手のひらサイズのデバイスで実現させるビッグデータ活用

社員の安全運転の教育にどう取り組むか

最近はドライブレコーダーが安価になり、ラインナップが増えたことで、多くの企業が導入を検討しているという声を耳にします。ドライブレコーダーは道路で起きた状況を正確に記録してくれることから、その実用性により年々売り上げを伸ばしています。特に一般道路での危険行為となる煽り(あおり)運転に対しても、ドライブレコーダーでその状況を記録しておくことで、重大な事故に発展した場合に交渉が有利に働くこともあります。しかし、企業の安全運転教育という点においては、車両に取り付けたドライブレコーダーから全社員の普段の運転を確認するのは膨大な時間を要し、現実的ではありません。そこで個人の運転特性や車両管理をかんたんにできる「動態管理システム」が注目されつつあります。

運転に不慣れな新卒・新入社員の現状

若者の車離れが叫ばれる中、この春に新卒者として入社される方の中には就職先で免許が必要なために現在、教習所に通われている方や、とりあえず免許を取ったというペーパードライバーなど運転に不慣れな方の割合は少なくないでしょう。

ハンドルの誤操作やアクセルとブレーキの踏み間違いなどの運転操作の誤り(操作不適)は、24歳以下の運転者と70歳以上高齢運転者に特に多いという(財)交通事故総合分析センターの検証結果があり、24歳以下の運転傾向ではハンドル操作不適事故率が高く、『運転に不慣れなドライバーが多い』ことが要因とされています。

仕事に慣れなくてはいけない状況下で不慣れな運転は大きなプレッシャーになります。また、上司や先輩と同乗した際の緊張した運転と、一人で運転する際では運転傾向に違いが出てくると考えられないでしょうか。

営業車両を多く保有している業界の一つに製薬企業の営業担当者=MRがあります。日本製薬工業協会が発行している2016年環境報告書のデータによると、ある年の新卒者のMR赴任後1年間の有責事故率は、全体の75.4%という数字が公表されています。各社の取り組みと効果についての項目では、運転停止期間の設定や反省文・顛末書の提出などペナルティを厳しくすることや、直属上司による面談指導、自動車教習所へ通わせるなどの内容のほか、関係部門における事故発生状況の共有や管理者向け研修実施などをしている会社が多くなっているようです。

また、新卒者に対しては入社前、研修期間および赴任地において、運転能力判定や状況に応じた種々の運転講習の実施で効果が認められているとのことです。こうした取り組みには時間と費用がかかるのはいうまでもありません。

そこで日々の業務上で簡易かつ効果的に安全運転、事故を抑止し、最適なPDCAを回すのに役立つ「動態管理システム」についてご紹介します。

IoTを駆使した次世代の「動態管理システム」

「働き方改革」「健康経営」など働く人の環境改革が注目されていますが、人事・総務部門の業務改善を行うソリューション「HRテック」の導入で、業務効率化を目的としたクラウドサービス(紙からネット上で業務完結)や、AIを活用した採用時のマッチング効率化、ビッグデータ解析を活かしたエンゲージメントサービスなど、新しいサービスが日々登場しています。

その中で「IoT」(Internet of Things…モノにセンサーが組み込まれ、それがインターネットに接続されたソリューション)がここ数年大きく注目されてきました。

車の分野においても、車の各種センサーで周囲の交通状況や、走行速度、ブレーキの頻度といった自動車の運転状況、走行距離などといったさまざまな「運転・交通に関するデータ」を取得しそれをリアルタイムに通信端末を介してクラウドに送るコネクテッドカーと呼ばれる車両が登場しています。

蓄積されたデータは分析され、ビッグデータとして交通事故防止や渋滞緩和など幅広いサービス利用が期待されており、従来よりもさらにドライブを安全で楽しむものにする可能性を持っています。営業・運送車両を抱える企業ではかんたんに自社の車・ドライバーの状況を把握できるようになります。

「動態管理システム」は従来、運送業を中心に普及してきました。しかし、これまでのシステムは大掛かりな車載器を搭載したり、そのために業務を一旦止めて工事が必要だったり、システム開発に長い期間をかけたりなど、初期コストが大きいという課題がありました。
一方、最近のクラウドベースのシステムは、車両に取り付けるデバイスはサイズも小さく安価で、取り付けも簡単なものが多く、システム開発に予算を割けないような規模の企業においても気軽に導入できるようなものが提供され始めています。

主な導入目的として、事故削減、車両台数の最適化、車両とドライバーのリアルタイム管理、日報の自動化が挙げられます。特に事故削減は企業として対策を怠ることができない課題です。

先に述べたMR業界においても、事故に対するさまざまな取り組みを実施しています。「動態管理システム」を導入している企業では、日常の運転中に個人の運転記録を可視化。その運転特性の分析から適切なフィードバックをすることで、安全運転の取り組み効果を高めるだけでなく、ドライバーごとの燃費改善や訪問ルート改善による営業効率化などさまざまな視点で蓄積された自社のデータを活用しています。

従業員の安全を守る「動態管理システム」の活用法

次世代の「動態管理システム」としてクラウド車両管理サービス「DriveOps(ドライブオプス)」の事例をご紹介します。

ある企業では、朝礼で安全運転管理者が前日の走行日報から安全運転スコアの結果を全社員にシェアし、運転がよかったドライバーと悪かったドライバーからの感想を話す場を5分ほど設けています。安全運転に対する意識が芽生え、実施から3カ月後には危険運転の検知が半分以下に減り、燃費改善にもつながりました。

同時に安全運転をしたドライバーに対する評価、表彰を行い、全社員に対してより高い意識付けにも成功しています。この朝礼で使用する走行日報データは、運転者の運転後に自動的に作成され、安全運転管理者はWeb管理画面で容易に走行内容をチェックできます。ペーパーレス化や帰社後の日報作成からの解放など導入効果が多岐に広がっています。

また、別の企業では危険運転や一定以上の速度超過を管理者へメールで知らせる運転診断アラート機能を活用し、時間をおかず効果的な安全運転指導やドライバー自身の安全運転意識を高めるのに役立てています。

このように「動態管理システム」は、事故削減・抑止による修理代や保険料の削減効果にとどまらず、収集したデータを解析・活用することで車両台数や走行ルートの適正化、ドライバーのパフォーマンス分析やそれに基づく評価制度の構築など、オペレーションコスト全体を見直していくために有用なツールとして広まりつつあります。

クラウド車両管理サービス

GPSによる車両管理から細かな安全運転の支援までを丸ごとサポートするサービス。ドライバーの負担をゼロにする使いやすさや、クラウドサービスのため導入コストが抑えられるなどの特徴がある。

詳しい情報は@人事サービスガイドで紹介中
https://at-jinji.jp/service/239/270

 

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