増える外部人事活用(複業・フリーランス)。失敗しない企業活用とは。

はじめまして、株式会社コーナー 代表取締役の門馬(もんま)です。当社が展開している「人事・採用領域に特化したプロフェッショナルブティック事業(≒外部人事活用)」も、ここ数年でさらに裾野が拡大してきました。その中で、「ただ外部人事を活用すれば良いわけではない」「やり方次第では成果にまったくつながらない」ことも明らかになっています。今回は、より成果につながる外部人事活用方法について市況感も踏まえてご紹介します。 

目次

  1. 人事・組織課題は絶えず変化・複雑化している
  2. 「人手不足による採用難」は人事も例外ではない
  3. 増える「外部人材活用」
  4. 外部人材活用の肝は「要件定義」と「プロジェクトマネジメント」
  5. まとめ

人事・組織課題は絶えず変化・複雑化している

リスキリング、DX、脱新卒一括採用、テレワーク、副業・複業の推進、シニア人材の活性化、女性リーダー育成、外国人労働者の雇用・活用……ざっと挙げただけでもこれだけのテーマ(≒人事・組織課題)がここ数年で話題に上るようになりました。その背景には、年功序列・終身雇用など日本固有の慣習が崩れたこと、国を挙げた働き方改革推進などがあります。 

増えたのはテーマ数だけではありません。それぞれの変化・変革を起こす上では「ダイバーシティ(多様性)」への対応が重要視されるようになったことを受け、人事業務が一気に複雑化しました。これまでは画一的な制度導入や取り組みだけで済んだことも、多様性の数だけ向き合っていく必要が出てきています。 

さらに、世界的な潮流がそこに重なります。「人的資本経営への取り組み」です。これまではヒト・モノ・カネの事業資本のうち、財務情報であるモノ・カネについて開示していれば投資家の要望にも応えられてきました。しかし、リーマンショックをきっかけに非財務情報であるヒト(=人的資本)の重要性が叫ばれるようになり、投資家からも人材情報に関する開示要求が高まってきた背景があります。また、人的情報の開示は単なる投資家・株価対策に留まらず、企業の業績や組織力向上に大きく寄与するものでもあります。一般的に人事部だけで取り組むものではありませんが、人事が中心になって推進していくものには変わりありません。 

これ以外にも戦略人事、タレントマネジメント、人事DX、HRテックの活用など専門性の高い多様なテーマが日常的に情報流通しており、限られた自社人材のみでこれらの変化をキャッチアップし対応することはもはや不可能に近いです。 

「人手不足による採用難」は人事も例外ではない

複雑化する人事・組織課題に対応するべく、まず各企業が検討・実行するのは人材採用による増員でしょう。しかし、近年の人手不足による有効求人倍率の高まりもあり採用も一筋縄ではいきません。転職サイトdodaが発表した転職求人倍率データによると、近年は3.0を超える瞬間もあるほどです。 

出所:転職求人倍率レポート(2024年3月)/doda 

全体もこのような状態ですから、採用対象者が「専門知識・スキルを持った人事経験者」となればその難しさは容易に想像できます。実際に、人事職を含む「企画・管理」職の転職求人倍率は3.43であり、その他職種においてもエンジニア(IT/機械・電気)や専門職の転職求人倍率が平均以上になっていることからも専門性を持った人材に対するニーズの高まりが見て取れます。 

出所:転職求人倍率レポート(2024年3月)/doda 

すぐに採用できないとなると、あとは経験が浅い方に採用対象者を切り替えて外部採用するか、社内から適性のある方を異動させるしかありません。しかし、どちらも戦力になるまでには一定の時間が掛かる上、日々新しい情報やテーマが追加される人事領域であるが故に育成を担えるメンバーが社内にいないことも多々あるのが実情です。 

増える「外部人材活用」

前述した状況を受け、近年増えてきたのが「外部人材活用」です。 

出所:「兼業・副業に関する動向調査データ集」 /株式会社リクルート

リクルート社が行った調査によると、外部人材を受け入れる組織側の窓口が年々増えてきていることが分かります。2022年時点でも兼業・副業人材を受け入れている企業は全体の48.6%にも上ります。まだ受け入れを行っていない企業も約30%は今後の受け入れを検討しており、半数以上の企業が兼業・副業人材の受け入れに対して積極的であると言えます。 

出所:「兼業・副業に関する動向調査データ集」 /株式会社リクルート

また、兼業・副業人材の受け入れを開始した時期については約70%の企業が「ここ3年以内」と回答していることも、近年における外部人材活用の広がりを示しています。 

出所:「兼業・副業に関する動向調査データ集」 /株式会社リクルート

ちなみに、兼業・副業人材を受け入れる目的の第1位は「人材不足を解消するため」であり、「社内人材にはない知識やスキルを持った人材を確保するため」が次いで第2位となっています。採用難によるマンパワー補完目的も未いまに根強くありますが、専門知識・スキルの確保を目的に外部人材活用を進めている企業が多いことがこのデータからも理解できます。 

なお、人事・採用領域に特化したパラレルワーカー・フリーランスによる課題解決支援サービスを運営している我々(株式会社コーナー)が独自集計した「全職種3カ月以上平均求人倍率」によると、2023年12月時点の求人倍率は1.56倍でした。外部人材(人事)活用が年々進んできていることを実感しており、徐々に企業側が優秀な外部人材にお願いしにくくなるような環境になりつつあります。 

外部人材活用の肝は「要件定義」と「プロジェクトマネジメント」

ここまでの話を踏まえると、「外部人事を活用できれば複雑化する人事・組織課題にも対応できる」と思われるかもしれません。もちろん、その可能性が高い有効な手段ではありますが、取り組み方によっては思ったほどの成果が出ないことも十分にあり得ます。 

失敗例としてよく挙がるのは、「人事メンバーの人数や工数が足りないから」とただマンパワー的に外部人材を動員するケースです。お任せしたい仕事が作業的なものであればそれでも問題ないでしょう。しかし、答えのない課題にアプローチすることが求められる外部人材活用においては、解決すべき課題とそこに必要なスキル・経験を明確にしておかなければ成果にはつながりません。 

では、どんな取り組み方ができれば成果を実感できるのか。その肝は「要件定義」と「プロジェクトマネジメント」にあります。 

■要件定義

外部人材活用はこの「要件定義」次第と言っても過言ではありません。どのような課題があり、その解決にはどのようなスキル・経験を持つ人材であれば良いのか。社員人事が取り組んだ方が良いこと・外部人事に任せた方が良いこと(自業界・自社の枠に収まらない第三者的な見解や意思決定が必要な業務など)にはそれぞれどのようなものがあるか。これらを分解した上で適切に業務を切り出していく(≒ジョブディスクリプション)ことができれば要件定義の解像度が高まり、結果として適切な知見・スキルを持った外部人材への依頼が可能になります。 

反対に、この要件定義が十分に行われずふわっとした状態で依頼を行うと、スキル・経験がまったくマッチしない方を人選してしまうことにもつながりかねません。結果、期待した成果が出ないだけでなく、外部人材活用について社内がネガティブに捉えてしまうようになる可能性すらあるため注意が必要です。 

■プロジェクトマネジメント 

適切な外部人材をアサインできたら、次はプロジェクトを円滑に進めるための体制を作ることが重要です。具体的には以下3つのステップでプロジェクトの進め方を定義します。 

(1)期待成果水準の明確化
プロジェクトスタート前にKGI(Key Goal Indicator/事業やプロジェクトなどの最終的な目標を定量的に評価する物差し)を設定し、その達成に向けたアクションを企業側/複業者(パラレルワーカー)側で目線合わせします。その際、指標が明確で計測可能なものか、達成できる可能性があるか、期限が設定されているかなどの観点も押さえておいてください。これを行っておかないと、企業と外部人材それぞれが考える“良いパフォーマンス”にギャップが生じてしまい、結果的に期待する成果へとつながりにくくなってしまいます。 

(2)初期業務の明確化
プロジェクトスタートから1週間以内をめどにKGI達成に向けた取り組みのガントチャートを作成し合意します。その時点で役割分担まで決めておけるとスムーズです。 

(3)PDCA(パフォーマンス確認・修正支援)
プロジェクトスタート後は進捗確認と必要に応じた修正支援を行います。毎週1回機会を作り、そこで問題があれば軌道修正に向けた打ち合わせを別途設定するなどです。 

他にも、外部人材がより動きやすい環境を作ることも忘れてはいけません。外部人材活用の成功事例に共通する要素に、「できるかぎり社内人材と同じ環境・体制を用意すること」があります。情報漏洩のリスクを気にして必要な情報へのアクセスを制限してしまったり、外部人材だからと業務上の必要な話だけに終始してしまったりするのではなく、「同じ目標を追う仲間」と定義して環境づくりを行うことが成果に大きく影響します。 

まとめ

人手不足による採用難がこれからも続くことを考えると、「外部人材活用」が複雑化する人事・組織課題への解決手段としてこれからも効果的であることは間違いありません。ただし、 その活用方法によってはまるで成果が出なくなってしまうことも少なくありません。今回ご紹介した「要件定義」と「プロジェクトマネジメント」のポイントを抑えながら自社にあった活用の方法を見つけてみてください。

次回は、「海外エンジニア」に視野を広げて採用成功につなげた企業事例についてご紹介します。

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