給与計算システムについてよくある質問をQ&A形式でまとめました。詳細情報をまとめている関連ページの情報とあわせて、自社に合った給与計算システムを調べる際の参考にしてください。
目次
給与計算業務の効率化と法令違反の防止が給与計算システムのメリットです。等級や手当、時間外・休日出勤による割増賃金の有無など、給与は従業員ごとに異なるため、従業員数が多ければ多いほど計算の手間も大きくなります。その煩雑な作業をシステムが自動化してくれるため、経理担当者の負担軽減につながります。
また、計算ミスによって給与が未払いになったり、実際より少なく支払われていたりした場合、労働基準法24条で定められている「賃金支払原則」に違反することになります。そのリスクを無くすためにも、給与計算システムは有効です。
具体的には次のような導入メリットがあります。
すでに導入している給与計算システムにコストや使い勝手の面で不満が生じたり、サポートが終了するなどの問題が発生したりした場合は、新しいシステムへの移行を検討する必要があります。それ以外に、会社の環境や組織の変化によっても、システムの入れ替えが必要になることがあります。
他にも以下の状況に当てはまる場合は入れ替えを検討すべきです。
給与計算システムはそれぞれのサービスごとに特徴が異なるため、自社の企業規模やニーズに合わせて、オプション機能やサポート体制を重視して選定しましょう。具体的には以下のチェックポイントを参考に選ぶと失敗しにくいでしょう。
クラウド型のサービスであれば、従業員や管理者が利用できるインターネット環境と、推奨環境を満たすパソコン・タブレットがあれば利用できます。社用パソコンに対応しているOSかどうか事前に確認しておきましょう。
オンプレミス型のサービスの場合は、社内にサーバー環境を保有していることが前提になります。必要なスペックについては、導入予定のサービスの仕様を確認してください。
インストール型(パッケージ型)は、対応OSが搭載しているパソコンさえあれば利用できます。一つのアカウントを複数人で共有できるクラウド型とは異なり、パソコンごとにアカウントが必要になるため、対応人数分のパソコンを用意しましょう。インストールしてしまえばインターネット環境がなくても使用できるようになります。
システムの種類や規模、必要になる機能の数によってコストは異なります。
一般的に、クラウド型サービスは月額料金制あるいは従量課金制を採用していることが多く、アカウント数や使用時間によって金額が異なります。インストール型(パッケージ型)サービスは買い切りになるため、初期費用だけでランニングコストはかかりません。オンプレミス型はシステム構築の初期投資と保守運用費が必要です。
それぞれの費用相場は以下の通りです。具体的なコストは、サービス提供会社に問い合わせましょう。
クラウド型 | オンプレミス型 | インストール型 (パッケージ型) |
|
---|---|---|---|
費用タイプ | 従量課金タイプ | 買い切りタイプ/従量課金タイプ | 買い切りタイプ |
価格相場 | 月額500円~/1ユーザー | 数万~数百万円 +保守運用費がかかる |
一般的に3~5万円 |
関連ページ:給与計算システムの種類と費用の比較ガイド
クラウド型やパッケージ型のサービスは、設定が完了すればすぐに利用できるものがほとんどです。中には即日利用が可能なサービスもあります。または、導入前に無料トライアルを試してから本番サービスへ移行できる場合もあります。
オンプレミス型のサービスでは、エンジニアによるシステムの構築が必要になるため、約3カ月の準備期間がかかるのが一般的です。
多くの給与計算システムが、エクセルデータや他の給与計算システムの過去データを取り込む(インポートする)ことができます。多くの場合がCSVファイルの形式でインポートすることになりますが、どのようなファイル形式で対応しているかはベンダーに問い合わせてみましょう。
多くの給与計算システムで、勤怠管理システムや人事労務ソフトとの連携が可能な設計になっています。
勤怠データを自動的に給与計算ソフトに取り込むことで、給与計算の効率化や集計ミスのリスク低減が期待できます。勤怠情報をCSVファイルとしてダウンロードし、給与計算システムに取り込む方法が一般的です。一部のサービスでは、API※連携により、勤怠情報をそのまま給与計算ソフトに取り込むこともできます。
日払い、週払い、月2回払いなどに柔軟に対応している給与計算システムもあります。どのような勤務形態の従業員が多いのか自社の状況を整理してから、条件に合う機能を備えているシステムを比較検討するようにしましょう。
標準報酬月額が定時決定した場合の適用は9月からですが、変更のタイミングは会社によって異なります。
計算した月と給与の支給月が同じ場合でも計算した月が給与支給月の前月の場合でも、当月分の保険料をいつの給与から控除しているかによります。例えば、当月支給の給与から控除している場合は9月、翌月支給の給与から控除している場合は10月支給の給与から変更すればいいことになっています。
多くの給与計算システムが、簡単に最新の社会保険料率を計算に反映できる仕様になっています。健康保険料率は毎年3月に改定されるため、その都度料率の更新作業が必要です。しかし、多くの場合簡単な操作だけで自動反映されます。ベンダーによっては更新作業のやり方をサポートしてくれたり、動画などのマニュアルで教えてくれたりするため、担当者はスムーズに料率を最新版に更新できます。※こちらのページに掲載している情報は2023年10⽉時点のものです。
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