健康管理システムについてよくある質問をQ&A形式でまとめました。詳細情報を解説している関連ページの情報とあわせて、自社に合った健康管理システムの選定や運用に役立ててください。
目次
健康管理業務を効率化できる点が最も大きなメリットと言えます。健康管理システムを導入することで、具体的には以下のようなメリットを享受できます。
健康管理システムを導入していなくても法律違反にはなりません。ただし、事業所の従業員数が50人を超えると、企業は以下について対応する義務が発生します。これらを遵守できなかった場合は、労働安全衛生法違反となる場合があります。
健康管理システムを使用することでストレスチェックの実施や健康診断結果報告書の作成を効率化できます。従業員の健康データを正確に把握・管理できていれば健康管理システムを導入しなくても問題ありませんが、従業員が増えて管理が難しくなった場合は、速やかにシステムの導入を検討しましょう。
クラウド型のサービスであれば、従業員や管理者が利用できるインターネット環境と、推奨環境を満たすパソコンがあれば利用できます。オンプレミス型のサービスの場合は、社内にサーバー環境を保有していることが前提になります。必要なスペックについては、導入予定のサービスの仕様を確認してください。
それぞれのサービスごとに特徴や機能が異なるため、自社の企業規模やニーズに合わせて、機能やサポート体制を重視して選定しましょう。具体的には以下のチェックポイントを参考に選ぶと失敗しにくいでしょう。
関連ページ: 健康管理システムの比較と選定のポイント
システムの種類や規模、必要になる機能の数によってコストは異なります。一般的に、クラウド型サービスは月額料金制あるいは従量課金制を採用していることが多く、アカウント数や使用時間によって金額が異なります。オンプレミス型はシステム構築の初期投資が必要です。具体的なコストは、サービス提供会社に問い合わせましょう。
「健康管理システムの種類とは? 導入にかかる費用も解説」のページで、健康管理システム導入・運用時のコストシミュレーションを紹介しています。
例) | 初期費用 | 月額費用の目安 | 1年後の支払総額 | 5年後の支払総額 |
---|---|---|---|---|
サービスA(クラウド型) | 60万円 | 50万円 | 660万円 | 3,060万円 |
サービスB(オンプレミス型) | 300万円 | 34万円 | 708万円 | 2,340万円 |
タイプ | 初期費用 | 月額費用 | |
---|---|---|---|
A社 | クラウド型 | 500円~/1従業員(1,000人以上の場合は一律50万円または100万円) | 50円〜/1従業員 |
B社 | クラウド型(中小企業向け) | 20万円 | 300円/1従業員 |
C社 | パッケージ型 |
302万円(従業員1,000人の場合) 402万円(従業員5,000人の場合) |
3万1,250円(従業員1,000人の場合) 4万3,750円(従業員5,000人の場合) |
クラウド型のサービスは、設定が完了すればすぐに利用できるものがほとんどです。中には即日利用が可能なサービスもあります。または、導入前に無料トライアルを試してから本番サービスへ移行できる場合もあります。オンプレミス型のサービスでは、エンジニアによるシステムの構築が必要になるため、1~3カ月の準備期間がかかるのが一般的です。
健康管理システムはCSVデータの他に、紙・PDFのデータの取り込みも可能な場合が多いです。個人情報保護の関係で、データ移行は従業員本人あるいは人事労務担当者が行う必要がありますが、社内での対応が難しい場合はデータ化を代行してくれるサービス提供会社もあるため、事前に相談しておきましょう。
医療機関から配布された健康診断結果の個人票であっても、多くの健康管理システムはデータ取り込みが可能です。特にシステム提携している医療機関であれば、健康診断記録や診療記録などを自動的にシステム上に反映できるでしょう。健康管理システムを選ぶときは、医療機関との提携についても選定基準に入れておくと安心です。
クラウド型のサービスは、インターネット環境さえあれば誰でもどこでもアクセス可能です。
また、サービスの中には産業医・保健師専用のページ・機能を備えている健康管理システムもあります。企業によっては産業保健スタッフと密に連携を取り合って産業保健活動を行っているケースもあるため、そうした場合は産業保健スタッフが使いやすいシステムかどうかも選定時の大切なポイントと言えます。
多くの健康管理システムで、人事労務ソフトや勤怠管理ソフトとの連携が可能です。
勤怠データを自動的に取り込むことで、従業員ごとだけでなく組織単位での健康リスクの可視化が期待できます。人事データや勤怠データをCSVファイルとしてダウンロードし、健康管理システムに取り込む方法や、API※連携によりそのまま取り込む方法もあります。
※API:アプリケーション・プログラミング・インターフェース(Application Programming Interface)。ソフトウエアやプログラム、webサービスの間をつなぎ、OSやアプリケーションの一部を他のアプリケーションから利用できるようにする
健康管理システムの中には、操作感や機能を確かめるために無料トライアル期間を設けているものもあります。
本格導入の前に、システム操作が誰にとっても簡単か、必要な機能がそろっているかを確かめるのは、導入・運用に失敗しないためには必要な工程です。無料トライアルができるかどうかは、サービス提供会社に事前に問い合わせましょう。
絶対に導入しなければならないわけではありませんが、健康管理システムがあるとストレスチェック結果を一元管理できたり、データ連携で役立ったりするため、導入しておくメリットが多いと言えます。
また、メンタルヘルス不調を未然に防止するための仕組みであるストレスチェックは、従業員50人以上の事業所では、年に一回必ず受けさせなければならないものです。健康管理システムがあれば、まだストレスチェックしていない従業員に自動的にアラートメールを送ることもできるため、担当者の負担軽減につながります。
健康管理システムを導入すれば、ただちに健康経営や人的資本経営に効果が表れるわけではありません。
しかし、健康経営も人的資本経営も、従業員が健康的な状態や高いエンゲージメントを維持することで最大限のパフォーマンスを発揮できるように企業側がサポートする取り組みであり、そのためには健康従業員一人ひとりの健康データを管理したり、健康データを分析してよりよい職場環境づくりに生かしたりすることが必要です。健康管理システムはその一助になります。
関連ページ:健康経営と認定されるには? 事例と健康経営優良法人制度を解説
※こちらのページに掲載している情報は2023年10⽉時点のものです。
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