ダイレクトリクルーティングサービスは多種多様です。自社の採用課題や予算に応じて適切なサービスを選ぶことで、採用活動の成果を最大化できます。このページでは、ダイレクトリクルーティングとその他の採用手法との違いを明示し、サービスの導入を考慮する際の判断ポイントと、サービスを選ぶ際に確認したい6つの比較ポイントを解説します。
目次
ダイレクトリクルーティングは、企業が特定の人材を採用するために、能動的に直接アプローチする採用手法です。「スカウト」と「ダイレクトソーシング」という言葉も似た文脈で使用されますが、そのニュアンスや指している範囲は異なることがあります。
「スカウト」は、ダイレクトリクルーティングの一環としての「スカウトメール送信」や、求人サイトの「スカウトメール機能」を指すこともあります。この場合は、ダイレクトリクルーティングとは違う採用手法の機能です。
「ダイレクトソーシング」は、主に候補者の母集団形成フェーズを指します。
これらに対し、ダイレクトリクルーティングは多くの場合、人材探しから選考まで含むプロセス全体を指す場合が多いです。
ダイレクトリクルーティングの最大の特長は、企業が直接候補者にアピールできる点です。そのため、うまく活用すれば求人広告よりもマッチ率の高い候補者を、人材紹介よりもコストを抑えて採用できる可能性があります。
マッチ率、母集団の数、費用、工数について比較表にまとめました。
ダイレクトリクルーティング | 求人広告 | 人材紹介 | |
---|---|---|---|
マッチ率 | ◎ | ✕ | ○ |
母集団の数 | △ | ○ | ✕ |
費用 | ○ | △ | ✕ |
工数 | ✕ | △ | ○ |
ダイレクトリクルーティングの導入には、向き不向きがあります。サービスを選定する前に、そもそもダイレクトリクルーティングが手段として適切かどうか確認しておきましょう。次に紹介するメリット・デメリットをもとに、どのような状況や企業で効果的に活用できるのか、判断のポイントを説明します。
ダイレクトリクルーティングの主なメリットは、要件を満たす人材にピンポイントにアプローチできることと、費用を抑えて採用活動ができること。デメリットは、工数がかかり、運用の難易度が比較的高いことです。
メリット | デメリット |
---|---|
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|
ダイレクトリクルーティングは、以下の条件を持つ企業に特に適しています。
一方で、人員が限られている、または採用活動に消極的な企業は、この手法には慎重であるべきです。
しかし、一部の工程をアウトソーシングすることで、人事部門の負担を軽減しながらダイレクトリクルーティングを取り入れる方法もあります。スカウト代行にも対応した代行サービスもありますので、検討してもよいでしょう。
ダイレクトリクルーティングは、特に以下のような採用ターゲットに効果的です。
それに対して、メンバークラスの大量採用や、未経験者や若年層を対象としたポテンシャル採用には、ダイレクトリクルーティングが必ずしも最適とは言えません。
ダイレクトリクルーティングには、多種多様なサービスが存在します。どんな採用課題を持ち、どんな人材を採用したいのかによって、選ぶべきサービスは変わってきます。ここでは、サービスを比較する際の軸として考慮すべき6つのポイントを解説します。
自社が採用したい人材が登録者の中に含まれているかどうかは重要なポイントです。サービスごとに登録している人材の属性が異なるため、自社の要件に合致する人材が多く登録されているサービスを選ぶべきです。
当然のことながら、自社のターゲットとなる人材像を明確にすることが必要です。求める職種、採用するポジション、必要なスキルなどの条件を明確にします。絶対条件(MUST条件)と希望条件(WANT条件)を設定しておくのもおすすめです。
サービスによって、新卒採用を主な対象とするものや、中途採用を中心にしたものがあります。また、年齢層もサービスごとに異なります。ターゲットとなる層を明確にし、合致するサービスを選びましょう。
転職潜在層へのアプローチが可能な点が、ダイレクトリクルーティングの魅力の一つです。しかし、転職顕在層と潜在層の登録数は、サービスによって異なります。直ちに人材を求める場合や、条件で競合他社に対抗できる場合など、転職顕在層へのアプローチを検討すべき時もあります。
ターゲットが転職顕在層か潜在層かによっても、アプローチの方法が異なります。潜在層には、自社の魅力を十分アピールして「口説き落とす」アプローチが効果的です。これらを考慮して、サービスを選択しましょう。
多くのダイレクトリクルーティングサービスの中には、特定の分野に特化しているものも存在します。エンジニアやグローバル人材など、特定の職種や高度なスキル・専門性を持つ人材を求める場合、その分野に特化したサービスを探すと、要件にマッチする人材に出会う可能性が高まります。
候補者がすぐに枯渇してしまうような状況では、採用の成果は期待できません。しかし、単純に多いからといって良いわけではありません。
重要なのは、自社がターゲットとする人材がどれだけ登録しているかです。この点を確認するためには、サービス提供者にターゲットとなる企業のリストを示してユーザー数を出してもらったり、ユーザーがどのような方法で獲得されているかを確認してその属性を把握することが有用です。
ダイレクトリクルーティングは、時間と工数を要する手法です。そのため、操作画面が分かりやすく、機能が充実しているかは重要です。特に検索の絞り込み項目が豊富であると、ターゲットとなる人材の検索時間を大幅に削減できます。欲しい機能が充実しているか、あらかじめ確認しましょう。
スカウトの返信率や面談の成功率は、採用につながる重要な指標です。一部のサービスは返信率や面談率を公開しているため、確認すると良いでしょう。しかし、返信率はスカウトの文面や送信方法、さらには自社の認知度などにも影響されます。これらの要因も考慮し、適切なサービスを選択する必要があります。
ダイレクトリクルーティングサービスの利用に関する平均的な採用単価は、約60万円と言われています。ただし、料金体系はサービスや採用ターゲットによって異なります。採用計画全体で予算内に収まるか確認しておきましょう。
料金体系 | 内訳 | メリット | 注意点 |
---|---|---|---|
成功報酬型 |
・採用1人あたりの固定報酬(固定で○万円) ・採用人材の年収に対する一定割合の額(年収✕○%) |
・カスタマーサクセスが充実 ・成果とコストのバランスが取りやすい |
自社の人件費も含めた総コストが、人材紹介と同等かそれ以上になる可能性がある |
先行投資型 | 月額・年額利用料金 |
・採用人数に関わらず料金が一定 ・適切に活用するとコストを抑えられる |
プランによってスカウトの送信件数に上限がある |
※成功報酬型と先行投資型を組み合わせた料金体系もある。
既にそのサービスを導入している企業を知ることで、品質や自社との相性を判断するための手がかりを得ることができます。
ただし、導入企業が多いからといって必ずしもそのサービスが優れているわけではありません。導入企業の業界や規模、採用ニーズなどを確認し、自社との相性を判断しましょう。
ダイレクトリクルーティングサービスを選ぶときは、自社の採用ターゲットを明確にすることが最初のステップです。そして、スカウトの返信率や費用、使いやすさなどの観点から最適なサービスを選択することが求められます。本記事で紹介したポイントを参考に、自社に最適なダイレクトリクルーティングサービスを選定し、効果的な採用活動の第一歩を踏み出してください。※こちらのページに掲載している情報は2023年9⽉時点のものです。
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