【第12回】研修マスターの6つ星“指南術”

研修成果が問われる時代、意識と行動が変わる研修企画のポイントは?

研修のご担当者様から「研修成果をどう測ればいいでしょうか?」というご質問をよくいただきます。今回は、研修参加者が新たな考え方や方法を受け入れ、「学んだことを試してみたい」という気持ちにさせるためにはどうしたらよいか、という視点で、研修に取り組むポイントをご紹介します。

参加者の意識は「バラバラ」であるという前提を忘れない

研修企画を立てる際は、「研修の目的」や「参加後に期待する成果」を明確にした上で内容を組み立てます。しかし、その目的や成果は多くの場合「企画者(および組織側)の都合」であって、本人たちがそのことに問題意識があるか、それが今の一人ひとりの状況や課題に合っているかはわかりません。いわば皆それぞれ「バラバラ」な目的や目標、状況、悩みや課題を抱えているという前提があります。この状態であることを企画者がふまえているか否か、まずはここがキーポイントになります。

そしてその「バラバラ」の中で、「どのような変化があることを期待するか?」それを、「何割の人が」「何をどれくらいできるようになっているか」を具体的に描きます。例えば、

  • 参加者全員が「期待される役割」を理解し、次のステップに向け新しい目標が設定できる
  • 参加者の8割が「教えるスキルの基本」を理解し、「指導計画」が作成できるようになる
  • 参加者の6割が「プレゼンテーションの基本」を理解し、導入とまとめを効果的に行えるようになる

といったイメージです。その上で、全員、8割、6割、となぜそのような割合になるのかも明確にします。その理由は、プログラムの目的やレベルなどによって、その時・その場で理解し、実践できる人もいれば、すぐにできない人もいるからです。それらのことをどう捉えるかも含んでおくことで、研修後の提出物やフォローの仕方が変わってきます。

「やってみたい」「やれそう!」という場づくり

研修効果を左右するもの。それは、その環境です。多くの場合研修は、忙しい中で、自分の意思と関係なく召集されます。そのような状態で集まってくる参加者心理は「面倒くさい」「忙しいのに」「何で自分が」「また新しいことをやらされる……」という負担感です。その負担感以上に価値を感じられるものを提供しない限り、行動変容は起こりません。ではどのように価値を感じてもらえば良いでしょうか。研修前・研修・研修後の過程で見ていきます。

研修前

有効な方法の1つに参加対象者の上司の巻き込みがあります。上司がその研修で得られるものを理解しているか否かは研修後に大きく影響します。というのは、参加者が学んだことを実行し、その取り組みを見て評価するのは上司の場合が多いからです。

よく「自分が研修を受けていることを上司が知らない」という話を聞きますが、これは、効果を高める上では改めるべき点です。上司の巻き込み以外の方法としては、開催案内の工夫です。ポイントは、参加者の目線に立ったメリットを伝えること。その例としては、過去に受講した参加者の「研修前に感じていたこと」と「研修後に職場でどう活用し効果があったか」といったBefore→Afterを3例前後示しておくと、イメージもわき、期待感を高められます。

研修後

研修後の取り組みをレポートしてもらう方法はよくありますが、最近増えているのが、研修後に職場で「自分が学んできたことを、他者に教える」という場を作っておくことです。朝礼(終礼)、ミーティング、会議、勉強会など、場面は色々ですが、15分程度~1時間程度、できる範囲で設定します。その後、職場で実施した内容と自分が工夫した点、周囲の反応などをレポートしてもらいます。研修後に伝えることが前提になっていると、研修への意識も変わる効果があります。

企画側の「本気さ」が結果を左右する

ご紹介した方法の中には、すぐに導入するのはハードルが高いものも含めました。その理由は、研修を企画する側が、心から楽しみ、受講者に期待し、自らできる工夫やチャレンジをしているかどうかが、研修を通じて参加者に与える影響が大きいからです。研修を企画する側の「本気さ」が結果を左右するといっても過言ではありません。受講者を変えるのは、企画者・運営者が自ら取り組むその姿です。私もその姿を見せ続けられる存在でありたいと思います。

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