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オフィスで出た廃棄物の処理方法(総務初心者向け)分類・処理方法を解説

総務

掲載日時:2018.10.29

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会社から出る廃棄物を捨てるには、正しく分別したり、業者と委託契約書を結ばなければならなかったりとルールが複雑です。事業所から出る廃棄物の処理に困っている人事総務担当者の方もいるのではないでしょうか。ここでは、廃棄物の分類や処理の流れ、注意点などについてご紹介します。

事業所で出る廃棄物の種類・分類

事業所で出る廃棄物の種類・分類について見ていきましょう。

産業廃棄物と事業系一般廃棄物の2種類

事業所で出る廃棄物は、産業廃棄物と事業系一般廃棄物とに分けられます。廃棄物の定義は廃棄物処理法 第2条に定められており、産業廃棄物は法で定められた20種類の廃棄物を、事業系一般廃棄物は産業廃棄物以外の廃棄物を指します。同じ品目でも、「新聞業や出版業で出た紙くずは(事業系一般廃棄物ではなく)産業廃棄物とする」など業種によって廃棄物の分類が変わるため、まずは自社の業種を確認しましょう。

廃棄物 事業系廃棄物 産業廃棄物 事業活動で生じた廃棄物のうち、法で定められた20種類(下図参照) 事業系一般廃棄物 産業廃棄物以外の廃棄物を指す 家庭系廃棄物(家庭系一般廃棄物) 廃棄物 事業系廃棄物 産業廃棄物 事業活動で生じた廃棄物のうち、法で定められた20種類(下図参照) 事業系一般廃棄物 産業廃棄物以外の廃棄物を指す 家庭系廃棄物(家庭系一般廃棄物)

※上記に加えて、爆発性、毒性、感染性があり、人の健康や生活環境に被害を生じさせる恐れがある廃棄物は特別管理産業廃棄物、特別管理一般廃棄物として指定されています。

産業廃棄物一覧(20種類)

種類 具体例
1.燃え殻 石炭がら、焼却炉の残灰、炉清掃排出物、その他焼却残さ
2.汚泥 排水処理や製造工程で排出された泥状のもの、うるしかす、めっき汚泥、ベンナイト泥など
3.廃油 鉱物性油、動植物性油、潤滑油、絶縁油、洗浄油、切削油、溶剤、タールピッチなど
4.廃酸 写真定着廃液、廃硫酸などすべての酸性廃液
5.廃アルカリ 写真現像廃液、廃ソーダ液などすべてのアルカリ性廃液
6.廃プラスチック類 合成樹脂・繊維・ゴムくずなど固形状・液状のすべての合成高分子系化合物
7.ゴムくず 生ゴム、天然ゴムくず
8.金属くず 鉄鋼または非鉄金属の破片、研磨くず、切削くずなど
9.ガラスくず、コンクリートくずおよび陶磁器くず ガラス、コンクリートくず、レンガくず、廃石膏ボード、セメントくず、モルタルくず、陶磁器くずなど
10.鉱さい 鋳物廃砂、電炉等溶解炉かす、ボタ、不良石炭、粉炭かすなど
11.がれき類 工作物の新築・改築・除去によって生じたコンクリート破片、アスファルト破片など
12.ばいじん 工場や焼却施設の排ガスから集められたばいじん
13.紙くず 建設業や製紙業、新聞業、出版業、製本業、印刷物加工業から排出されるもの
14.木くず 建設業、木材・木製品製造業輸入木材の卸売業および物品賃貸業などから排出されるもの
15.繊維くず 建設業、衣服その他繊維製品製造業以外の繊維工業などから排出されるもの
16.動植物性残さ 食料品、医薬品、香料製造業などから排出されるもの(あめかすやのりかす、醸造かす、発酵かすなど)
17.動物系固形不要物 と畜場や食鳥処理場で処理された畜獣や食鳥の固形不要物
18.動物のふん尿 畜産農業から排出される牛や馬などのふん尿
19.動物の死体 畜産農業から排出される牛や馬などの死体
20.上記の廃棄物を処分するために処理したもの(上記1~19以外) コンクリート固形化物など
1.燃え殻
具体例 石炭がら、焼却炉の残灰、炉清掃排出物、その他焼却残さ
2.汚泥
具体例 排水処理や製造工程で排出された泥状のもの、うるしかす、めっき汚泥、ベンナイト泥など
3.廃油
具体例 鉱物性油、動植物性油、潤滑油、絶縁油、洗浄油、切削油、溶剤、タールピッチなど
4.廃酸
具体例 写真定着廃液、廃硫酸などすべての酸性廃液
5.廃アルカリ
具体例 写真現像廃液、廃ソーダ液などすべてのアルカリ性廃液
6.廃プラスチック類
具体例 合成樹脂・繊維・ゴムくずなど固形状・液状のすべての合成高分子系化合物
7.ゴムくず
具体例 生ゴム、天然ゴムくず
8.金属くず
具体例 鉄鋼または非鉄金属の破片、研磨くず、切削くずなど
9.ガラスくず、コンクリートくずおよび陶磁器くず
具体例 ガラス、コンクリートくず、レンガくず、廃石膏ボード、セメントくず、モルタルくず、陶磁器くずなど
10.鉱さい
具体例 鋳物廃砂、電炉等溶解炉かす、ボタ、不良石炭、粉炭かすなど
11.がれき類
具体例 工作物の新築・改築・除去によって生じたコンクリート破片、アスファルト破片など
12.ばいじん
具体例 工場や焼却施設の排ガスから集められたばいじん
13.紙くず
具体例 建設業や製紙業、新聞業、出版業、製本業、印刷物加工業から排出されるもの
14.木くず
具体例 建設業、木材・木製品製造業輸入木材の卸売業および物品賃貸業などから排出されるもの
15.繊維くず
具体例 建設業、衣服その他繊維製品製造業以外の繊維工業などから排出されるもの
16.動植物性残さ
具体例 食料品、医薬品、香料製造業などから排出されるもの(あめかすやのりかす、醸造かす、発酵かすなど)
17.動物系固形不要物
具体例 と畜場や食鳥処理場で処理された畜獣や食鳥の固形不要物
18.動物のふん尿
具体例 畜産農業から排出される牛や馬などのふん尿
19.動物の死体
具体例 畜産農業から排出される牛や馬などの死体
20.上記の廃棄物を処分するために処理したもの(上記1~19以外)
具体例 コンクリート固形化物など

処理の流れと事業者の責任

事業所から出た廃棄物は、分別・保管→収集運搬→中間処理→最終処分、もしくは分別・保管→収集運搬→再生という流れで処理されます。事業者は、「その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない。(廃棄物処理法 第3条)」と規程されているように、発生した廃棄物を正しく処理しなければなりません。

また、不適正な処理を行うと罰則を科せられる場合があります。罰則例は以下の通りです。

  • 事業系廃棄物を家庭ごみとして出した場合

事業系廃棄物を家庭ごみの集積所に出すと不法投棄となります。また、委託業者が不法投棄をした場合、事業者の責任も問われるため、廃棄物を引き渡した後まで責任を持ちましょう。

  • 5年以下の懲役
  • 1,000万円以下(法人は3億円以下)の罰金
  • 廃棄物を野外焼却(野焼き)した場合

野外焼却(野焼き)は廃棄物処理法で禁止されています。

  • 5年以下の懲役
  • 1,000万円以下(法人は3億円以下)の罰金
  • 許可を持たない業者に依頼した場合

許可を持たない業者に依頼すれば、法律に違反したとして事業者が責任を問われる可能性があります。依頼する業者が許可証を持っているか、処理する廃棄物を扱えるかを必ず確認しましょう。

  • 5年以下の懲役
  • 1,000万円以下の罰金

産業廃棄物と事業系一般廃棄物の処理方法

廃棄物の処理方法は、自己搬入と外部委託とがあります。産業廃棄物と事業系一般廃棄物についてそれぞれの処理方法を確認していきましょう。

産業廃棄物の処理方法

産業廃棄物は、都道府県や政令指定都市のルールに従って処理します。産業廃棄物の処理方法は、(1)廃棄物処理業の許可を受けた業者に委託する方法と、(2)事業者が処理施設に自己搬入する方法とがあります。

(1)外部に委託する場合

産業廃棄物の処理を委託する場合、廃棄物処理業の許可を受けた業者と書面で委託契約を結び、マニフェストを交付する必要があります。マニフェストとは、産業廃棄物の種類や数量、運搬業者や収集業者の名前を記載した書類のことです。A票~E票まで7種類あり、運搬、処分、最終処分が終了した時点で、業者は業務完了日時などを記載して事業者に控えを返送します。

マニフェスト伝票の流れ

マニフェスト伝票の流れ図 事業者 控 収集・運搬業者 運搬終了 中間処理業者 処分終了 最終処分業者 最終処分終了 マニフェスト伝票の流れ図 事業者 控 収集・運搬業者 運搬終了 中間処理業者 処分終了 最終処分業者 最終処分終了

各票の種類

A票:事業者控
B1票:収集・運搬事業者控
B2票:事業者控(運搬報告書)
C1票:処分業者控
C2票:収集・運搬事業者控
D票:事業者控(処分終了報告書)
E票:事業者控(最終処分報告書)

委託契約締結までの流れ

STEP1:産業廃棄物の量と種類を確認
STEP2:許可を受けた産業廃棄物処理業者を探す(都道府県や政令指定都市で作成している名簿やホームページから探せます)
STEP3:委託業者と収集・運搬の頻度や方法、料金について相談
STEP4:委託契約書を締結

Point

  • 契約は口頭でなく書面で結ぶ
  • マニフェストは処理業者ではなく事業者が交付する
  • 事業者は、マニフェストの交付状況を毎年都道府県知事に報告する義務がある
  • 委託契約書とマニフェストの控えは5年間保存しなければならない

紙のマニフェストは各都道府県の廃棄物協会から購入できます。なお、Webサイト上で手続きを行う電子マニフェストも利用可能です。

(2)自己搬入の場合

産業廃棄物の処理を業者に委託する場合は許可が必要ですが、事業者が自ら処分する場合は許可は不要です。ただし、事業者は法で定められた基準に基づいて処理施設に運搬し、処分しなければなりません。

収集運搬基準

  • 産業廃棄物が飛散、流出しないようにする
  • 悪臭、騒音または振動による生活環境の保全上の支障が生じないようにする
  • 運搬車、運搬容器は、飛散、流出、悪臭の漏れがないものにする など

運搬車の両側面には

  • 産業廃棄物を運搬している旨の表示(文字サイズ5cm角以上)
  • 事業者名(文字サイズ3cm角以上)

を見やすいように表示しなければなりません。

また、運搬中は以下の事項を記載した書類を携帯する必要があります。

  • 氏名または名称および住所
  • 運搬する産業廃棄物の種類、数量、積載日
  • 積載した事業場の名称、所在地、連絡先
  • 運搬先の事業場の名称、所在地、連絡先

処分基準

  • 産業廃棄物が飛散・流出しないようにする
  • 悪臭、騒音または振動による生活環境の保全上の支障が生じないようにする
  • 産業廃棄物を焼却する場合、環境大臣が定める方法により焼却する など

事業系一般廃棄物の処理方法

事業系一般廃棄物は、市区町村のルールに従って処理します。処理方法は、(1)市の許可を受けた収集運搬業者に委託する方法と、(2)自己搬入で廃棄物をクリーンセンターに持ち込む方法があります。

(1)外部に委託する場合

外部委託の場合、一般廃棄物処理業者と書面で契約を結ぶ必要があります。契約締結までの流れは以下の通りです。

委託契約締結までの流れ

STEP1:事業系一般廃棄物の量と種類を確認
STEP2:許可を受けた一般廃棄物処理業者を探す(許可業者は、市区町村のホームページから探せます)
STEP3:委託業者と収集・運搬の頻度や方法、料金について相談
STEP4:委託契約書を締結

Point

  • 契約は口頭でなく書面で結ぶ

(2)自己搬入の場合

処理施設の受け入れ基準に従い、ごみを持ち込みます。10kgにつき100~200円など処分手数料がかかる場合が多いです。自己搬入のルールは各市区町村によって異なるため、詳しくは居住地域のホームページを確認してください。

例:豊島区公式ホームページつくば市公式ホームページ

廃棄物処理のルールを理解し、適正な処理を

事業所から出る廃棄物は、家庭ごみと同じように捨てることはできません。法で定められたルールを守らなければ、事業所の責任として罰金や懲役などの罰則を受ける場合があります。人事総務担当者はルールを遵守して廃棄物を正しく処理しましょう。

※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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