仕事がデキる人事・総務のビジネスメール術(Web版)vol.6
管理職や先輩社員が新入社員へ効果的なメール添削をするための方法と回答例
4月に入社した新入社員が各部署へ配属され、OJTが終わり一人で仕事を任されているころではないしょうか。この時期に人事・総務担当者の皆さんからこんな相談を受けることがあります。
「ビジネスメールの教育を十分に受けていない管理職や先輩社員が、新入社員へ効果的な指導ができない」
メールで日々の報告書(日報)の提出を課している企業も多いことから、今回は「効果的な日報の添削指導法」について、具体的な添削例を交えながら専門家がアドバイスをします。
【サンプル】新入社員Aの日報(メール)に対し、先輩社員Bが添削指導したもの
お疲れ様です。Aです。 ■本日の目標 ■本日の総評 ■ 今日の気づき ——————– 【Bからのコメント】 ・本日の気付きについて |
上記の日報(メール)は、初めて部下を持つ先輩社員Bが新入社員Aの日報を添削しているものです。
Bは、人事担当者から「具体的に書かれていること」「改善点に対して、行動につながるよう指導すること」に注意して添削するように指示をされています。
では、メール上でどのようにアドバイスすれば良いのでしょうか。いくつかポイントをあげながら解説をしていきます。
【人事、総務担当者向け】メンターや新人教育担当者への指導に役立つ「効果的な日報の添削指導」を行うための5つのポイント
(1)最初に、自分ならどう書くか全体図を想定する
アドバイスを書き進める前に、新入社員の日報をベースに「自分ならどう書くか」ということを具体的にイメージしてみてください。日報の内容、表現、メールとしての書き方。先輩である自分の思う形ができあがると、これが日報としてのお手本になるため、両方を比較することで、指導ポイントが明らかになります。
(2)指摘すべき優先事項を明確にする
全体図が見えると「言いたいことがわからないので、表現方法を変えるべき」「この書き方では相手が読みにくい」など、多数の指摘事項が見えてくるでしょう。その中から今回伝えるべきポイントをいくつかに絞り、箇条書きにします。指摘事項が多すぎると相手を混乱させますし、毎回すべてを指摘していては相手のやる気を損ねてしまう恐れもあります。
また、できているところを、きちんと認めることも重要です。「これで正解がわかった、次回以降この形を心がけよう」「褒められてうれしい」というプラスの要因は、やる気から行動へつながります。指摘の数を絞れば、翌日以降改善されたかどうかも明確になるため、できている部分にもフォーカスしやすくなるでしょう。
(3)「わかる」が「できる」に変わるには具体的なアドバイスが必要
どこを、どのように改善すべきかについては、具体的に改善例を伝えることが必要です。 例えば「言葉遣いや表現に気をつけてください。」では、指示内容が曖昧でこちらの意図が伝わらないため、行動には結び付きません。
もし、新入社員が「指摘をうけたけれど、結局どう書けばいいかわからない」と感じてしまうと、行き詰りからやる気を失いかねません。自分の疑問や思いを? マークや()等の記号ではなく、文章として表現するよう指摘しましょう。
例えば、「議論が煮詰まり(論点がぼやけて?)」という表現も、「『論点がぼやけたことが原因となったせいか』などと記号を入れずに表現するように心がけてください」とあれば、理解が進むため行動に結びつきます。
(4)良い具体的なアドバイスを行うために
自分が具体的に指示をできているかどうかの基準は、「10人に伝えても、全員が同じモノがイメージできるように伝えられているか」です。
今回の場合は特に、新入社員の具体的なスキルアップを図る役割であるため、相手の解釈に任せるより、手本になる具体的な事例を見せる方が良いでしょう。
また、何回かに1度でいいので、相手の日報を踏まえた上で、参考として自分が書いた日報の見本を見せてください。その差は一目瞭然です。その後、細やかな指摘をせずとも、新入社員も真似をして書いていく上で、自然と学ぶことになるため、一気にレベルアップが図れるでしょう。
(5)視覚的な配慮を
自分が伝えるべき内容を分類できたら、記号や改行、箇条書きを使って視覚的に分かりやすいメールを作っていきましょう。また相手の文章を引用し、その下に自分のコメントを書くことで、何度もメールの画面を上下比較し読み返させることをしなくて済むため、こちらの指摘もスムーズに理解されやすくなります。
内容に注目をさせるためにも、「そもそも、先輩のメールが読みにくくて、言いたいことが分からない」と相手に思われないようにしなければなりません。
まとめ:伝えるべき情報を明確にすることで添削のスピードも上がる
自分が書く日報をイメージすることで、指摘事項に優先順位をつけることやポイントを絞ることができ、さらに、具体的な表現事例としても活用できます。伝えるべき情報が明確になるので、指導メールを書く時間のスピードもアップするでしょう。
「効果的な日報の添削指導」のポイントを踏まえた、添削指導の「回答例」
Aさん ———————————————————————————————————————— 1.読む側の立場に立って書く、について 2.()や?マーク、擬音語で感情や雰囲気を表現せずに、1つの文章として書く、について 3.【】や数字、箇条書きを使って、視覚的に見やすく書く、について ———————————————————————————————————————— ===ここから日報【改善案 B】==== ○○さん ■本日の目標 2.活発かつ効率的なグループワークの実施 【目標の達成について】 ■本日の総評 ■今日の気づき 【反省点】 【改善点】 以上です。 A わからないことがあれば説明するので、 B |
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