給与計算システムを導入していても、入れ替えが必要になるタイミングが存在します。このページでは、入れ替えが必要になるタイミングについて解説し、8つの状況や課題に対して有効な給与計算システムの特徴や機能を説明します。
目次
導入している給与計算システムにコストや使い勝手の面で不満が生じたり、サポートが終了するなどの問題が発生した場合は、もちろん新しいシステムへの移行を検討する必要があります。それ以外に、会社の環境や組織の変化によっても、システムの入れ替えが必要になることがあります。
労務管理システムや勤怠管理システムの更新や変更を行う場合、給与計算システムもこれらと連携可能なものへと入れ替えが必要になる場合が多いです。
給与計算のアウトソーシングを開始する場合や、逆にアウトソーシングを終了して社内での業務に戻す場合、求められるシステムの機能が変わることがあります。
働き方改革の取り組みに伴い、給与計算の担当者が特定の時期に忙しくなる問題を解決し、業務の平準化を図るため、省力化や効率化ができるシステムへの変更が求められます。
テレワークや在宅勤務を始めるときは、社外からもアクセス可能なクラウド型の給与計算システムに切り替えるタイミングになります。逆に、リモートワークを終了してオフィスワークに戻る際には、社内専用のシステムへの変更も考えられます。
企業が成長し、給与計算が複雑になると、以前のシステムでは対応が難しくなることがあります。逆に、企業規模が縮小した場合には、現行のシステムでは機能が多すぎる、コストが高すぎるといった問題が生じるでしょう。
上場を目指す企業には、監査体制や内部統制が求められます。給与管理システムが監査や作業履歴の記録などに対応していない場合は、入れ替える必要があるでしょう。
社会保険労務士(社労士)や顧問税理士を変更すると、新しく依頼する社労士や税理士が現行のシステムになじみがない、あるいは対応が難しい場合があります。この場合は対応しているシステムに入れ替えが必要となります。
新たな支社や事業所を開設する際には、各拠点間での情報共有やデータの一元管理が求められます。郵送の必要のないWeb対応のシステムなどへの変更を検討するタイミングとなります。
新しいプライバシーポリシーやセキュリティ基準の導入に伴い、それに対応したシステムへの移行が必要となることがあります。従業員のプライバシーを守り、企業としての信用を維持するためにも、セキュリティ対策のしっかりしたシステムを選びましょう。
給与計算システムは、原則的に、年末調整が完了した後のタイミングで切り替えることになります。その他のタイミングでの導入を考える場合は、新旧のシステムを一時的に併用する必要が出てくることもあります。データの引き継ぎ手順やそれにかかる期間を把握し、計画的に入れ替えを進めることが重要です。
給与計算システムは、状況や課題に応じて選択する必要があります。それぞれの状況や課題ごとに、おすすめのシステムの特徴や機能を解説します。
従業員が数人しかいないうちは、エクセルなどで給与を計算できますが、人数が増えるにつれて難しくなります。法対応も考慮すると、給与計算システムを導入した方が安心です。エクセルでの手計算をやめたい場合、小規模企業向けの、シンプルな給与計算システムの導入から始めると良いでしょう。あまり複雑な機能を求めない場合は、無料のものも存在します。
システムの料金体系はさまざまに異なります。長期間使用することを考えると、初期費用のみでなく、ランニングコストも計算して、トータルでのコストを見極めることが重要です。また、システムの導入費用が高い場合でも、導入によって人件費が大きく削減できる場合は、トータルでのコスト削減となります。機能と費用のバランスをシミュレートし、最適なものを選びましょう。
人件費が大きくかかっている場合は、アウトソーシングも選択肢の一つとして考慮することがおすすめです。
勤怠情報や従業員情報を別途管理している場合、それらの情報と突き合わせながら給与計算をするのに手間がかかってしまうケースも多いでしょう。勤怠管理システムや人事・労務管理システムと連携が可能なシステムを選択することで、データの取り込みや突き合わせの手間を大幅に削減できます。一口に連携と言っても、データを加工してからインポートをしなければならないケースなどもあり、どのような形で連携できるのかは事前に確認しておく必要があります。極力少ない手順で、できれば自動的に勤怠や従業員のデータを読み込んでくれるシステムがおすすめです。
法改正に対応して自動的にアップデートが行われるクラウド型のシステムがおすすめです。こうしたシステムを利用すれば、法改正に関する情報を自分で収集しなくても適応できる上、手動での更新作業も不要です。
給与計算のアウトソーシングサービスを検討することがおすすめです。会社の規模によっては、顧問税理士や社労士に依頼することも選択肢に入ります。
給与計算システムとセットでアウトソーシングサービスを提供している会社もあります。このようなタイプでは、人手のかかる業務をアウトソーシングすると同時にシステムで情報を確認することもできます。
どこからでもアクセス可能なクラウド型のシステムを選択することがおすすめです。特に、Web給与明細の発行機能が付属しているものを選ぶことで、給与明細の郵送などの手間を省くことができます。
サービスの想定規模を確認し、自社の規模に合ったシステムを利用するのがおすすめです。中小企業向けでは給与計算のみに特化したシステムが多い傾向がありますが、大企業向けになるとさまざまな情報や機能を含むERP※タイプなどもあり、管理できる情報や対応できる業務の幅が広がります。関連業務のシステムとの統合も視野に入れて考えると良いでしょう。
※ERP:Enterprise Resources Planning(企業資源計画)の略。企業の持つ資源=「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」を一元的に管理し、有効活用するという考え方。現在では、「基幹系情報システム」を指すことが多い。
上場企業への導入実績が豊富なシステムを選択することがおすすめです。上場に対応するためには勤怠管理や給与計算などの体制はもちろん、内部統制も整備する必要があります。操作の履歴などを確認できるシステムを選びましょう。
また、こうしたシステムは人事・労務管理や勤怠管理機能も兼ね備えていたり、連携できるシステムを提供していたりすることも多くあります。給与計算だけでなく、人事・労務業務全体で体制を考えると良いでしょう。
給与計算システムに必要とされる機能は、会社の規模や状況によって変わります。規模に合わないシステムを使っていると、業務に手間がかかったり、使わない機能の分など無駄なコストがかさんだりしてしまいます。このページを参考に、自社の規模と解決したい課題に合わせたシステムを選択し、業務の最適化を図ってください。※こちらのページに掲載している情報は2023年10⽉時点のものです。
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