第14回HR EXPO春(人事労務・教育・採用)|RX Japan株式会社第14回HR EXPO春(人事労務・教育・採用)|RX Japan株式会社

これからの時代における、会社員にとっての「真の安定」とは?

はじめまして。Thinkings株式会社CHROの佐藤 邦彦と申します。

当社は、「採用管理システムsonar ATS」を中心とした組織づくりのプラットフォーム「sonar HRテクノロジー」を提供しており、採用を起点とした組織づくりの支援をしております。その中で、私は自社のHR部門を管掌し、採用から育成組織開発、評価制度運用など人事全般を担当しています。

Thinkingsに入社するまでの経歴は、新卒で外資系コンサル業界に入り、数年後に事業会社の人事に転身、そこから一貫して人事畑のキャリアです。2020年から2年半、リクルートワークス研究所にて「Works」編集長を務めていました。ポジションや役割に変化はありますが、人事に関わり始めて20年以上になります。

従来の「所属による安定」に依存することはリスクが高い

人事として多くの人のキャリアに関わってきた経験から課題に感じているのが、会社員にとっての「真の安定」についてです。
これまで、多くの方が安定とは「安定した会社に就職すること」と考え、「所属による安定」を求めてきました。しかし、時代は移り変わり、ビジネスのグローバル化やテクノロジーの進化など、社会や経済の環境は急速に変化しています。その状況において、従来の「所属による安定」に依存することはリスクが高いと考えられます。

では、これからの時代における「真の安定」とは何でしょうか?

私は、所属に依存する形ではなく、個人の力によって得えられるものだと考えます。具体的には、変化への適応能力と社内に限らず社会を見渡す視野を持ち、個人のスキルと経験をどう生かしていくか、作戦を立てられる状態になることです。これが「真の安定」だと思っています。
この記事では、そのために必要なステップや考え方をご紹介いたします。皆さんが、自身の安定について考えるきっかけになれば嬉しいです。

目次

  1. 「所属による安定」が一般化した背景と課題
  2. これからの時代における「真の安定」とは
  3. 「真の安定」を得るためのステップ
  4. まとめ

「所属による安定」が一般化した背景と課題

画像:これからの時代における、会社員にとっての「真の安定」とは?

「所属による安定」を生み出している終身雇用や年功序列といった制度は、戦後の高度経済成長期に構築されました。社会情勢の不安定さはありつつも、右肩上がりで成長が続いていた当時にあっては、企業とそこで働く会社員にとって良いエコシステムとして機能しました。企業は人材を確保して長期的な戦略を立てられ、会社員は一度入社すれば安心して働き続けることができました。

しかし、社会や経済の環境が急速に変化し、終身雇用や年功序列といった制度がエコシステムとして機能するための前提条件が大きく変わったにも関わらず、適応しないまま現在に至っています。そのため、さまざまな問題が顕在化し、企業経営に悪影響を及ぼすようになりました。例えば、以下のようなものが挙げられます。

  • 「働かないおじさん」と呼ばれる層が生まれ、他従業員のモチベーションやキャリアを阻害している。
  • 日本企業の競争力が低下し、コスト面やイノベーション面で海外企業に遅れをとっている。
  • リーマンショックやコロナ禍といった大きな環境変化が起きた際に、変化に適応できない企業はダメージを受け、倒産やリストラなどの危機に直面している。

つまり、変化に適応できないままでいると、これからの時代では企業も個人も生き残っていけない可能性があるということです。

これからの時代における「真の安定」とは

画像:これからの時代における、会社員にとっての「真の安定」とは?

時代の変化はこれからも起こる可能性はあります。企業やそこで働く会社員は、過去にとらわれず今に向き合い、未来を見据えて適応していくことが求められます。

ジョブ型雇用や成果主義など、変化に合わせた改革を行っている企業もありますが、長い時間をかけて積み上げてきた仕組みや文化を変えるには、相当な時間と労力がかかります。
組織が変わるのを待つのではなく、一人ひとりが自分自身のキャリアについて考え、行動していく必要があります。

大事なことは、キャリアを所属企業に委ねるのではなく、自分のスキルと経験を活かして活躍できる場所を自ら切り開くという思考と行動です。そのために、自分の能力や成果が市場で評価されるという意識が必要です。そうすることで、自分のスキルや経験を高めるために、学びとチャレンジをし続けることができます。また、それを発揮できる環境を選ぶこともできます。

「真の安定」を得るためのステップ

画像:これからの時代における、会社員にとっての「真の安定」とは?

では、具体的にどのようなアクションが必要なのか。私は、以下の3つのステップ+αを提案します。まずは、みなさんが所属している環境で実践していただきたいことです。

1. スキルと経験を可視化し把握する

どのような環境でどのような役割を担ってきたのか、そこで残した成果はどのようなものなのか、結果として得られたスキルは何かなど、これまで積み重ねた経験を可視化し把握しておく。

2. 自分の市場価値を把握する

社外のマーケットに目を向け、自分の専門分野のポジションがどの程度存在するのか、個々の求人を確認して求められるスキルレベルや役割、報酬水準などをリサーチします。そして、①で整理したスキルと経験を照らし合わせ自分の市場価値を把握します。

3. 中長期的に「やりたいこと(Will)」を整理する

これまでのスキルと経験をベースにした、その延長にある「やりたいこと(Will)」でもいいでしょう。少し異なる領域の学びを付加することで、これまでのスキルとの掛け合わせを作り出すのも有効です。いずれにしても、現状維持ではない未来のWillを設定し、そのために必要な経験やスキルを可視化して、アクションプランを組み立てて実行していくことが重要です。


上記のステップを1~3の順番で常にアップデートしていくイメージです。
自分のスキルと経験が市場でどの程度通用するものなのか、どの程度求められているものなのか、この2点を常にウオッチしておくことが重要です。ビジネス環境の変化が凄まじいスピードで変化していく時代において、急激に陳腐化してしまうリスクがあるためです。

逆に、これから求められるであろうスキルや経験が新たに生まれることも多々ありますので、未来のテーマに対するアンテナの感度をあげておくこと、可能性があればそのような領域の学びも積極的に取り入れていくアクションは、真の安定につながるでしょう。

画像:これからの時代における、会社員にとっての「真の安定」とは?

まとめ

以上、私が考えるこれからの時代における会社員にとっての「真の安定」とは何かと、それを得るためのステップをご紹介しました。

繰り返しになりますが、安定した組織に所属することで安定が得られる時代は終わりました。「真の安定」はどこに所属しているか、ではなく、個人のスキルや経験から得られるものだと考えています。仮に所属を失ったとしても、スキルと経験があれば転職も可能ですし、所属にこだわらずともフリーランスとして活動することも可能でしょう。

そのような状況を作り出すための3つのステップと+αは、日々の地道な行動によって積みあがるものです。簡単ではありませんが、これからの時代において安定を得るには必要なことだと思います。
自分にとっての「真の安定」を見つけることができるように、ぜひチャレンジしてみてください。ありがとうございました。

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