採用代行サービス導入に成功するコツとは? 失敗例を踏まえて解説

採用活動が多様化し人手不足が深刻化する中、採用代行サービスの利用を検討する企業や担当者も増えているでしょう。採用代行サービスは適切に利用すれば採用活動の大きな助けになりますが、採用活動を他者に任せるという性質上、準備や検討が不足していると思うような採用活動ができず失敗することもあります。
このページでは、採用代行サービス活用のよくある失敗例と、導入を成功に導くためのコツを解説します。

目次

  • 採用代行サービス活用のよくある失敗例
    準備不足の失敗
     失敗例1:採用プロセスの検討不足で効果を発揮できなかった
     失敗例2:採用要件を十分に設定できておらず、求める人材を集められなかった
     失敗例3:体制や情報の準備不足で成果が出なかった
    サービス選定の失敗
     失敗例1:代行会社のクオリティが低かった
     失敗例2:対応範囲が広いサービスを選んだが使いこなせずコストがかさんだ
    運用の失敗
     失敗例1:代行会社との認識違いにより求める人材を集められなかった
     失敗例2:内定者とのコミュニケーションエラーが起こった
  • 採用代行サービスの導入を成功に導くコツ
    コツ1:目的を明確にする
    コツ2:業務範囲を洗い出す
    コツ3:自社に合ったサービスを選ぶ
    コツ4:契約内容をよく確認する
    コツ5:定期的な情報共有・振り返りを行う
  • 採用代行を適切に活用しよう

採用代行サービス活用のよくある失敗例

採用代行サービスには、人手不足を解消し自社の担当者がコア業務に専念できる、専門家のノウハウを借りることができるなど、多くのメリットがあります。しかし、使い方やコントロールを誤ると期待通りの結果が出せないことも。よくある失敗例を、「準備」「サービス選び」「運用」の各段階に分けて説明します。

準備不足の失敗

採用代行は採用業務を代わりに行ってくれますが、自社の準備が不足していると期待した効果が上げられないことがあります。

失敗例1:採用プロセスの検討不足で効果を発揮できなかった

採用プロセス全体の設計をよく精査せずに一部の工程を外注すると、思うように後の工程につながらず、効果を発揮できないことがあります。

例えばこれまでよりも大人数の採用を計画し、母集団形成を採用代行会社に依頼したところ、応募を集めた後のプロセス設計が不足しており応募者を採用につなげられなかったケースなどがこれに当たります。

採用プロセス全体の見通しや最終的に採用したい人材の明確な条件などを共有せずに代行を依頼すると、採用代行会社にとっては依頼された工程である母集団形成がいわばゴールとなってしまい、その後のプロセスへのスムーズな連携や、母集団中の適格者の割合の分析などができず、期待通りの採用数が得られないことがあります。

失敗例2:採用要件を十分に設定できておらず、求める人材を集められなかった

自社が求める人材の要件を明確に設定できていないと、採用代行会社に共有することが難しく、集まった候補者が「何か違う」という結果になりがちです。
例えば「人柄重視」といった基準では、人によって評価が異なるため、正確な人物像の共有ができません。このような場合では、自社の期待する人材像と異なる候補者を集めてしまう恐れがあります。

失敗例3:体制や情報の準備不足で成果が出なかった

採用代行会社に依頼する内容自体に大きな問題がなくても、その他の面で自社の準備不足があると成果を上げられないことがあります。
例えば自社の求人票や採用サイトの情報に不足や誤りがあった場合、採用代行会社が誤った情報で候補者を集めてしまったり、候補者がそれらの情報を見て応募を見送ったりしてしまう恐れがあります。このような場合では、採用代行会社が依頼された仕事をこなしてくれたとしても結果につながりにくくなります。

サービス選定の失敗

サービスを選ぶ際、よく検討しないと期待した効果が得られないことがあります。

失敗例1:代行会社のクオリティが低かった

代行を依頼したところ、人材の選定など、採用業務のクオリティが低かった、というケースです。採用代行会社の中には、事前にやり取りした担当者と、実際の業務を担う作業者が異なる会社もあります。
安価なサービスでは作業者をアルバイトや契約社員などで賄っている場合もあり、依頼前に抱いていたイメージと実際のクオリティが異なるという失敗が起こりがちです。

失敗例2:対応範囲が広いサービスを選んだが使いこなせずコストがかさんだ

サービス内容の多さに魅力を感じて導入したものの、結局自社の採用活動で外注できる範囲が限定的で、使いこなせなかった、というケースです。
本当に自社が必要としている業務やサポートを見極めて代行サービスを選ばなければ、不要なコストがかかったり、結局自社の工数が増えてしまったりという失敗につながります。

運用の失敗

採用代行サービスを利用して採用活動を始めた後の段階でも、コントロールを誤ると失敗してしまう可能性があります。

失敗例1:代行会社との認識違いにより求める人材を集められなかった

自社の採用要件を伝えたつもりが、代行会社との間で認識違いが起こってしまうこともあります。
人材要件や選定基準などは、具体的に、かつできるだけ定量的にすり合わせをしなければ、評価のずれが起こりやすい部分です。採用要件は明確に設定し、確実に共有する必要があります。

失敗例2:内定者とのコミュニケーションエラーが起こった

面接や内定者とのコミュニケーションを含む工程まで安易に採用代行に依頼してしまうと、内定者と社内の人員との接触機会が失われ、コミュニケーションエラーが起こることがあります。
例えば、内定者が実際に接触したのは採用代行会社の人員であるにもかかわらず、それを知らない内定者が代行会社の担当者を就職先の社員としてイメージしてしまい、イメージと実態にギャップが発生する場合などです。
内定者フォローなどの工程まで代行してくれる採用代行サービスもありますが、こうしたエラーを起こさないよう慎重に利用する必要があるでしょう。

採用代行サービスの導入を成功に導くコツ

こうした失敗をせず、採用代行サービスを導入した採用活動を成功させるために、重要なコツを5つ紹介します。

コツ1:目的を明確にする

準備不足やサービスの選定で失敗しないために、まずは自社が採用代行を使う目的を明確にしましょう。
単に人手不足を補えれば良いのか、採用力に不安があり全面的なサポートを依頼したいのか、など、目的によって、依頼業務の切り分けやサービス選定を行う際に注目すべきポイントが異なります。また、最終ゴールである「採りたい人材」の人物像と人数も明確に定義し、選定基準を決めておく必要があります。

コツ2:業務範囲を洗い出す

準備不足や運用段階で失敗しないために、業務フローを整理し、代行会社に依頼する範囲を決めておきましょう。
全体のプロセスを踏まえ、どの部分を依頼するのか、前後の工程との連続も含めて検討し、対応業務や目標を代行会社に共有できるようにします。また、依頼する業務以外の、自社の体制や求人票、Webサイトなども改めて見直し、自社の対応範囲の体制は構築できているか、情報の更新漏れや誤った情報発信が行われていないかなども確認しておくと良いでしょう。

コツ3:自社に合ったサービスを選ぶ

サービス選定で失敗しないために、コツ1、コツ2で明確にした情報を踏まえ、自社の目的と依頼したい内容に合致するサービスを選びましょう。
特に、担当者に業界や職種関連の専門知識を求める場合にはそれを明示し、該当知識を持った人材が自社の業務を担当してくれるか、どこまでカバーしてくれるのか、具体的に確認しておくと良いでしょう。

関連ページ:採用代行サービスの選び方|内容の違いと7つの比較ポイント

コツ4:契約内容をよく確認する

運用段階で失敗しないために、契約内容はよく確認しておきましょう。
採用活動は全体のプロセスが長期にわたるため、途中で状況が変わり、方針転換や中止を余儀なくされる場合もあります。時には、自社の方針の変更によって急に依頼内容や依頼自体を見直す必要が出てくることもあり得るでしょう。
こうした場合、契約内容によっては違約金を払うことになってしまうことも。想定外の事態に慌てないよう、自社に起こり得るトラブルを想定し、契約の内容を把握しておく必要があります。

コツ5:定期的な情報共有・振り返りを行う

運用段階で失敗しないために、代行会社との認識のずれが発生していないか、予定した通りの採用業務が行われているか、定期的に情報を共有し、認識合わせをする場を設けましょう。
定期的に情報共有や振り返りを行うことで、認識のずれがあった場合も早期に是正できる上、思うように採用が進んでいない場合の軌道修正や、状況が変わった場合の情報共有も迅速に行うことができます。失敗を防ぎ、失敗しそうになった場合にはセーフティーネットとしても機能するでしょう。

採用代行を適切に活用しよう

採用代行を適切に活用すれば、採用業務において多くのメリットを得られます。しかし、事前の計画や確認が足りないと失敗してしまうことも。このページで紹介した失敗例を参考に、成功のためのコツを押さえて採用代行サービスを活用し、採用活動に役立ててください。

※こちらのページに掲載している情報は2023年10⽉時点のものです。

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