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求人募集の書き方

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掲載日時:2018.10.15

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自社のホームページや求人広告、ハローワークなどに載せる募集要項の書き方には、さまざまなルールがあります。ここでは、記載が必要な項目や、労働条件が変わったときの対応方法、NG表現やキャッチコピーの作り方のコツなどを例文付きで解説します。

求人募集の書き方(文例付き)

職業安定法5条では、求人募集を出すときのルールを以下のように定めています。ハローワークや求人広告、自社のホームページなどで求人募集を行うときは必要項目を記載し忘れることのないようにしましょう。

求人者は求人の申込みに当たり公共職業安定所、特定地方公共団体又は職業紹介事業者に対し、労働者供給を受けようとする者はあらかじめ労働者供給事業者に対し、それぞれ、求職者又は供給される労働者が従事すべき業務の内容及び賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。(第5条3、第2項)

引用:e-Govウェブサイト 職業安定法より

記載が必要な項目

具体的に記載しなければならないのは以下の項目です。

  • 業務内容
  • 契約期間
  • 就業場所
  • 労働時間
  • 賃金
  • 加入保険

また、2017年に職業安定法や省令・指針が改正され、以下の項目や内容を明示しなければならなくなりました(改正法の施行日は2018年1月1日)。

新たに省令に加えられた項目

  • 試用期間
  • 募集者の氏名または名称
  • 派遣労働者として雇用しようとする場合はその旨

新たに決まった指針

  • 固定残業代を適用する場合は基本給や時間外手当など支給額の詳細を明らかにする
  • 裁量労働制を適用する場合はその旨を記載する

求人募集の書き方例

業務内容 一般事務
契約期間 期間の定めなし
試用期間 試用期間あり(3カ月)
就業場所 本社(東京都千代田区1-2-3)
支社(宮城県仙台市青葉区1-2-3)
就業時間
休憩時間
休日
時間外労働
9:00~18:00
12:00~12:00
土日、祝日
あり(月平均20時間)

* 裁量労働制では以下のような記載が必要
例「企画業務型裁量労働制により、○時間働いたものとみなされます。」

賃金 月給20万円(ただし、試用期間中は月給19万円)

* 「固定残業代制度」にあたる制度を適用する場合、
以下のような記載が必要
①基本給 ××万円(②の手当てを除く額)
②□□手当(時間外労働の有無にかかわらず、
○時間分の時間外手当として△△円を支給)
③○時間を超える時間外労働分についての割増賃金は追加で支給

加入保険 雇用保険、労災保険、年金保険、健康保険
募集者 株式会社○○○○
雇用形態 正社員

* 派遣労働者を雇用するときは「派遣労働者」と記載が必要

賃金の項目は特にトラブルになりやすいため、記載に注意が必要です。厚生労働省によれば、平成29年度にハローワークに寄せられた8,507件の「求人票の記載内容と実際の労働条件の相違」に関する申し出のうち、最も多い割合を占めたのは「賃金に関すること」(27%)でした。例えば、賃金の欄で「月給○○万円~○○万円」といったざっくりした書き方はせず、実際の支給額に近い金額を提示するなど、求職者に誤解を与えにくい書き方を心がけましょう。賞与についても(ある場合は)昨年の実績を記載する、業績によって変動するという旨の但し書きを入れるなどして、なるべく分かりやすく書くことが大切です。

ハローワークの求人申込書の書き方については、応募したくなる求人へ!(ハローワークインターネットサービス)を参考にしてください。

労働条件変更の通知義務

また、2017年の職業安定法の改正で、当初示した労働条件から変更があった場合、求人者は求職者にその旨を速やかに知らせなければならないことが新たに義務付けられました(第5条3、第3項)。

通知が必要な場合

以下のケースでは通知が必要です。

  • 最初の条件と異なる条件を提示する場合
    例:基本給30万円/月 → 基本給28万円/月
  • 条件の範囲を具体的に指定するような場合
    例:基本給25万円~30万円/月 → 基本給28万円/月
  • もともとあった条件を削除する場合
    例:基本給25万円/月、営業手当3万円/月 → 基本給25万円/月
  • 新たな条件を提示する場合
    例:基本給25万円/月 → 基本給25万円/月、営業手当3万円/月

変更を明示するときの方法

変更明示は、求職者に分かりやすい方法で行わなければなりません。(1)が望ましいとされていますが、(2)の方法も可能です。

(1)変更前後の労働条件を「比較対照できる書面」を交付する
(2)労働条件通知書で変更部分にアンダーラインを引いたり着色したり脚注を付けたりして変更箇所を提示する

労働条件通知書とは、労働条件を明記した文書のことです。労働契約を締結するときに、企業側は労働条件通知書などの形で書面で労働条件を通知する必要があると労働基準法で定められています。
労働条件通知書の様式(ページ下部にあります)

求人募集で記載NGとなる表現

男女雇用機会均等法や職業対策法では、求人に記載してはならない内容が定められています。記載NGの表現と、例外となるケースを詳しく見ていきましょう。

1.性別を限定する表現

性別に関わりなく平等な雇用の機会を設けるため、男女雇用機会均等法では男女を限定するような表現が禁止されています。例えば以下のような書き方はNGです。

NGとなる表現の例

  • 「ウェイター」「営業マン」「○○レディ」など一方の性別のみを表す言葉を使うこと
  • 「女性向けのお仕事」「男の意欲が勝負」など一方の性別を優遇するような表現をすること
  • 「女性は未婚者限定」「女性は自宅通勤できる方のみ」など男女で異なる条件を設けること
  • 「総合職は男性7名、女性3名」など男女別の採用人数を決めて募集・採用すること
  • 「女性経理が退職したため、後任の女性を募集する」など一方の性に限定すること
  • 写真やイラストで、一方の性に偏った職場を強調する表現を用いること

例外となるケース

業務の遂行上、一方の性でならなければならない合理的な理由があれば例外として認められることがあります。例えば、女優や警備員、巫女などの職種が例外に該当します。また、男女格差の改善のために、あえて一方の性を優遇する措置(ポジティブ・アクション)を講じる場合は法違反とはなりません。

参考:男女均等な採用選考ルール (厚生労働省)

2.年齢を限定する表現

年齢に関わりなく均等に雇用の機会が与えられるようにするため、年齢の制限は職業対策法により禁止されています。業務遂行できる能力や体力を持っているかどうかは、年齢のみで一概に判断はできません。求人では、年齢不問とした上で、仕事内容と必要な能力がはっきり伝わるように記載の仕方を工夫しましょう。

NG例とその改善案

  • 「長距離トラック運転者 40歳以下」
    →「札幌・大阪間を定期的に移動」「資材(50kg)を上げ下ろしする作業」などと説明を加え、体力を要する業務であることを伝える
  • 「アパレルスタッフ募集 30歳まで」
    →「20代をターゲットにした婦人服を販売」と顧客層が分かるような説明を加える
  • 「介護職員募集 若い方限定」
    →単に「介護業務」と記載せず、「食事、入浴、排泄等の介助、清掃業務、…」「夜間業務は月○回程度」などと業務内容を具体的に説明。特定の資格を要する場合は、「ホームヘルパー○級または介護職員初任者研修以上」と明記。

※より詳しい解説は厚生労働省のWEBサイトよりご覧ください。
その募集・採用 年齢にこだわっていませんか?(厚生労働省)

例外となるケース

「舞台で子役が必要」「高齢者雇用を行う」といった場合は、例外として年齢制限が認められる場合があります。年齢制限が認められるパターンは以下の6つです。

1.定年年齢を上限として、その上限年齢未満の労働者を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合
2. 労働基準法その他の法令の規定により年齢制限が設けられている場合
3.長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、若年者等を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合
4.技能・ノウハウの継承の観点から、特定の職種において労働者数が相当程度少ない特定の年齢層に限定し、かつ、期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合
5.芸術・芸能の分野における表現の真実性などの要請がある場合
6.60歳以上の高年齢者または特定の年齢層の雇用を促進する施策(国の施策を活用しようとする場合に限る)の対象となる者に限定して募集・採用する場合

求人の書き方にはさまざまなルールがあり、個別の判断が必要な場合もあります。書き方に迷った際は、最寄りのハローワークに相談してみましょう。

ハローワークや求人広告に求人を出す場合、基本的にハローワークや運営サイトのチェックが入ります。しかし、自社サイト用の原稿を作成した場合など、誤って法違反の表記をしてしまったときは行政から改善命令が出されます。改善命令に従わなければ懲役や罰金などの罰則が科せられる可能性があるため、速やかな対処が必要です。

キャッチコピー例とその考え方

求職者の目を引く効果的なキャッチコピーを作成したいと考える人事担当者は多いのではないでしょうか。ここでは、キャッチコピーの作り方のポイントやキャッチコピーの例をご紹介します。

Point

  • ターゲットに響く言葉を選ぶ
  • 詰め込みすぎず、少なすぎず適度な情報量に
  • 一文を長くしない。一語一句を簡潔に
  • メリットは具体的に述べる
  • 主観的な表現を避け、客観的事実を書く

具体例を2つご紹介します。

例1:

【変更前】組込み系エンジニア
【変更後】モノづくり産業を支える【組込み系エンジニア】未経験OK!

変更前の文章は、情報量が少ないため応募者が仕事内容や会社をイメージしにくくなっています。変更後では、前半に「モノづくり産業を支える」と付け足すことで「エンジニアの技術を通して機械や通信機器などの業化に貢献したい」と思う求職者を惹きつけると同時に、未経験OKの文言を入れることで応募者層を広げるようなキャッチコピーになっています。給与や地位、人間関係や成長できる環境など人によって重視するポイントはさまざまです。給与を求める人には「賞与○カ月分」、地位を求める人には「有名企業で働く!」と入れるなどターゲットに合わせて訴求力のある文言を選びましょう。

例2:

【変更前】【店舗スタッフ】★待遇充実★プライベートも満足♪
【変更後】【店舗スタッフ】独身寮・社宅完備!連休7日取得可能!

「待遇充実」は、給与・勤務時間・休日・産休制度などどんな待遇を指しているのかがあいまいです。数ある求人の中に埋もれないようにするために「独身寮・社宅完備」など、具体的な内容を記載しましょう。また、「プライベートも満足」は、満足できるかは働く本人によるため、主観的な表現に受け取られる可能性があります。「連休7日取得可能」と客観的事実を書き、休みが取れるためプライベートを充実させやすいといったことをそれとなく伝えると良いでしょう。

求人募集は誰にとっても分かりやすい言葉で書くことが大切

求人募集にはさまざまな法が関わっており、採用担当者は書くべき内容・書いてはいけない内容をしっかり把握しておく必要があります。自社で判断しかねる点については、ハローワークや弁護士に相談しましょう。また、企業側と求職者が互いにミスマッチを引き起こさないよう、誰にも分かりやすい形で書くことも大切です。

※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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