従業員の働きやすさを向上させる福利厚生の一つとして、あるいは健康経営の一環で社員の健康に貢献するため、社食サービスの導入を検討する企業も少なくないでしょう。このページでは、提供形態の違いによる社食サービスの種類を説明し、それぞれに必要な費用の目安を解説します。さらに、実際のサービスの料金も紹介します。
目次
社食サービスの導入には、以下のようなメリットがあります。
また、従業員にとっても、健康増進につながる、食費を抑えられる、サービス利用時に従業員同士のコミュニケーションが増えるといったメリットがあります。
一方、次のようなデメリットもあります。
メリットとデメリットを踏まえ、自社に合ったサービスを選びましょう。
社食サービスにはさまざまなものがありますが、提供形態によって大まかに分類できます。
社内に調理室と食事スペースを設置して食事を提供するものです。運営のしかたによって直営方式・準直営方式・外部委託(アウトソーシング)方式に分かれます。広い場所と業務用空調・調理用の機器、上下水道、電気の配線、ガスの配管などの設備および運営の人件費が必要になるほか、従業員は営業時間内に食堂に来て食事を取る必要があります。
設置型とは、オフィスに冷蔵庫や冷凍庫などを設置して食事や軽食などを提供するものです。冷蔵庫や冷凍庫、電子レンジなどを設置する場所が必要ですが、従業員は時間を問わず自分が欲しいものを自由に購入できます。
注文に応じて、弁当や外部の飲食店の商品を休憩時間などに合わせて届けるものです。配達地域や利用できる飲食店に制限がある場合も多いため、都市部や比較的交通の便の良い立地の職場に適しています。
決まった時間にスタッフが企業を訪れて食事を提供するケータリングタイプや、弁当を出張販売するタイプがあります。配膳や販売を行うために多少のスペース、および社員が食事をする場所が必要ですが、特別な設備は必要ありません。出張が可能な地域に制限がある場合も多いため、都市部や比較的交通の便の良い立地の職場に適しています。
提携している飲食店などの代金を、チケットや電子マネーで補助するものです。コンビニでの購入にも利用できるサービスもあります。加盟店の数はサービスにより異なりますが、外回りなどでオフィスに戻れないときやリモートワーク、休日出勤の際にも利用可能なのが特徴です。
上記のほか、自動販売機や、コンビニタイプの無人販売所を設置するサービスもあります。設置型同様に設置のためのスペースが必要ですが、時間を問わず自由に利用できるのが特徴です。
社食サービスは、提供形態によってかかる費用が異なります。詳しく見ていきましょう。
社員食堂の場合、調理室と食事スペースを用意する必要があります。導入の初期費用として業務用空調・調理用の機器、上下水道、電気の配線、ガスの配管などの設備を整えるため、数百万~数千万円かかるでしょう。
また、直営方式の場合は調理師、栄養士などの運営スタッフの人件費、準直営方式では食堂の運営会社を設立する費用、外部委託(アウトソーシング)方式の場合は委託費用が必要です。これらの費用は食堂の規模によって変動しますが、外部委託でも数万~数十万円かかります。
そのほか、光熱費と食材費が継続してかかります。規模にもよりますが、食材費だけでも年間数百万円が必要でしょう。
社員食堂を導入する場合、上記のように多額の費用がかかります。また、食堂の規模によって費用感が大きく異なるため、アウトソーシングサービスなどの料金も問い合わせとなっています。社員食堂の導入を考える場合は、自社で想定している運営規模や社員のニーズを整理して見積もりを取ってみるのが良いでしょう。
設置型の場合、冷蔵庫または冷凍庫と電子レンジなどを設置して従業員が購入できる形にするため、導入の初期費用と冷蔵庫など設置した機材の光熱費、実際の食費がかかります。企業の負担として月額利用料が必要となる場合もあります。
導入の初期費用としては、冷蔵庫や冷凍庫、電子レンジなどの設備を設置する費用がかかりますが、必要な機材を貸し出してくれるサービスもあります。
月額利用料の相場は25,000~50,000円、商品単価は100~500円程度が相場です。
企業の負担 | 従業員の負担 | 提供内容 | |
---|---|---|---|
A社 |
初期費用:0円 月額利用料:39,600円~ |
商品単価:100~200円 |
食事メニュー・総菜 冷凍庫・電子レンジ・消耗品提供 |
B社 |
初期費用:0円 月額利用料:27,500円~ |
商品単価:100円~ |
食事メニュー・総菜 冷蔵庫・容器など提供(電子レンジは企業側で用意) |
C社 |
初期費用:20,000円 月額利用料:6,000円 |
企業側で設定可能 |
総菜・冷凍弁当など 冷蔵庫または冷凍庫などは企業側で用意 |
デリバリー型の場合、特に設備が必要ないため、初期費用は基本的にかかりません。基本料金もかからない場合が多く、必要なのは食事の代金です。毎日ではなく希望した日だけの提供が可能なサービスもあり、1食あたり300~1,000円程度が相場です。
企業の負担 | 従業員の負担 | 提供内容 | |
---|---|---|---|
A社 | 初期費用:0円 月額利用料:0円 |
商品単価:380円~ | モバイルアプリから注文 |
B社 | 初期費用:0円 月額利用料:0円 |
商品単価:実費 | 飲食店のメニュー |
提供型、出張型の場合、特に設備が必要ないため、初期費用は基本的にかかりません。基本料金もかからない場合が多く、必要なのは食事の代金です。毎日ではなく希望した日だけの提供が可能なサービスもあり、1食あたり300~1,000円程度が相場です。
企業の負担 | 従業員の負担 | 提供内容 | |
---|---|---|---|
A社 |
初期費用:0円 月額利用料:0円 |
商品単価:500円~(設定可能) | 日替わりメニュー |
B社 |
初期費用:0円 管理費:相談 |
商品単価:500円~ | 調理した食事 |
チケット制や代行サービスの場合、従業員の食事代を補助するためのチケットや電子マネーの料金がかかります。従業員の負担割合をどのくらいにするか設定できるサービスもありますが、福利厚生費として処理したい場合は、次の条件を満たす必要があるので、注意が必要です。
食事代を福利厚生費とする条件
上記のように、福利厚生として処理しようとすると費用は従業員数や利用状況に左右されることもあり、相談して見積もりを取るケースがほとんどです。
料金を公開しているサービスの料金体系を一例として紹介します。
A社の例:
非課税扱いのプラン | 課税扱いプラン(実績によって非課税になることも) |
---|---|
企業負担の補助額: 1人当たり月額2円~最大7,000円まで ※当該月の利用実績に応じて給与から半額または半額以上を控除 |
補助額設定型: 1人当たり月額50~10,000円 |
補助率設定型: 1人当たり月額上限金額1,000~10,000円 |
自動販売機やコンビニタイプの販売所を設置する必要がありますが、設置費用は無料となっているサービスが多いです。月額利用料はサービスやプラン、商品の内容によっても異なり、無料~50,000円程度が目安です。商品代は従業員が購入時に負担することが多く、企業側の負担がほとんどない形式です。
企業の負担 | 従業員の負担 | 提供内容 | |
---|---|---|---|
A社 |
初期費用:0円 月額利用料:0円(利用人数100人以上) または50,000円~(利用人数100人以下) |
商品単価:実費 | 菓子、飲料、食品、雑貨 |
B社 |
初期費用:0円 月額利用料:0円 |
商品単価:実費 | 菓子、食品、雑貨 |
社食サービスを導入すると、社内外にアピールできる福利厚生制度となり、従業員の健康管理の補助にも役立ちます。さまざまなサービスがありますので、このページで紹介した種類や費用目安を自社の働き方や従業員のニーズに合ったサービスの検討に役立ててください。
※こちらのページに掲載している情報は2023年10⽉時点のものです。
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