勤怠管理システム
を選ぶポイント

勤怠管理システムの導入を成功させるには、さまざまなサービスの中から、自社のビジネス、職場の環境、予算などに合ったシステムを選ぶことが大切です。このページでは、勤怠管理システムを比較するとき、見落とさずにチェックしておきたいポイントを解説します。

機能と使いやすさ

勤怠管理システムを選ぶとき、最も大切なのは、必要な機能がきちんと備わったサービスを選ぶことです。導入後に機能の不足に気づくことがないよう、あらかじめ仕様をよく確認しておくと良いでしょう。勤怠管理システムの代表的な機能には以下のものがあります。

機能 詳細
打刻 従業員が出勤・退勤した時刻を記録する機能
勤怠集計 打刻された時刻をもとに、勤務時間や出勤日数などを集計する機能
休暇管理 従業員の休暇を管理する機能
申請・承認フロー 従業員が残業や休日出勤などを申請し、管理者が承認する機能
シフト作成 従業員のシフトを作成する機能
データのダウンロード システムで管理しているデータを、PDF、Excel、CSVなどのファイル形式でダウンロードできる機能
給与計算ソフトとの連携 集計した勤怠情報を給与計算ソフトと連携する機能
プッシュ通知 打刻忘れなどがあったとき、画面上にプッシュ通知を表示する機能
アラートメール 打刻忘れなどがあったとき、従業員にメールを配信する機能
工数管理 プロジェクトごとに作業時間を管理する機能
食事管理 打刻と合わせて食券の発行や弁当の注文ができる機能
36協定チェック 勤怠情報が36協定に違反していないかをチェックする機能
多言語対応 ページの言語を切り替えられる機能
タイムゾーン設定 事業所ごとにタイムゾーンを切り替えられる機能

勤怠集計や休暇管理、シフト作成などの機能は、各サービスによって使いやすさに大きな差があります。無料体験やデモサイトが利用できる場合は、申し込む前に操作を試しておくと良いでしょう。
ここでは、勤怠管理システムの代表的な機能について、見落とさずにチェックしておきたいポイントを説明します。

打刻

打刻にはさまざまな方法があるため、想定している手段が利用できるかを必ず確認しましょう。休憩時間を自動で登録できる機能や、遅刻した従業員に理由を記入させる機能など、細かい仕様が運用に大きく影響します。どんな設定ができるのかを細部まで確認しておきましょう。

勤怠集計

出勤日数、勤務時間、残業時間、深夜残業時間など、従業員の給与計算に必要な情報がきちんと集計できるかを確認しましょう。一定の条件で時刻を修正する機能(8時55分の打刻を9時として集計するなど)があると役立つこともあります。

休暇管理

自社で設けている休暇制度が、就業規則の通りに登録できるかを確認しましょう。また休暇として登録できる時間の単位(1日、半日、1時間など)も、規則の通りに設定できるかを確認しましょう。

申請・承認フロー

残業や休日出勤、有給休暇などについて、自社の規則に合った承認フローが構築できるかを確認しましょう。会社がいくつかの組織に分かれている場合、組織ごとに異なる管理者を設定する必要があります。また組織がいくつかの階層に分かれている場合、階層に沿った承認フローを構築する必要があります。会社に合わせたカスタマイズが必要になる場合もあるため、コストと合わせて確認しておきましょう。

シフト作成

シフトの組み方は業種によってさまざまです。週ごとにシフトが固定されている、早番と遅番だけ分かれている、まったくパターンがないなど、会社のルールに合ったシフトを作成できるかを確認しておきましょう。使いやすさに差が出やすい機能ですので、無料体験やデモサイトで操作を試しておくことが大切です。

データのダウンロード

ダウンロードする目的に合わせ、必要なファイル形式(PDF、Excel、CSVなど)が利用できるのかを確認しましょう。データに手を加えず資料化するときはPDFが便利ですが、データの比較や分析を行うときはExcelが便利です。またデータをダウンロードする際、ファイルのフォーマットが決まっているのか、必要な項目をカスタマイズできるのかも確認しておくと良いでしょう。

給与計算ソフトとの連携

勤怠情報をCSVファイルとしてダウンロードして給与計算ソフトに取り込む方法と、API連携により勤怠情報を給与計算ソフトに直接取り込む方法があります。後者の方法が便利ですが、利用できるサービスの組み合わせが限られるため、運用中の給与計算ソフトで使用できるかを確認しておくと良いでしょう。

セキュリティ

勤怠管理システムを安心して利用するには、セキュリティ対策が万全なサービスを選ぶことも大切です。オンプレミス型のサービスであれば自社のセキュリティポリシーに合わせてシステムを構築できますが、クラウド型のサービスでは運営会社にセキュリティ対策を任せることになります。後者の場合、十分なセキュリティ対策が取られているか客観的にチェックし、信頼のできるサービスを選びましょう。

システムの保守

クラウド型のサービスを利用する場合、システムの保守体制がきちんと組まれているのかを必ず確認しましょう。資料やWebサイトに具体的な説明がない場合は、問い合わせて記録を残しておくことも必要です。とくにチェックしておきたいポイントには以下があります。

  • OSやアプリケーションのアップデートが適用されるか
  • サーバーやネットワークが多重化されているか
  • データが自動的にバックアップされているか
  • ネットワーク通信が暗号化されているか
  • ウイルス、マルウェア感染への対策が取られているか
  • データセンターのセキュリティ対策は取られているか
  • データセンターの予備電源は確保されているか

サービス運営会社の体制

勤怠管理システムを運営している会社が、個人情報を適切に取り扱う体制を整えているかを確認しておくことも大切です。以下の点をチェックすると、会社の体制を客観的に判断することができます。

・個人情報保護方針(プライバシーポリシー)
個人情報の管理や保護などに関する取り扱い方針を明文化したものです。会社資料や公式サイトに掲載されている場合が多いので、必ず目を通しておきましょう。

・プライバシーマーク
日本情報経済社会推進協会が運用する、個人情報について適切な保護のための体制を整えた事業者が使用を認められる制度です。2年ごとに更新が必要になるため、認定を受けた事業者は継続的に個人情報保護の体制を整えていると判断できます。

・ISMS 認証
情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)を構築し、さまざまな脅威から情報資産を適切に保護していることを認証する制度です。具体的な要求事項は「ISO/IEC27001」と呼ばれており、こちらの名称が使われる場合もあります。プライバシーマークとは異なり、国際的な標準規格として使用されています。

サポート体制

勤怠管理システムを運用するには、運営会社からのサポートも欠かせません。システムにバグが見つかったときや労働関連法令の改正があったとき、どのようなサポートが受けられるのかを確認しておきましょう。

初期設定

勤怠管理システムの利用を開始するには、自社の就業規則、組織体系、雇用形態などに基づき、初期設定を行う必要があります。指紋リーダーなどの打刻機器を利用する場合は、打刻した時刻が正しく記録されるかをテストする必要もあります。これらの初期設定については、電話やメールでサポートが受けられるかを確認しておきましょう。サービスによっては、スタッフに設定を代行してもらえたり、設定方法を解説するセミナーを開いてもらえたりすることもあります。

運用サポート

勤怠管理システムの運用を始めてからも、就業規則の変更や従業員の増減などにより、システムの運用方法が変わることがあります。クラウド型のWebサービスでは、バグや脆弱性が見つかったり、アクセス障害などのトラブルが起きたりすることもあります。これらの場合、自社がサービス会社からどんなサポートが受けられるのかを確認しておきましょう。

法改正対応

労働関連法令が改正されると、勤怠管理システムのアップデートが必要になる場合があります。2010年に施行された法改正では、年次有給休暇を時間単位で取得することが可能になりました。このようなとき、法改正に合わせたシステムのアップデートが無料で行われるのかを確認しておく必要があります。

コスト

勤怠管理システムを選ぶときは、自社の予算に合ったサービスを見つけることも必要です。コストに見合いつつ、満足のできる機能やセキュリティが備わっているのかを確認し、もっともパフォーマンスの良いサービスを選ぶのが基本的な考え方です。
勤怠管理システムの利用に必要なコストは、クラウド型とオンプレミス型で大きく異なります。クラウド型のサービスではシステム導入費がかからないことがほとんどですが、オンプレミス型のサービスではエンジニアの作業が必要になるため、導入費が非常に高額になります。また、ネットワークの構成に関わらず、打刻機器の購入費や通信費も必要になるため、これらの有無を見落とさないよう注意が必要です。

サービスの比較は多角的に

勤怠管理システムを選ぶときは、機能、セキュリティ、サポート体制、コストの観点で、サービスを多角的に比較する必要があります。このページで紹介したポイントに注意してシステムを比較すれば、運用に影響するポイントを見落とさずにサービスを選ぶことができます。実際に機能を使ってみないと分からない部分は、無料体験やデモサイトで操作を試しておくことも大切です。
こちらの勤怠管理システムサービス比較のページ でも、勤怠管理システムをさまざまなポイントで比較することができます。ぜひ活用してみてください。

※こちらのページに掲載している情報は2017年6⽉時点のものです。


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