第14回HR EXPO春(人事労務・教育・採用)|RX Japan株式会社第14回HR EXPO春(人事労務・教育・採用)|RX Japan株式会社

一流のビジネスマンを育てる「文章力」 人事担当者・指導者のための指南術

第2回 文章力を鍛えるヒント―2つの誤解を解く

前回(https://at-jinji.jp/expertcolumn/4)は、有能な人材を育てようとする人事担当者やビジネスマンに向けて、論理的な考え方が醸成され、効果的な表現力も身につくことでコミュニケーション能力を高めることができる「文章力教育」の必要性を述べた。では、文章力を向上させるにはどうすればいいのだろうか。文章は、今日覚えれば明日から上手になるようなものではない。やはり実際に書くという練習が必要である。しかし、だからと言って漫然と書いているだけでは上手にならない。文章作成には理論がある。それを知った上で練習すれば当然上達が早くなる。
といっても、その理論全体を説明するにはそれなりの紙数が必要である。そこで、今回は文章指導などで役立つヒントを提示しよう。

文章力教育は意識改革がポイント

指導で最も効果的なのは、文章が苦手な人の誤解を解くことである。彼らの多くは文章に対する間違った意識をもっているために、文章が書けないでいる。
結論を先に述べると、ビジネスマンが抱きがちな文章に対する誤解は、「長く書かなければならない」「正しい日本語でなければならない」の2点だ。これらの誤解を解いて意識改革をすることが、文章力教育を行う上で有効なのである。

「文章は箇条書きだ」

根本的な誤解は2つ ある。その1つ は「文章は長く続くもの」と思い込んでいる誤解である。文章が苦手な人は、文章は長く書かないといけないから嫌いだなどと言う。これこそ誤解の典型である。文章は決して長く続くものではない。それを証明しよう。

小中学校の国語の授業を思い出してほしい。授業では教材の文章を読解することが行われる。右に示した図のような形が黒板に書かれたのを見た記憶はないだろうか。文章を分析して図解したものだ。*の部分は文章の段落ごとにまとめた内容を、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲはそれらのいくつかが集まってできたまとまりの部分を示している。つまり、文章のアウトラインである。

これを見れば明らかなように、文章はずらずらと続いているものではない。箇条書きの形式にまとめられるのである。ここで注目すべきことは、文章には切れ目があるということだ。

ところで、教材の文章が箇条書きにまとめられるということは、順序を逆にすれば、箇条書きをもとに、それを文章化することも可能だということになる。ということは、文章を書く前に箇条書きのアウトラインを作っておけば、楽に文章が書けるということである。

文章指導にあたっては、このことが十分に理解されるように強調する必要がある。「文章の本質は箇条書きと言っても過言ではない。箇条書きはいつでも誰でもやっていることだ。文章を書くときは、必要な事柄を箇条書きにすることから始めよう」と。

「正しさ以上に伝える努力を」

もう1つの誤解は、推敲の際に現れる。自分の書いた文章を見直す、あるいは、部下の書いた文章を上司がチェックすることはよくある。このとき、どういうことをチェックするだろうか。ややもすると、誤字・脱字などの間違いに終始しがちである。もちろん間違いはチェックした方がよい。その際に問題なのは、正誤に意識が片寄りすぎることである。

文章は何のために書くのか。

書き手がもつ情報を読み手に伝えるためである。

私たちは決して正しい日本語を見せつけるために書くわけではない。ならば、何より自分の伝えるべきことがわかりやすく伝わっているかを重視すべきだろう。

ところが、残念なことに、正しさや形式の統一などにこだわりすぎる人が多い。正しさや形式にこだわると、内容のチェックがおろそかになり、意味のわかりにくい文章が放置される。それが悪文の原因になるのだ。だから、文章指導で意識改革をする必要がある。「文章は正しさ以上に、伝えることを大事にしよう」と。書き手の情報を的確に伝える文章を作成することは、読み手が社内の人間であるにせよ顧客であるにせよ、業務の進行を円滑に進める上で非常に重要な意味をもつのである。

次回は、今回述べた2つ の誤解を解くための練習を実践で示すことにしよう。

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