誰でもできる経費削減! スッキリ丸わかりLED照明講座

第1回「簡単なLED照明の基礎知識」

はじめに

企業が利益を改善しようとする場合に売上・粗利と共に重要なのが経費の削減です。この中でも最近の電気料金の値上がりに対応して、省エネは大きな経費削減につながります。
特にオフィスの電気消費量の多くを占める照明の電力量(夏なら24%、冬なら33% : 資源エネルギー庁による調査結果)の削減は効果的です。このために既存の照明からLED照明への切り替えが増えてきています。自社の経費削減のみならず、原発の問題など国全体のエネルギー事情、水銀に関する水俣条約のような環境に対する関心もLED照明化を後押ししています。

LED照明は一般的になりましたので、省エネ・長寿命などの特徴は知っているものの、詳細についてはよく分からない方もいらっしゃると思います。数多くある商品の中からどの製品を選択するか、導入の時期はもっと待った方がよいのかなどで迷われ、実際の導入に踏み切れていない場合も多いでしょう。

このコラムではそのような皆様の疑問につき解説させていただきます。皆様が自社にLED照明を導入する際に、皆様の適切な判断で、企業の経費削減が実現できれば幸いです。

光源について

照明は夜のある限り人間にはなくてはならないものです。また夜でなくても企業活業は建物内で行われますので、照明の必要性はますます増大しています。

トーマスエジソンが白熱電球を実用化してから約138年、GEが蛍光ランプを実用化してから約83年が経過しました。これらは日本発ではありませんでしたが、青色発光ダイオードはノーベル賞を受賞した日本発の技術であり、これによって世界の一般照明のLED化が可能になったのは日本人として誇らしいことです。

この照明の革命ともいえるLEDは光源のなかでどのような位置づけかというとことから始めます。

図1は光源の分類です。

太陽や炎などの自然光源は大切なものですが、私たちが企業活動に使うのは人工光源です。人工光源は発光の原理で3つに大別されます。

  1. 熱放射発光 モノを熱すると光が出てくる現象を利用しています。白熱電球が代表です。
  2. 放電発光 2つの極の間の気体の中を電子が飛んで光が出るものであり、自然界では稲光、人工光源では蛍光ランプや水銀ランプなどのHIDランプです。
  3. エレクトロルミネッセンス発光 半導体が光るので Solid State Lighting と言われることもあります。これの代表がLEDです。

下記の表1はこれらの光源の特性をおおまかに比較したものです。それぞれの光源は各社から異なる特性のものが販売されていますので、特定のメーカーの製品ではなく、最大公約数的な値であることをお断りしておきます。

これでお分かりのように蛍光ランプ形のLEDランプの効率は電球の10倍以上であり、一般形蛍光ランプの2倍以上です。LEDの効率はこれまでに大きく改善されました。またこれからも効率の向上が期待できそうです。

実際の照明ではLEDランプは電球や蛍光ランプと光の広がり方が異なる場合が多く、この関係で更に大きな効率改善効果、即ち省エネの効果が出ることがあります。

次回は、様々なLED照明製品とその特徴、および電気料金削減額のための簡単な算出方法について解説します。

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