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第7回 「人工知能時代の幸せな働き方」の心得

近年、新聞やインターネットには、人工知能(AI)の情報があふれていますが、「AIが進化すると人の仕事が奪われるのでは」など、漠然とした不安や焦りを感じている人も少なくないでしょう。しかし、AIは「人の仕事をラクに」「楽しく」してくれるツールとなり得る、と『2020年人工知能時代 僕たちの幸せな働き方』の著者である藤野貴教氏は語ります。藤野氏が講師を務める『人工知能時代の働き方研修』は、個人の進化の仕方はもちろん、AIを活用できるリーダーの育成に有効です。第7回は書籍の中から「『人工知能の苦手な領域』から考える『人工知能時代の幸せな働き方』」の一部をご紹介します。

人工知能が必須の時代はあと数年で到達する?

冒頭で申し上げましたが、AIテクノロジーは、現代の私たちの過重労働を解消してくれ、「人の仕事をラクに」「楽しく」してくれるツールとなり得ます。

一方で、AIは万能というわけではなく、得意・不得意があります。このAIの「不得意」な部分は、今まで通り人間が担当することになります。従って、私たちの仕事のすべてが奪われるわけではないのです。


AIの得意な分野は、論理的に分析し、大量の情報から統計的に考え、高速回転で何度も何度も実施するといった仕事です。AIは当然、「疲れ」ませんし「飽き」ませんので、この〝ロボット的な仕事〞から人間を解放してくれるでしょう。

逆に考えると、今こういった〝ロボット的な仕事〞をしている人は、その仕事を「人間にしかできない仕事」にシフトしていく必要があります。

藤野氏(写真下)は『2020年人工知能時代 僕たちの幸せな働き方』(上)の中で、人工知能時代
に向けて、どのように一人ひとりが進化し、働き方を変えていけば良いのかをタイプ別に分類して
具体事例を挙げながら提案しているほか、組織のリーダーに求められる能力やスキルについても
言及している。

AIの得意な領域不得意な領域

マトリクス分類の図(下記)を見てください。

横軸の左に置いているのは論理的・分析的・統計的な能力、分かりやすく例えるなら「エクセルのような能力」です。その反対側にあるのは感性的・身体的・直感的な能力、つまり「人間らしい能力」です。縦軸の下に置いているのは、仕組み化された中で大量に実施する
能力で、「構造的」と呼びます。つまり「マニュアル化されている仕事」です。

その反対側にあるのは、まだ仕組み化されていない物事に対して、問いを立てて仕組み化させていく能力で、これを「非構造的」と呼びます。

4つに仕切られた区分のうち、AIが得意な領域は、感覚的にわかると思いますが、間違いなく左下Cです。左下の「AIが得意な部分」以外の、「創造的に考えることがより必要な領域」「身体性や感情が求められる領域」においては、まだまだ人間のほうがAI
より優位だと考えることができそうです。

ですから、私たちの「仕事」のボリュームを、「AIが苦手な領域」で増やしていけば、AIより人間の価値が高い状態で働くことができるわけです。

人間の価値を発揮する3つの領域とは

では、残り3つを見ていきましょう。
まずAの領域は「コミュニケーター」と定義します。藤野氏はこれを「仮説を立てる」仕事と呼んでいます。AIは「データがなければただの箱」です。AIがどれだけ高速で大量の分析ができるとしても、「何のために分析するのか」を考え、分析結果に基づいて意思決定するのは人間の仕事です。それを担うのがこの領域です。

次はDです。「モデレーター」と名付けたこちらは、仕組み化された仕事において「人間らしい価値」を発揮するという領域です。そのためには、人間しか持っていない「感性・身体・直感」を活用することが必要です。人の感情を察し、相手に働きかける「ホスピタリティ」が求められる仕事は、AIより人間が得意です。
ちなみに「AIは感情を持つことができるのか?」というのは大きなテーマですが、現状では難しいと考えられています。

最後はBです。
この領域では、感性・直感が豊かで、かつ問いを立てることが重要になります。既成概念にとらわれず、自分の感覚や発想で、今までにない新しい価値観を生み出す仕事。まさに「イノベーター」であるといえます。

彼らの発想は今までの考え方とかけ離れていることが多く、現状の組織や社会においてあまり評価されていないということもあるでしょう。しかしだからこそ、変化していくこれからの時代において「価値を発揮する」可能性が高いともいえます。

この3つの中では、イノベーターがAIの得意な領域とは正反対にあり、最も代替されにくいと思えそうです。しかし、人は一足飛びにイノベーターになるのは難しいため、自分が「感性・直感」が得意か、「問いを立てる」ことが得意かを見極め、今の仕事で「より感性的・身体的・直感的になるにはどうすればいいか」と考えるか、もしくは「問いを立てるにはどうすればいいか」を考えていくことが、
実践的かつ現実的といえるでしょう。

ヒューマンタッチな方向と仮説を立てる方向への進化

では、具体的に「営業・接客系」の職種で、働き方の進化の例を考えてみましょう。
一例として、IBMのAI「Watson(ワトソン)」をコールセンターのリアルタイム支援に実用導入している、みずほ銀行の例を挙げてみます。

ワトソンは、電話の向こうのお客様の声を自動的に音声認識し、その内容を理解して、回答候補をオペレーターに提示してくれるAIです。人の記憶だけではまかなえない膨大で複雑なマニュアルの中から対応するべき事例を調べて教えてくれることで、オペレーターの手間が大きく省略されます。
たとえば、「急いでいる人にはスピーディーに」、「時間のある人には丁寧に」対応するなど、「ヒューマンタッチ」なやり取りができるようになるでしょう。
それによって、顧客満足度が高まり、スタッフもやりがいと幸せを感じられることも期待できます。

このように、人の仕事がヒューマンタッチな方向へ進化するのとは別に、新たな価値を生み出すための「仮説を立てる」領域に進化するパターンもあります。

アメリカのAIベンチャー企業・データロボットが開発した「DataRobot(データロボット)」は、プログラミング知識がない普通のビジネスパーソンでも、エクセルを使う感覚でAIを扱えるようになる画期的なツールです。
たとえば、過去の顧客の契約受注データ・失注データを大量に学習させて「何を分析したいのか」という目的を設定し、「開始ボタン」を押します。すると、過去のデータの傾向を統計分析した「予測モデル」をなんとわずか3分程度で自動的に作ってくれるのです。

その予測モデルに未契約の新規の顧客データを読み込ませれば、どの顧客が契約に至る「可能性」が高いかを示してくれます。これを活用することによって、営業社員は限られた時間を有効活用することができるでしょう。

各研修プログラムはカスタマイズ可能

これらは書籍の内容のごく一部ですが、この内容も含めた『人工知能時代の働き方研修』プログラムでは、個人のマインドチェンジはもちろん、AIテクノロジーに対する社内の情報格差をなくし、有効なAI活用法を考えることのできるリーダーの育成にも有効です。

このプログラムを受講された方がイノベーターとなって、会社を新しい方向へ進化させている例は、増えつつあります。
藤野氏の研修をはじめ、すべての研修プログラムは、各企業のご要望にマッチしたものにカスタマイズできますので、お気軽にご相談ください。

【企画・監修:@人事編集部広告制作部】

※この記事はフリーマガジン「@人事第9号」(2017/10/1発行)の転載記事になります。

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