ストレスチェック制度義務化3年目

やりっ放しにしない! ストレスチェックは 「職場の課題と向き合う 絶好の機会」です。

ストレスチェックの実施や残業時間の抑制で職場環境の改善や生産性は向上したでしょうか。「義務化だから」「働き方改革だから」と、会社の現状や課題を置き去りにしていては、優秀な人材の退職や採用難を招くだけ。ストレスチェックをコストとしてとらえるのではなく、組織の活性化や社員のモチベーションアップなど、人材投資の一環として活かしていくことが重要です。毎年のストレスチェックを具体的にどう活かせばいいのか、担当者のモヤモヤ感にズバリお答えします。

「ラインケア」の限界。客観的な指標が必要

この10年で、うつ病に対する見方にも変化が見られるようになりました。クラウド型ストレスチェックプログラム「メンタルエクスプレス®」(詳細後述)のサービスを開始した当時は、うつ病に対して偏見を持つ人が多く、特に管理職以上の役職者は、「気合が足りないからだ」「2、3日休めばよくなるだろう」「ウチの会社にはいない」といった話でメンタルヘルスという言葉にさえも拒否反応がありました。
2015年12月に施行されたストレスチェック制度によって、今でこそメンタルヘルスの重要性が認識されるようになりましたが、その一方で、相変わらずメンタルヘルス不調は“自己責任”という見方も根強くあり、ストレスチェックは「セルフケア」のためのツールとしての域を出ていない場合も多いと感じています。

では、「ラインケア」はどうでしょうか。

「部下にはいつでも相談してくれ、と言っている」という声をよく聞きます。
これは裏を返せば、“相談待ち上司”。部下が進んで上司に相談できるような職場環境であれば、そもそもメンタルヘルス不調になることもないでしょう。
「相談しづらい雰囲気がある」「いざ相談すると、自分で考えろ、と言われる」というのが部下の本音。部下の変調にいちはやく気付くためには、常日頃から部下に声をかけるクセをつけておくことです。

そして、ラインケアのゴールは何か。
①職場環境の把握と改善、②部下からの相談への対応を通じて、働きやすい職場をつくることですが、何より「職場のストレス要因は何か」を見定めることが肝要です。

「指示があいまい」「(報告したのに)私は聞いていないと言われる」「仕事は丸投げ」など、上司がストレス要因であることも少なくありません。自分の放つ臭いには気付きにくいように、自分自身が部下のストレス要因になっているとは思いもよらないはず。そこで、ストレスチェック結果の集団分析で職場改善のヒントをつかみ、現実と向き合うことが必要なのです。

集団分析結果によって“組織の見える化”はできているか

ストレスチェック結果の集団分析は、“組織の見える化”により、組織レベルでアプロ―チし、職場環境改善に取り組むこと。では、皆さんが手にした集団分析から、見えたものは何でしょうか。

ストレスチェック実施1年目は「実施すること・労働基準監督署への報告」が先行し、実施後の効果測定まで頭が回らない状況だったといえます。そして、2年目。「集団分析をどう読み解けばいいかわからない」「高ストレス者の人数だけはわかったが、職場の課題までには行き着かない」といった新規の相談を受けることが多くなりました。

また、成長・拡大している中堅・中小企業の経営者の問題意識には高いものがあります。働き方改革が契機になったこともありますが、ストレスチェック結果の集団分析により、漠然と感じていたものが数値化され、課題がキーワード化されたことで正面から向き合う覚悟ができたのではないかととらえています。

当社が提供するクラウド型ストレスチェックプログラム「メンタルエクスプレス®」では、「個人のストレスプロフィール(4軸)」と「ストレス度」から、「職場のストレス要因(7項目)」と「マネジメント&本人の性格によるストレス負荷(7項目)」のクロスにより集団分析を実施。その報告は役員会等で、直接トップマネジメントに向けて行っており、経営課題として取り組むフックとなっています。

コストではなく、人材投資としてのストレスチェック

職場環境の課題が“見える化”したところで、改善へどうつなげていくか。

トップダウンの場合は、人事施策と重なる面が多く、組織改編や人事異動、評価システムの見直しなどに取り組んでいきます。
注目すべきは、精度の高い集団分析をもってすれば、経営者が描くビジョンを後押しするためのツールになり得るという点です。

事業の拡大とともに急成長している企業の多くは、次のステージへジャンプアップする前の踊り場を迎え、それまでは経験したことがない組織の問題が顕在化してきます。そこで、集団分析から導き出された成長の阻害要因(仮説)を基に、次の一手を見極め、実行に移すためのプラン策定へと短期間で進めることが可能となります。

また、管理職が集団分析を生かす場合には、分析結果のフィードバックを兼ねた管理職研修を実施することが不可欠です。部下がどのようなストレスにさらされているのか、逆に、自宅に帰りたくないから会社にいる層の存在など、絡み合った事象が解かれていくことで多くの気付きが生まれます。

こうした未来志向の取り組みは、ストレスチェックをコストととらえていては実現できません。会社として目指す姿(ビジョン)に向けて、組織の活力や従業員のモチベーションアップが重要なファクターであることを経営者が認識し、トップダウンでメンタルヘルスケアと人材投資を両輪として推進することが大事です。

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