労務管理システムの導入は、労務管理業務の効率化や企業の生産性向上を目指す上で欠かせないステップとなっています。しかし、導入の際にはさまざまなトラブルや失敗が伴うことも。このページでは、よくある失敗例とその対策方法を解説します。
目次
労務管理システムの導入で、適切な選定や導入のプロセスを経ないと、予期しないトラブルや失敗が生じることがあります。企業が陥りがちな代表的な4つの失敗例を紹介します。
労務管理システム導入の失敗例としてよく挙げられるのが、システムの仕様が自社のニーズや規模に適合していなかったことです。
例えば、大企業向けの高機能システムを中小企業が導入すると、過剰な機能が多く、結果的に効率化の障害となり、逆にコストが増大することがあります。反対に、小規模企業向けのシステムを大企業で使用すると、必要な機能が不足し、拡張性に欠けるといった問題が生じることがあります。
多くの企業では、労務管理以外にも給与計算システムや人事評価システムなど、さまざまなシステムを使用しています。これらのシステムとの連携ができない場合、二重入力が必要になるなどの手間が発生したり、データの重複が起こって正確性・整合性が担保できなくなったりするリスクが発生します。
労務管理システムは、従業員全員が使用するツールです。しかし、操作が複雑だったり、使い方のトレーニングが不足していたりすると、従業員がシステムを適切に使用できない場合があります。これにより、正確なデータを収集できず、かえって業務効率が低下するといった問題が生じることもあります。
システム導入後も、更新やトラブル対応が必要になることがあります。しかし、ベンダーからのサポートが不十分だと、システム運用が困難になることがあります。その結果、コスト削減のために導入したのに以前よりも運用コストがかかるといった事態が発生してしまうケースも起こりえます。
ここからは、システム導入で失敗しないようにあらかじめ押さえておくべきポイントを紹介します。
労務管理システムを導入する前に、自社の課題や状況をしっかりと整理することが大切です。必要な機能や規模をあらかじめ明確にすることで、自社に適していないシステムを選ぶリスクを低減できます。
例えば、データの取り扱いや、シフト管理の柔軟性、リモートワーク対応など、企業ごとのニーズは異なります。これらの情報を整理し、ベンダーに具体的な要望として伝えることで、最適な提案を受けられるでしょう。
また、現状の業務フローを見直し、システム導入によって効率化できる部分を明確にすることも重要です。効率化したい部分や、そのために必要となる機能を洗い出せます。
給与計算システム、人事評価システムなど他のシステムと連携できるかどうかも確認しておきましょう。連携の方法としては、APIを利用したデータの自動連携や、CSVファイルを用いたデータのインポート・エクスポートなどが考えられます。特にAPIを利用した連携は、リアルタイムでのデータ連携が可能となり、業務の迅速化やミスの削減に寄与します。
また、連携を行う際のセキュリティ面も考慮する必要があります。データのやり取りが多くなることで情報漏えいのリスクも増大します。ベンダーにセキュリティ対策についても確認することで、安心してシステムを移行・運用できるでしょう。
労務管理システムを導入する前に、可能ならその操作性や機能を実際に体験しましょう。多くのベンダーが無料トライアルを提供しており、システムの使い勝手や必要な機能が備わっているかを確認できます。
また、操作マニュアルの有無も重要なポイントです。マニュアルが整備されていれば、導入後の従業員研修や日常業務でのトラブル対応がスムーズに行えます。これらの点を確認することで、後々の運用が円滑に進められます。
システムの運用中に発生するトラブルや更新に対応するためには、ベンダーからのサポートが不可欠です。サポートの受付時間や対応スピード、追加コストなどを事前に確認し、導入における相談だけでなく長期的な運用を見越して適切なパートナーを選定しましょう。
例えば、要件定義からエンドユーザーの教育まで行ってくれる包括的なサポートのほか、セキュリティサポート、リモートでのサポート、データのバックアップや修復のサポートがついているサービスもあります。
せっかくコストをかけて導入することになるため、システム選定の失敗は誰でも避けたいものです。自社の求める要件を洗い出し、サービスは複数社を必ず比較検討するようにしましょう。
※こちらのページに掲載している情報は2023年9⽉時点のものです。
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