誰でもできる経費削減! スッキリ丸わかりLED照明講座

第3回「早期に初期投資を回収する方法と、LED照明が与える影響について」

企業の人事・総務担当者および経営層の皆様へLED照明導入による経費削減方法を紹介するコラムの第3回です。コラムを通じて、LED照明のメリットを理解するだけでなく、実際に自社に導入することで、どれだけ費用削減になるのか、具体的な金額まで自身で算出できるようになることを目指します。さて、前回は様々なLED照明製品とその特徴、および簡単にできる電気料金削減額の算出について紹介いたしました。今回は、LED照明導入の際のチェックすべきポイントと、「いつ導入すれば、一番コストを削減できるのか」について解説します。
(前回までのコラムはこちらからチェックできます→https://at-jinji.jp/provider/column/210

導入の際のチェックポイント

LEDは高効率、長寿命、対環境性を始め多くの特徴を備えた光源であり、照明の革命をもたらすものといえます。
しかしその導入にあたって、十分な効果を上げられるように気を付けなければならないいくつかのポイントがあります。

1)周辺機器への影響

電子機器から発生するノイズは周辺機器に影響を与えることがあります。LED照明機器も同様です。

ある機器から他の機器に対し許容できない妨害(ノイズ)を与えることがあります。ラジオに雑音が入ったり、テレビの画像乱れが生じたりすることなどがその例ですが、医療機器が誤動作するような場合には事態は重大です。図1は一般的なLEDランプからのノイズ発生の状況であり、商用交流電圧を電源装置で直流に変換してLEDに供給します。LED機器の場合には電源装置からのノイズが大半です。ノイズには機器から放射として発生するノイズと電源線を介して発生するノイズがあり、照明製品にはこれらのノイズを規制する規格があり、これに適合した商品を選ぶのが良いでしょう。

2)人の健康への影響

2010年8月に札幌市の庁舎内の蛍光灯をLED照明に交換した際に体調不良を訴えた職員がいるとの報道がありました。当時の記事によりますとLED照明は細かく点滅していた、「目の前で指を左右に動かすと、こま送りのように見えた」とあります。これは「フリッカ」と呼ばれる光のちらつきであり、商用交流を直流に変換したために1秒間に100回の頻度で光の強弱が発生していたためです。LEDは光の応答が早いので光のチラつきとランプ電流の変動はほぼ同じと捉えてよく、フリッカは図2のように数値化されます。この「フリッカ」の影響は人により感じ方が異なりますが、少ない方が好ましいと言えます。

3)LEDと在来光源とでは物の見え方に違いを感じる場合がある

一般にLEDの光は在来光源に比べ指向性が強く、これはLEDの長所であり、短所であると言えます。LEDにしたら確かに電力消費は削減されたが、照明の印象が変わってしまったというようなことがないように気を付けねばなりません。在来光源をLEDに置き換える場合には照明設計シミュレーションなどで、照度分布などを確認することをお勧めします。正しいLED商品の選択で快適で大きな節電効果を得られることを期待します。

LED照明製品の導入時期:価格下落、性能向上の中でLED導入は待った方が得か

現在蛍光灯の照明あるいは水銀ランプなどのHIDランプを使用していてLEDの導入をお考えの方々が多いと思います。

近年LED製品の普及と共に価格が下落しています。また技術革新によって性能、特に発光効率が向上してきました。このような中ではLED導入は少し待った方が得ではないかとのお考えで、LEDの導入に踏み切るのに躊躇されている方々も多くいらっしゃるでしょう。

今回はあるモデルを想定し、照明費用のシミュレーションをしてみます。このモデルに使われる値は仮定の値であり、特に製品の価格や工事費用においては千差万別でありますので、参考値とお考えください。

シミュレーションとして200本の蛍光ランプが使用されている店舗で、これを同等の照度の得られる同数のLEDランプに置き換えるというシミュレーションモデルです。点灯時間は1日14時間、年間365日です。ランプの価格下落は年10%、ランプの効率向上は年5%、即ち同じ照度を得る電力は年5%低減することとします。

このような前提で次の4つケースの照明費用を考えます。

 ケース① 既存の蛍光灯照明を使い続ける場合
 ケース➁ すぐLED化する場合
 ケース③ 1年後にLED化する場合
 ケース➃ 3年後にLED化する場合           

それぞれの場合に対して照明に掛かる総合費用(初期投資費用+電気料金+蛍光ランプ交換費用)の現在から7年間の累積の費用を求めると結果は表1図3のようになります。

このシミュレーション結果でお分かりのように在来の蛍光ランプとLEDでは効率が大きく異なるため、LEDの投資は比較的早く回収されます。この例では今すぐ投資した場合には約2年で回収され、その後は主として電気料金の差で照明費を節減することができます。

一方はLED 製品の価格下落や性能向上により、投資を遅らせた方がLED化後の照明費用の改善速度は向上しますが、投資が遅れると蛍光灯の照明による電力費用がかさみますので、今すぐ投資したものに比べて総合的な累積照明費は高くなるという結果です。

このように投資が遅れると累積の照明費の挽回は難しくなります。挽回のためには極端なLEDランプの価格下落や効率向上が必要となりますが、現実的には困難と考えられます。

これはあくまでも仮定の条件でのシミュレーションです。長い間にはいろいろなことが想定されますが、電気料金の値上げは回避できそうにありません。また照度の基準は東日本大震災及び福島第一原子力発電所の事故後、高すぎる照度が見直される方向です。LEDによる照明はますます照明のコスト削減に寄与するでしょう。

次回はいよいよ最終回です。実際にLED照明を導入する際の初期費用を抑えるための補助金活用や節税、レンタル製品の活用について解説します。

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