【第11回】研修マスターの6つ星“指南術”

仕事の進め方が違う「中途入社社員」と、空気の良いチームを組むには?

「中途入社社員が思ったようなパフォーマンスをあげてくれなくて……」という声を、採用担当者の方からよくお聞きします。例えば、「前職の仕事の進め方がなかなか変えられないようで職場で浮いてしまっている」、「業界経験があり、そこでの経験を生かしてほしいと思って採用したものの空回りしている」、「理念などわが社で大事にしてほしいことに、あまり関心がない」等々。中途採用者が職場に馴染めず、周囲も遠巻きに見ている光景が目に浮かぶ、そんなお話です。

しかしこのようなことは、どこの職場でも起こりがちなこと。それでは、どんなことに留意すると、中途採用者が職場に馴染み、本来の力を発揮できるでしょうか。今回はその点について考えてみます。

中途採用者の心理

受け入れ側が最初に考えておきたいこと、それは中途採用者の心理です。転職理由は人それぞれですが、誰しも新しい会社に入ったときの心理は大きく分けて2つです。

1つは「仕事が決まってよかった。がんばろう」という希望。そして2つめが「果たして自分に務まるだろうか、周りの人とうまくやっていけるだろうか」という不安。つまり、希望と不安という2極の心理が大きく揺れ動き、不安定な状態であることを理解しておくことが必要です。そのような状態であることを前提にしたときに、もっとも効果的なアプローチは「不安の低減」です。

それではどのように不安を低減していけばよいでしょうか。具体的なポイントを2つ紹介します。

管理職は1日・1週間・1カ月でフォローを

中途採用者を受け入れる職場で是非してほしいこと。それは管理職の面談とフォローです。面談の目安となるタイミングとポイントは次の通りです。

1日目

職場の受け入れ時に1~2時間の面談をしましょう。

内容は、

  • 中途採用者が自社を選んだ理由
  • どんな経験があり、どのような将来展望を持っているか
  • 得意なこと、不得意なこと、不安なことについての確認

などが良いでしょう。その上で、

  • 職場の目標や方針と、会社全体から見た中途社員の位置づけ
  • 自社の年間の主な業務の動き
  • チーム員の役割分担
  • 質問や確認があるときにコミュニケーションをとってほしい相手とタイミング
  • 中途採用者にお任せしたい仕事とその水準
  • 当面1カ月程度の業務内容と報連相のタイミング
  • 職場内のローカルルール

などを伝えた上で、1週間後と、1カ月後など定期的に面談することを伝えます。また、2週間程度は朝夕に、「調子はどうだ?」といった声がけをします。

1週間後

最初の休日の前に15分程度時間を取り、気づいたことや確認したいこと、問題がないかなどヒアリングを行います。その際「前職ではこんな風に業務を進めていて……」といった話があれば聞き、まずは自社のやり方でやってもらうほうがよいか、前職でのやり方を踏襲して進めてよいかなど、話し合いの上決めます。また、そこで出た意見が他のメンバーにも関わるものであれば、一定期間様子を見ることを伝えます。

1カ月後

30分から1時間程度時間を取ります。面談の目的は、中途採用者の話を聞き、管理職ができる支援がないか確認すること。そして、1カ月の仕事ぶりを見てよかった点(更に取り組みを強化してほしい点)と、改善してほしい点がある場合はそれを率直に伝え、今後について話し合うことです。

上記タイミングおよび内容はあくまで目安的なものですが、このように予めタイミングを決め、話し合うことを具体化しておくと、管理職サポートがしやすくなり、認識のズレが最小限になり修正も図りやすくなります。

チームワークを高める場づくり

中途採用者の受け入れ時に開催される「懇親会」は場づくりとして効果的です。しかし、チームワークを高めるという意味で1つ欠けている点があります。それは、「お客様」として扱われてしまうため、チームの一員としての力が発揮しにくい点です。

では、どのようにチームの一員として力を発揮できるような場を作っていけばよいでしょうか。私が「面白い取り組みだ」と思ったのは、昼食休憩時に行う「トランプ」です。

その取り組みをされている職場では、フレックスや時短勤務など、みんながそろって何かをすることが難しく、そのためか、社員同士の関係がよそよそしいものになっていたそうです。そこで「お昼の時間にトランプをしたらどうだろう」と一人が周囲に声をかけ始めたところ、最初は遠巻きに見ていた人も徐々に加わるようになり、今では誰もが参加しやすい場になったとのこと。最初に声をかけるのは勇気がいりますが、そのような場があれば、誘いやすく仲間にも入りやすくなります。

トランプに限らず、「新しいお店に行くランチ会」、「皆でピザを頼んでシェアする会」など、アイデアを募れば、きっとよい場がつくれるはず。中途採用者のためだけでなく、職場のチームワークを高めるためにも効果的でしょう。

以上は中途採用者だけでなく、異動者や新しいプロジェクトなどでも活用できる着眼点です。その職場らしいチームワークづくりのヒントとして活用ください。

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