採用代行サービスの選び方|内容の違いと7つの比較ポイント

採用代行サービスの内容はさまざまです。自社の採用課題や予算に応じて適切なサービスを選ぶことで、採用業務の効率化や採用活動の成果を最大化できます。このページでは、採用代行サービスが向いている企業の特徴に加え、具体的な採用代行サービスの内容の違いと、サービスを選ぶ際に確認したい7つの比較ポイントを解説します。

目次

採用代行サービスはどんな特徴の企業に向いている?

採用代行サービスは、その対応範囲の広さや種類の多さから、さまざまなニーズに応えることが可能です。その中でも、特に採用代行サービスの導入が向いているであろう企業の特徴を大きく3つ紹介します。

採用活動の経験が少ない

起業したばかり、あるいは初めて従業員を採用するなど、採用活動の経験が少ない企業にとって、採用代行は走り出しをサポートしてくれるサービスだと言えます。採用業務のノウハウや採用市場への理解もあるため、企業の課題やニーズに沿った対応が期待できます。

大量採用が必要

プロジェクトの急な拡大や、事業の急激な成長に伴い、一度に多くの人材を必要とするシチュエーションもあります。このような大量採用を短期間で実現するには、独特のノウハウとリソースの供給が必要です。採用代行サービスは、大量の応募者を効率よくスクリーニングし、選考プロセスを円滑に進めてくれます。

採用にかける工数を削減したい

多くの中小企業ではリソースが限られています。ほかの業務と採用業務を兼任する担当者がいることも珍しくありません。採用活動も重要ではありますが、それにかかる工数をできるだけ削減し、本業に注力することも大切です。採用代行サービスを利用すれば採用業務に関わる時間とリソースが大幅に省略でき、経営の効率化が図れます。

関連ページでは、どのような企業が採用代行サービスに向いているか、状況・課題別にさらに詳しく12のケースを紹介しています。

関連ページ:【状況・課題別】採用代行サービスを導入すべき企業とタイミング

採用代行におけるサービス内容の違い

採用代行サービスと一口に言っても、全てのベンダーが自社にマッチするとは限りません。サービスによって、対応範囲や業務領域、金額など、さまざまな違いがあります。内容の違いを理解し、自社の状況とニーズに最も合ったサービスを選ぶことが採用成功につながります。

業務範囲

採用の工程は多岐にわたり、工程ごとにこまごまとした業務があります。

代表的な採用工程

  • 採用計画・戦略立案
  • 募集
  • 応募者対応・選考
  • 面接・合否決定
  • 内定・入社

採用代行サービスは、ベンダーによって対応できる業務範囲が異なります。例えば、面接のプロセスに特化している、スカウトメールの作成・送信や応募者とのコミュニケーションを受け持つ、応募者の書類選考のみを行う、SNSでの情報発信やスカウトを得意としている、幅広い工程をトータルでサポートする、月に1度ミーティングを行い、PDCAを回す…など。

これらはすべて採用代行サービスと称しているものの、提供しているサービスの内容や範囲は大きく異なります。サービスを選ぶ際は、具体的なサポート内容や範囲をしっかりと確認し、自社でも「どこからどこまでの業務を委託するか」を明らかにした上で、条件を絞り込みながら選定するのが良いでしょう。

関連ページ:採用代行とは? どこまで委託できる? 採用業務のフローと合わせて解説

料金形態

採用代行サービスの費用は、業務範囲や内容によって異なります。成功報酬型では、採用が成功した際に料金が発生します。月額固定型では、使用するサービスの範囲に沿って、毎月一定の料金を支払います。従量課金型では、利用したサービス内容に応じて料金が発生します。どの料金形態が自社に合っているかは、採用の規模や頻度、予算などによります。例えば、定期的に多くのポジションで採用を行う企業は、月額固定型の方がコストパフォーマンスは良い場合もあります。

関連ページ:採用代行(RPO)の費用相場とは|採用コストの計算方法や削減のコツも紹介

採用領域

採用領域もベンダーによって分かれていることが多いです。例えば、アルバイトの採用であれば人材要件がそれほど高くなく、均一化されていますが、新卒採用の場合は採用活動が長期にわたり要件定義も複雑なので、そもそも領域外のベンダーもあります。
中途採用の場合も、企業は高度人材や専門人材を求めることが多く、難易度は低くないため、その領域におけるノウハウや実績があるかどうか確認して絞り込むのが良いでしょう。

サポート時間の広さ

求職者が平日の昼間や夕方以降に問い合わせをするとは限りません。夜間や土日に問い合わせがあった際、担当者が不在だとせっかくの応募に気付けなかったり、飲食系の中小企業など、営業時間中だと忙しくて対応が遅れてしまう可能性もあります。
採用代行サービスでは、休日や夜間にも受付対応をしているものもあります。必要に応じて、サポート時間や対応フローも確認するのがおすすめです。

前後の工程に関するサポートの有無

採用業務における前工程とは、採用戦略や計画の立案、要件定義をすること、後工程は採用後の研修やオンボーディングを指します。
前工程からサポートしてくれるサービスでは、企業の課題やニーズを共有した上で、どのポジションにどれだけの人材が必要なのか、どのようなスキルを持った人材を求めるのかといったアドバイスが受けられます。こうした前後の工程に関するサポートがないサービスもあるため、必要に応じて検討しましょう。

サービスの提供背景

採用代行サービスを提供しているベンダーは、本来は異なる事業内容を展開していることが少なくありません。
例えば、求人媒体から派生したサービスの場合、広告の出稿や応募者の管理に強みがあります。採用管理システムの開発元企業が+αのサービスとして採用代行を行っているケースでは、採用業務を効率化するノウハウの共有が期待できます。
ほかにもBPO企業、人材紹介企業など、さまざまな背景を持つベンダーがあります。提供元の背景と強みを確認し、求めるサポートとのすり合わせが必要です。

サブサービスかメインサービスか

上記と関連しますが、サービスの中心がどこにあるのかも重要なポイントです。
採用代行サービスが主力であれば、もちろんそのノウハウやリソースが豊富であることが多いでしょう。これに対して、メインはコンサルティングだが採用代行も請け負っているといったケースもあります。前者は採用に特化したサービスが期待できる一方で、後者は企業全体の戦略を理解した上で採用までサポートしてくれる可能性があります。

オペレーションレベル

採用代行サービスの質は実務担当者のスキルに大きく左右されます。
例えば採用代行をサブサービスとして提供している企業では、本来は別の事務作業を行っているアルバイトや非正規従業員といった未経験者が一部採用業務に関わる可能性もあります。
オペレーションレベルによっては業務の遅延やミスが発生し、最悪の場合、応募者の信頼を失ってしまったり、優秀な人材を見逃してしまったりするリスクもあるため、十分な確認が必要です。

オンサイト型かオフサイト型か

採用代行サービスには、企業内に常駐し、社内の採用担当者と一緒に業務を進めるオンサイト型と、オペレーションセンターやリモートで業務にあたるオフサイト型、状況によって両者を組み合わせられるハイブリッド型があります。
オンサイト型は企業風土やニーズをくみ取りやすく、担当者間のコミュニケーションも円滑に進められる一方で、費用が高くなる傾向があります。オフサイト型はコストを抑えられる一方、やり取りにタイムラグや齟齬(そご)が生じる可能性も考慮する必要があります。

専門領域に特化しているか

採用代行サービスは、業界や職種に特化したサービスと、多岐にわたる業界・職種に対応するサービスに分かれます。
ITや製造、ヘルスケアなど、特定の領域に特化したベンダーは、その業界の特性を深く理解しており、専門性の高い候補者を効果的にスカウトする力があります。加えて、やり取りに英語が必要なグローバル人材のほか、障がい者の採用代行に特化したベンダーもあります。一方、幅広い業界・職種に対応するサービスは、多様なニーズに応える柔軟性があります。

課題解決型かリソース供給型か

採用代行サービスの活用理由は企業によって異なります。
専門職の確保や採用ブランディングなど、特定の採用課題の解決を求めて利用する企業もあれば、自社内のリソース不足を補うために、採用業務のうち比較的単純な作業を一部アウトソーシングする企業もあるでしょう。
前者の場合、戦略的なパートナーシップを、後者はオペレーション面でのサポートを求めることになります。ベンダー側にも強みがあるため、得意とするサポート内容を確認しましょう。

パッケージかカスタマイズか

採用代行サービスにはプランの違いもあります。
例えば、新卒採用の募集から1次面接の設定までを代行する、採用完了までを代行するなど、ベンダーによってパッケージ化されたプランがあります。受けられるサポート内容が分かりやすいことが特徴ですが、柔軟性に欠ける可能性があります。
また、ベンダーによっては、企業が委託したい業務をカスタマイズできるプランもあります。こちらは状況に合わせて利用できますが、要件定義があいまいだったり計画性がないと余計なコストがかかってしまうかもしれません。

採用代行サービスの比較ポイント

自社に合った採用代行サービスを選定するために意識すべき比較ポイントを7つ紹介します。

ポイント1:担当者の能力

採用代行の成否は当然ながら実務担当者の能力に左右されます。
しかし、選定段階ではセールストークや実績などに気を取られて、意外と見落としてしまいがちです。成果報酬型のサービスを選べば、採用できなかった場合に不要なコストはかかりませんが、選定の労力と時間を大幅に削られてしまいます。

求める業務をただ遂行してほしいのか、必要とあらば業務フローの変更に関する意見もほしいのかなど、「担当者に何を求めるのか」といった要件定義を明確にした上で、自社の採用代行業務は誰がメインで行ってくれるのか、契約前に確認できると安心です。

ポイント2:チーム体制

スカウトや面接など、特定の業務に特化したチーム体制を整えているベンダーがある一方、企業に合わせて専門のチーム体制を作りサポートにあたるベンダーもあります。
強化したい分野のチーム体制が強いサービスを選ぶなど、自社の状況とニーズに沿ってベンダーを選定することで、効果的な採用活動が期待できます。

ポイント3:得意分野/専門性

得意分野や専門性もチェックしましょう。得意分野や専門性がはっきりしていれば比較的選びやすいですが、選定が難しいときには「できること」と同じくらい「できないこと」も確認しておくのがポイントです。
例えば、中途採用を強化したいなら、該当する実績が年間に数人しかいないベンダーよりも実績が豊富なベンダーを選ぶのが自然です。

ポイント4:ミスが多いか少ないか

採用業務においては、ちょっとしたミスが重大なリスクにつながる可能性があります。
個人情報の取り扱いを誤ると、場合によっては訴訟問題にまで発展してしまうことも。採用業務が滞るだけでなく、企業の信頼性にも関わる問題です。
実際の業務でどれほどミスがあるかは判断しにくいポイントですが、同業者やネットの口コミをチェックする、問題があった際の保証条件を見るなどしてできるだけ対策しましょう。

ポイント5:セキュリティ

採用業務は多くの個人情報を扱います。候補者の履歴書や職務経歴書などの情報を安全に管理し、外部からのサイバー攻撃やデータ漏えいのリスクから守るセキュリティ体制を整えているか入念に確認する必要があります。
具体的には、データの暗号化やアクセスコントロール、定期的なセキュリティチェックなど、情報保護に向けた取り組みをアクティブに行っているかを評価基準としましょう。

ポイント6:金額

採用代行サービスの費用は、ベンダーやサービス内容、プランによって大きく異なります。費用が発生する条件、タイミングも違うので、予算や計画に合わせてどの料金形態や価格帯が自社に適しているかを検討しましょう。

関連ページ:採用代行(RPO)の費用相場とは|採用コストの計算方法や削減のコツも紹介

ポイント7:代行実績

採用代行サービスの実績は、ベンダーの信頼性や専門性を示す大切なポイントです。
各社の実績やケーススタディを詳しく見ることで、具体的なサービス内容について知れたり、導入後のイメージがわきやすくなります。自社に最もマッチするサービスを見つける手がかりにもなるでしょう。

自社の採用ターゲット、ベンダーの専門性、実績の観点で比較しよう

採用代行サービスは、それぞれに強みや特色があり、一概にどのベンダーが優れているとは判断できません。コストや知名度といった表面的な情報に左右されず、自社のニーズに最も適したサービスを選定することが大切です。

そのためには、まず採用活動における要件定義を行い、自社の採用戦略とそれに基づいたターゲットを明確にすることが求められます。ベンダーの専門性や実績と照らし合わせながら慎重に選定を進めましょう。

関連ページ:採用代行サービス導入に成功するコツとは? 失敗例を踏まえて解説

※こちらのページに掲載している情報は2023年10⽉時点のものです。

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