効果的なスカウトメールの書き方|新卒・中途・エンジニア別の例文も紹介!

近年、効果的な採用手法として注目されているダイレクトリクルーティングですが、成果を上げるためには候補者へ“届く”スカウトメールの作成が欠かせません。このページでは、新卒・中途・エンジニア別の効果的なスカウトメールの書き方とそのポイントを、具体的な例文を交えて詳しく解説します。

目次

スカウトメールとは

スカウトメールは、企業が候補者に直接アプローチするための手段で、ダイレクトリクルーティングにおいて重要な位置を占めます。候補者の経歴やスキル、過去の実績に基づき、企業からの関心やオファーを伝えるものです。

スカウトメールの目的と重要性

スカウトメールの主な目的は、候補者に対して自社の求人情報を直接伝え、関心を引きつけることです。特に競争が激しい業界や専門職の採用において効果的です。
また、アクティブな求職者だけでなく潜在層(現在は求職活動を行っていないが、良いオファーがあれば考慮する人々)にもアプローチが可能です。通常の求人広告ではリーチしづらい層にも情報を伝えることができるのが特徴です。

ダイレクトリクルーティングとの関連性

スカウトメールの送信はダイレクトリクルーティングの工程の中核部分とも言えます。効果的なスカウトメールを作成することで、候補者に「自分は特別に選ばれた」という感覚を持たせ、自社に対する関心を高めることが期待できます。

関連ページ:ダイレクトリクルーティングのやり方と基本的な手順を解説

スカウトメールの種類

スカウトメールにはいくつかの種類があります。例えば求人広告媒体の中には、募集企業が設定した条件に合致する求職者をデータベースから抽出し、自動で求人情報を送信する「スカウトメール機能」を備えたものもあります。

ただし、ダイレクトリクルーティングにおけるスカウトメールは、企業が求める人材に直接、パーソナライズしたメッセージを送る行為を指すため、この2つは区別して考えるべきです。

個別送信型

企業が一人の候補者に対して、1対1の関係でスカウトメールを送る方式です。候補者の経歴やスキル、実績などを具体的に取り上げ、その人に求める役割を明確に伝えることで、関心を持ってもらえる可能性が高まります。その候補者の背景を詳しく知ることで、より適切なアプローチが可能です。
ただし、候補者ごとにパーソナライズした内容を作成する必要があり、採用担当者の負担が増えるリスクもあります。

複数送信型

複数の候補者に対し、一度に類似の内容のスカウトメールを送る方式です。多くの候補者に効率良くアプローチしたい場合や、特定の経験やスキルを持つ複数の候補者を採用したい場合に向いています。代表的な例として、求人広告媒体のスカウトメール機能やメールマガジンが挙げられます。

この方式では個々にメッセージをカスタマイズすることが難しく、内容が定型的になりやすいため、個別送信型に比べてその特別感が薄れがちです。

スカウトメール作成のポイント

効果的なスカウトメールを作成するためには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。ここからは、ダイレクトリクルーティングにおけるスカウトメールの作成方法について詳しく解説します。

利用するサービスのガイドラインを確認する

ダイレクトリクルーティングサービスを利用する際には、そのサービスの特定の機能や制限を事前に確認することが重要です。例えば、一日に送信できるメールの上限、テンプレート機能の有無や添削サポートの提供状況、カスタマーサポートの充実など、知っておくことでより効率的な運用ができます。

関連ページ:ダイレクトリクルーティングサービスの選び方、6つの比較ポイント

スカウトメールの基本構成

スカウトメールの基本的な構成を紹介します。これらの要素をもとに、候補者の興味やニーズに合わせたカスタマイズを行うことで、効果的なスカウトメールを作成できます。

タイトル

スカウトメールは開封されなければ意味がありません。興味を引くための第一歩はタイトルです。タイトルは読者の第一印象を形成する重要な要素であるため、定型的な表現や一般的すぎる言葉を避け、候補者のニーズや関心を反映した表現を取り入れましょう。

送信者と企業の紹介

送信者の詳細や所属する企業の情報を明示することで、候補者の信頼を得られます。送信者の役職、所属企業の概要や特徴を簡潔に紹介し、企業の公式サイトのURLを添えると良いでしょう。

スカウト理由

候補者の経歴や実績に基づき、スカウトの背景や理由を明確に伝えることが大切です。同じ内容を繰り返し使用するのではなく、各候補者に合わせてカスタマイズすることで、誠実さを感じさせることができます。

募集背景

採用活動を行っている背景や、該当ポジションの重要性などを説明することで、企業の説得力を強化できます。

求める役割

希望する候補者の役割や業務内容を具体的に説明することで、ポジションのイメージを明確に伝えられます。

待遇や条件

給与、福利厚生、勤務地、職場環境など、待遇や条件に関する情報は明確に伝える必要があります。
情報が不足していると、候補者のモチベーション低下や誤解の原因となる可能性があるため、十分な注意が必要です。

次のアクション

返信期限や面談の日程調整など、候補者に期待するアクションを明確に伝えることで、スムーズな進行が期待できます。

送る前に推敲する

スカウトメールを送信する前に必ず推敲しましょう。誤字脱字や不適切な表現、情報の誤りなどは企業の信頼を損ねる原因になります。また、メッセージが正確に伝わるか、文体やキーワードが適切であるかをチェックすることが大切です。社内の他のメンバーからもフィードバックをもらうと、さらに品質を高めることができます。

返信率を上げるための4つのコツ

スカウトメールの返信率向上は、ダイレクトリクルーティングにおける採用成果に大きく影響します。以下、返信率を向上させるための4つのコツを紹介します。

コツ1.内容をパーソナライズする

スカウトメールで大切なのは、単にメッセージを送るのではなく、求める人材へ確実に刺さるメッセージを届けることです。受け取った候補者が、「自分のことをよく知ってくれている」「求められている」と感じられるよう、内容をパーソナライズすることが重要です。

自社の文化や求める人材像と候補者の経歴とのマッチングを強調し、将来のキャリアビジョンや活躍の場面を示すことで、返信の動機を高めることができます。

コツ2.NGワードを避ける

一部のワードやフレーズは受け手にネガティブな印象を与える恐れがあります。NGワードを使うと、返信率の低下や企業イメージへのダメージのリスクが考えられます。以下はNGワードの一例です。

  • 「絶対」「必ず」「高報酬」といった主観的・断定的な表現
  • 「急募」「至急」「大量採用」「学歴不問」など単純な人員補充を連想させるワード
  • 「早期キャリアアップ」「実力主義」など企業本位のキャリア観があらわれている言葉
  • 過度な賛辞や極端な形容詞(「最高のチャンス」「絶好の機会」など)

これらのワードは、受け手にプレッシャーを与える可能性があります。耳馴染みの良い表現を過度に使うのではなく、受け手の立場を尊重した誠実な言葉を選びましょう。

コツ3.専門職の場合、知識のある送信者を設定する

候補者がエンジニアや医療従事者といった専門職の場合、その分野の知識を持った送信者を設定することで、より高い返信率が期待できます。専門的な業務内容に対する理解や共感を示すことで信頼感が増すだけでなく、候補者から具体的な質問があった際にもスムーズな返答が可能です。

コツ4.送信時間帯を考慮する

スカウトメールの送信時間帯は返信率に影響を与えます。平日の昼や夕方が推奨されることが多いですが、候補者の業種や職種によって最適な時間帯は異なるため、タイミングを考慮する必要があります。候補者がSNSを利用しているなら、更新時間に合わせて送信してみるのも一つの方法です。

週末や深夜に送信すると、時間外労働が多い企業との印象を与えるおそれもあるため、避けることが望ましいです。

ターゲット別のスカウトメール例文

スカウトメールの内容は、候補者の属性によってカスタマイズすることが不可欠です。以下に、新卒、中途、エンジニア別の例文を紹介します。

新卒向け

近年、新卒採用をサポートするダイレクトリクルーティングサービスも登場しています。新卒の候補者には、企業文化や研修制度、職場の雰囲気、業務内容、福利厚生などを具体的に伝え、新しい環境での成長のビジョンを訴求することが効果的です。安心して働ける環境をアピールすることも重要です。

【例文】

<タイトル>

◯様

はじめまして。「会社名」で「部署・役職名」を担当しております「担当者名」と申します。◯様のプロフィールを拝見し、特に「経験・実績」に強く興味を持ちました。

弊社は、「企業理念」を掲げ、主に「事業内容」を展開しております。

近年、事業が成長を遂げており、新しいプロジェクトも増えてきている中、「事業内容」の分野でぜひ◯様のアイデアと専門知識を発揮していただきたく、お誘いのメールを差し上げました。

弊社は多様なバックグラウンドを持つ社員が集まっており、それに伴ってフレックスタイム制度やリモートワークの導入など、さまざまな働き方を導入しています。異なる視点や考え方が交差し、新しい日々アイデアが生まれています。

待遇面でも、基本給「円」をお約束しており、各種福利厚生も整備しています。詳細につきましては面談の際にお伝えしたく、もしよろしければ面談に参加いただきたいと考えております。

まずはお話からでも構いませんので、一度お返事くださると幸いです。

中途向け

中途採用においては、候補者の経験やスキルを最大限に生かせるポジションやキャリアアップの機会を具体的に伝えることが有用です。これまでの実績を評価しながら、求める役割を明示することで、候補者のモチベーションアップにもつながります。条件や待遇も大きな判断材料になるため、詳細に明記しましょう。

【例文】

<タイトル>

◯様

初めまして。「会社名」の広報部門でマネージャーを務めております「担当者名」と申します。先日、◯様の経歴を拝見し、8年間にわたって広報部門で積まれた実績の部分に深く感銘を受けました。

弊社は、▼▼という企業理念のもと、ITソリューションの提供を中心に事業を展開しております。

近年、事業拡大の波に乗り、新たなプロジェクトやキャンペーンの立ち上げが増えてきました。新規案件のうち、「業務内容」が◯様の経験とマッチするだけでなく、拝見した志向性とも親和性が高いように感じられ、直接ご連絡させていただきました。

◯様には、上記案件のチームにてマネージャーのポジションにつき、プロダクトの企画・計画立案からメンバーのマネジメントまでを担当していただきたいと考えております。

弊社は産休・育休制度をはじめ、社員の健康と生活をサポートするための各種福利厚生を充実させることで、ライフイベントと仕事を両立させることができる環境を整えています。このような取り組みが、社員一人ひとりのモチベーションを高め、新しいアイディアや革新的な取り組みを生み出す源となっています。
また、育休中には復帰後のキャリアパスの選択肢を広げられるよう、PM研修やリーダー研修、管理職研修などをオンラインで行っており、社員からも好評です。

待遇面においても、基本給は業界平均を上回る「円」を保証しており、さらにリスキリングを通じたキャリアアップ支援のほか、研修制度も充実しています。

詳細について、一度お話しする機会を設けさせていただきたいと考えております。オンラインでも構いませんので、もしよろしければ面談が可能な日程を教えていただけますでしょうか。

お忙しい中恐縮ですが、ご興味がございましたらお返事いただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。

エンジニア向け

エンジニアは専門スキルや知識を持つプロフェッショナルです。そのため、エンジニア向けのスカウトメールでは、使用する技術や開発環境、プロジェクトの規模と目的、チーム構成などを具体的に伝えることが重要です。また、挑戦できる環境や研究開発の機会を強調することで候補者の関心を高めることができます。

【例文】

<タイトル>

◯様

はじめまして。「会社名」の技術部門を担当している「担当者名」と申します。先日、◯様が開発に関与した「特定のプロジェクト名や技術」についての記事を拝見し、その深い技術的洞察と独自のアプローチに感銘を受けました。

弊社は「企業理念」のもと、「事業内容」を展開しています。現在、新しいプロダクトの開発計画に伴って特定ポジションの拡充を見据えているのですが、◯様の経歴や実績と非常にマッチしていると感じ、直接ご連絡差しあげました。

◯様には、まずは顧客の要件を仕様に落とし込むといった上流工程から参画をお願いし、実際の設計や機能開発にも携わっていただきたいと考えております。

◆主な職務内容
・顧客向けシステムの開発
・大規模Webサイトの制作/更新
・Webサイトへの技術面からの改善策提案
・自社サービスやその芽になるサービスの開発
・社内の業務全般の効率化

◇主な開発環境
・PHPStorm/RubyMine/SublimeText/Atom/Visual Studio Code
・AWS
・Docker/Vagrant
・Git/SourceTree、GitLab
・Jenkins、Backlog
・Slack/ChatWork
・Laravel/Ruby on Rails/Angular/Vue
他、フレームワーク

当社の技術チームは、多様なバックグラウンドを持つメンバーから成り立っており、それぞれのパフォーマンスを発揮できる環境を整えるため、リモートワークやハイブリッドワークを積極的に導入しております。またフレックスタイム制度も設けるなど、柔軟な勤務体系を実現しています。
待遇に関しましては、◯様のこれまでのご経験を踏まえ、「円」をお約束させていただきます。

また、今後は自社サービスの開発にも注力していくため、こちらの開発や事業の成長にご興味があるようでしたら、フロントエンド・サーバーサイド・インフラ等のサーバー開発や環境開発の設計などにもご参画いただけます。

つきましては、当社の今後のビジョンも含めて、開発環境や業務内容について詳しくお話しする機会を設けたいと考えております。まずはオンラインにてご対応いただけますでしょうか。

ご検討くださると幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。

PDCAを実行しスカウトメールの質を高めていく

スカウトメールは、一度の送信ですぐに結果が出るわけではありません。送信後は必ず効果測定し、返信があったケースとなかったケースの違いを詳細に分析する必要があります。このような分析結果を次回以降のスカウトメールに生かすことで、スカウトメールの品質が向上し、採用成果につながりやすくなります。※こちらのページに掲載している情報は2023年9⽉時点のものです。

どんな種類がある? 始め方は?
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