休業(補償)給付の給付額

「給付基礎日額」と「休業日数」を基準として算出されます。計算式は以下の通りです。

休業(補償)給付=給付基礎日額の60%×休業日数
休業特別支給金=給付基礎日額の20%×休業日数

つまり、休職期間中は賃金の80%(休業(補償)給付60%+休業特別支給金20%)が支給されます。また、「給付基礎日額」とは、原則として、労働基準法の平均賃金に相当する額をいい、医師の診断によって疾病が確認された日の直前3カ月間に被労災者に対して支払われた金額の総額(賞与や臨時に支払われる賃金を除く)を日数で割った額です。

休業(補償)給付の手続き

Point

  • 休業(補償)給付の時効は2年。
  • 休業が長期にわたるときは、1カ月ごとに請求するのが一般的。

休業(補償)給付は、療養のため労働できないことを理由とした賃金を受けない日ごとに請求権が発生します。請求権が発生した日の翌日から2年を経過すると請求権が消滅します。

申請の流れ

STEP1:休業(補償)給付の請求書を入手
STEP2:指定の医療機関を受診
STEP3:会社の証明欄を記入・押印
STEP4:医療機関に治療期間などを記入してもらう
STEP5:労働基準監督署に提出

請求書は、業務災害の場合「休業補償給付支給請求書 様式第8号」を提出します(通勤中の災害が原因の場合は「休業給付支給請求書 様式第16号の6」を提出)。様式は厚生労働省のWebサイトより、ダウンロード可能です。

まずは人事担当者が制度の理解を

休職中、給与が支払われない間は社員の生活負担が大きくなります。社員の休職中の不安を少なくするため、人事担当者自身が制度を理解し、手当金の手続きを迅速に行いましょう。また、申請手続きに慣れていない会社では、担当窓口を設置したりマニュアルを作成したりするなどして休職者が出たときに備えて準備しておくことが大切です。

【編集部より】
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