採用代行(RPO)の費用相場とは|採用コストの計算方法や削減のコツも紹介

採用活動は企業にとって重要かつ複雑なタスクです。特に、コスト管理と業務効率化の観点から、採用代行(RPO)の導入を検討している担当者にとって、費用相場は大きな懸念材料でしょう。このページでは、採用コストの詳細と採用代行の費用相場について解説します。

目次

採用コストの算出方法

採用活動全体の予算をはみ出さないためには、あらかじめ採用活動にかかるコストを洗い出して整理しておきましょう。

採用コストとは

採用コストとは「人材を採用するのにかかる諸経費」のことを指します。諸経費の内訳は主に内部コストと外部コストに分けられます。

内部コスト 外部コスト
  • 採用・人事担当者の人件費
  • 説明会・座談会・面接(面談)に参加する社員の人件費
  • 応募者へ支払う交通費
  • 求職者を紹介してくれた社員へのインセンティブ など
  • 求人広告費
  • 説明会やセミナーの参加費
  • エージェントへの成功報酬
  • 採用サイト、パンフレットなどの制作費(※外注している場合)

1人あたりの採用コスト「採用単価」の算出方法は、「採用コストの総額」÷「採用人数」です。採用コストの総額は、「外部コスト」+「内部コスト」で算出できます。

雇用形態別|2019年度の平均採用コスト

株式会社リクルートが運営する就職みらい研究所の調査である「就職白書2020」では、新卒採用と中途採用それぞれの平均採用コストを取り上げています。

新卒採用(2020年卒) 93.6万円
中途採用 103.3万円

18年度の平均採用コストは新卒採用71.5万円で、中途採用は83.0万円だったため、いずれも約20万円増加しています。優秀人材にいち早くアプローチするために企業間での採用競争が激しくなり、それに伴って求人広告やセミナー参加などへの出費が増えたことなどが原因として挙げられます。

参考:就職みらい研究所「就職白書2020」

採用代行の費用相場

採用代行の費用は、「料金体系の違い」「雇用形態の違い」「代行してもらう業務範囲の違い」によってそれぞれ異なります。

料金体系による違い

月額固定型

毎月の金額が決まっており、その金額の範囲で依頼できる業務内容が決まっているパターンです。
途中で業務内容を変更しない限りは追加料金がかからないため、予算が決まっている、あるいは代行を依頼する業務が月ごとで変動しない企業におすすめです。
月額固定制の費用相場は、月額5~100万円です。

成果報酬型

応募者の採用が決定したタイミングなどに報酬料金が発生するパターンです。
採用が決定するまで料金は発生しないため、無駄なコストを抑えられるメリットがあります。費用相場は、内定を承諾した応募者の「年収の20~30%」といった形式や、求人票から応募された件数「1件あたり○万円」などの形式で決定されるケースが多いです。

従量課金型

依頼する業務内容とボリュームによって料金を算出するパターンです。
必要な業務のみ依頼でき、その業務に掛かった時間だけ費用が発生するため、一部の採用業務だけ代行してほしい場合や、月ごとに業務量の変動がある場合などに最適です。

業務範囲による違い

上記の「従業課金型」同様、依頼する業務内容によって費用相場は変わります。また、依頼する内容が「コア業務を含むか」によっても金額は大きく変動するでしょう。コア業務とは母集団形成や面接など、合否に直接的に関係のあるタスクを指します。

業務内容ごとの具体的な料金例は以下の通りです。

DM・スカウト配信業務 3万円~/月
選考日程調整 5万円~/月
新卒・中途の媒体管理 5~70万円/月
応募者への各種連絡代行 3万円~/月
面接官代行 30万円~

また、月額ではなく回数に応じて金額を設定している代行業者もあるため、正確な金額は各社に見積もりを取るようにしましょう。

関連ページ:採用代行とは? どこまで委託できる? 採用業務のフローと合わせて解説

雇用形態による違い

新卒・中途採用

新卒・中途の採用代行費用相場は月10~100万円です。採用コンサルティングや人事業務全般などトータルで依頼する場合は、100万円を超える場合もあります。

企業例 内容 金額
A社 面接以外の業務 月額35万円
B社 採用業務から内定後のフォローまで、アシスタント実働時間30時間〜/月を提供 6カ月契約で月額10万円
C社 スカウト代行 初期費用10万円+月額10万円~

パート・アルバイト採用

パートやアルバイト採用の場合、新卒・中途採用よりも代行してもらう必要のある業務が限られるため、採用代行費用相場は月額3〜30万円です。

採用コストを削減するためのコツ

採用活動は採用代行だけではなく、ほかにもお金を割り振る必要があります。予算をオーバーしてしまわないように、どうすればコストを最適化できるか解説します。

【1】内部コストを見直す

採用活動における内部コストを見直すことで、時間とコストを節約できます。

支出となる外部コストは金額を把握しやすいですが、内部コストは金額を明確にすることが難しい部分です。しかし、面接のプロセスや採用に関わる各部門のコミュニケーションを効率化するなど、無駄なコストをかけていた部分を省くことができれば、業務効率化とコスト最適化を同時に実現できます。

【2】アルムナイ採用・リファラル採用を使う

元社員を再採用する「アルムナイ採用」や、在籍している社員からの推薦である「リファラル採用」は、新しい人材を低コストで採用する有効な方法です。これらの方法は、新しい求人を出して応募をかけるよりもコストを抑えられるだけでなく、自社の社風にフィットした人材を採用しやすくなります。

企業文化にフィットした人材は離職せずに定着する可能性が高いため、早期離職によって教育コストが無駄にならないなど、長期的な採用コストの削減にもつながります。

【3】求人媒体を見直す

求人媒体などの外部コストを見直すことは、採用コストと応募の質に直結します。どの媒体がどのターゲット層に効果的かを分析し、無駄な広告費を削減しましょう。
また、SNSを活用した採用も視野に入れ、多様なチャネルでの募集を行うことも、多様性のある優秀な人材にアプローチできる手段として検討しましょう。

採用代行をうまく活用してコストを最適化しよう

採用代行の活用は、企業の採用コストを最適化し、質の高い採用をサポートします。特に、採用プロセスのアウトソーシングは、専門的な知識と経験を持つプロフェッショナルにタスクを任せることができ、企業内のリソースを他の重要な業務に集中させることができます。適切なパートナーを選定し、採用コストの最適化を実現しましょう。

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