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【人材育成 BEST of 2023】事例での気付きと学び [ヒューマン×テクノロジー/研修設計/定着フォロー]

2023年も終わりが近付いています。
昨年を振り返ると、日本の人材育成・研修の優れているポイントは「研修設計」「定着フォロー」であり、やや遅れているのは最新テクノロジーへの取り組みでした。
関連記事:【人材育成ワールドカップ】日本のレベルはグローバルに比べてどう?

今年も、お客様の実施した人材育成施策の中から選んだ
「これは良い!これは面白い!ベストオブ2023年」事例紹介のイベントを開催しました。

その中から3つの例を紹介します。切り口は

  1. BEST インパクト:単発研修でも特別感があり、貴重な体験として強い動機付けが得られるヒューマン X テクノロジー研修
  2. BEST 研修設計:研修の企画と設計が優れていて、やりっ放しにならず一貫性のある成果につながるラーニングジャーニー
  3. BEST 定着フォロー:「分かる」だけではなく、実際のビジネスに使えるレベルまで習得させる、しっかりした定着フォローのある研修

どの施策も非常にうまくできており、役立つヒントが含まれています。是非参考にしてください。

目次

  1. BEST インパクト:ヒューマン x テクノロジーの強化合宿
  2. BEST 研修設計:新入社員~3年目の研修効果向上施策
  3. BEST 定着フォロー:交渉力強化
  4. まとめ

1. BEST インパクト:ヒューマン x テクノロジーの強化合宿

単発研修でも特別感があり、貴重な体験として強い動機付けが得られるヒューマン X テクノロジー研修の事例を紹介します。

ここで言うインパクトとは、研修を受けた時の感動、驚き、研修の特別感、貴重な体験ということです。

今年実施したさまざまな研修の中で、最も強烈なインパクトがあったのはこのイノベーション強化合宿でした。チームビルディングのような体験学習や、生成AIやVRという新しいテクノロジーを使ったプロジェクトワークもありました。その結果、受講者にとって日常から飛び出すリフレッシュ体験となり、劇的な視野の拡大や密度の濃い人間関係の構築を実現し、そして生成AI・VR・ARという最新テクノロジーに関するスキル強化にもなりました。

研修の背景

イノベーションというと多くの人がまずイメージするのはAIのようなテクノロジーです。同時に、パンデミック後に再認識された人間らしさ、エクスペリエンス、人間関係の構築、健康経営のようなヒューマンも注目されています。

この研修はその両方の側面で、インパクトの強い短期間の体験によるヒューマン x テクノロジーの強化を目指して実施されました。話題となっているAI、VR、ARの実体験と同時に、ヒューマンならではの体験学習を組み合わせた内容を盛り込んでいます。
結果、チームワークスキルアップ、社会や顧客からのニーズに対する深い理解、新しいテクノロジーの幅広く深い可能性についての気付き、そしてモチベーション向上につながりました。

研修プログラムの構成イメージ

研修プログラムイメージ

個別のプログラムの具体的イメージです。

その1 アナログのアイディア出しとChatGPTによるアイディア出しの比較
人間と生成AIのアイディア出しを比較すると、生成AIのスピードと量が優れていて、人間は独創性で勝ちます。今後AIから出た平凡なアイディアを磨いて完成度を高める力が大切になります。

画像:アナログのアイディア出しとChatGPTによるアイディア出しの比較
【キャプション】受講者によるアナログのアイディア出し(左)とChatGPTによるアイディア出し

その2 リアルな野外体験とVRによる擬似体験の比較
アウトドアの研修だけでもリフレッシュ、チームビルディング、健康の効果はありますが、その後似たような体験をVRで試すと比較ができます。VRは、危険で体験の機会の少ない、過激な体験をするためにとても効果的です。

画像:リアルな野外体験とVRによる擬似体験の比較
【キャプション】リアルなアウトドア研修(左)とVRの疑似体験(宇宙ウォーク、空に飛ぶ、スパイダーマンなど)

その3 体を動かすチームワーク強化とARによる動作・パフォーマンス向上
体の動きやスポーツは極めて人間らしいアナログなアイテムです。しかし、そこにARを使って客観的に測ったり、ゴールイメージをより明確にしたりすると、たった数十分で動きを改善したり成果を高めることができます。是非人間とテクノロジーを組み合わせて使いましょう。

画像:体を動かすチームワーク強化とARによる動作・パフォーマンス向上
【キャプション】体を動かして行うチームワーク強化と動作確認(左)、ARでの測定により短時間で自分の動きを改善・レベルアップ

個々の内容とポイントは以下の通りです。

内容 コメント
アナログ+デジタル プログラム全体を分かりやすいステージに分ける(アナログとデジタル)。アナログで先に非日常体験をさせて、その後デジタルで今後の可能性を考えさせる
VR+リアル体験 リアルで経験をして、その次にVRでさらに試す(例:ジップラインとスパイダーマンゲーム)。これによって共通点、違い、可能性、今後のヒントに気付く
AR+人間の動き 人間ならではの身体の動きにAR評価をかけて、驚くべきスピードで成果を高める実体験をする。その後、人間とテクノロジーの新たな組み合わせを考える
AI+ヒューマン 人間とAIに同じ作業をさせてアウトプットを比較する(アイディア出しなど)。普段触れる機会のないAIツールをいろいろ試してみて、最後にAIを使い倒す経験をする
徹底したアウトプット 面白い体験で終わらないように毎日振り返りと報告をさせ、全体のカリキュラムが終わってからも、さらに詳しいプレゼンを発表させる

2. BEST 研修設計:新入社員〜3年目の研修効果向上の全体施策

研修の企画と設計が優れていて、やりっ放しにならず一貫性のある成果につながるラーニングジャーニーの事例です。

研修の成功ポイントは、講師ではなく研修の設計です。しかし、残念ながら研修設計の重要性はあまり理解されていません。

この数年、研修設計の優れている施策に何度も関わる機会がありました。今年実施した中から、研修設計が素晴らしく、かつ研修テーマが汎用的で参考になる事例を紹介します。

研修の背景

新入社員研修を強化しており、研修も定期的に行っています。新入社員だけではなく、2年目・3年目社員向けの研修も開催しています。さらに定着を強化したいと考えています。具体的には、研修内容と研修スタイルをより受講者主体の演習中心にしたいということです。

また、単発の研修だけではなく、点から線に一貫性のあるつながった育成施策にすることが目標でした。さらに言うと、研修以外の効果的な事前課題、事後フォロー、職場の巻き込みも目指しています。

研修プログラムの構成イメージ

画像:研修プログラムのイメージ

研修プログラムのポイント

研修内容の重点:主体性強化
研修内容として主体性の向上に重点を置きます。入社直後に「プロフェッショナルマインド」(基本)で主体性の重要性と成果・成長・説明の責任のテクニックを学びます。配属直前の「プロフェッショナルマインド応用」で配属後によくある問題と解決ヒントを考えてスムーズに立ち上げるようにします。2年目にさらに行動量を増やすために実行力強化研修を行います。自分だけではなくて周りを動かすこともできるように、相手が動きたくなる研修も入れます。

研修スタイル:主体性を発揮させる反転学習
講義中心の受身の研修ではなく、主体性を発揮させるためにインプット内容を事前に与えます(映像のマイクロラーニング)。研修内容をしっかり身につけるために、研修は演習中心にします。

研修形態:研修後のレビュー・振り返りと職場の巻き込み・職場実践までの一貫性
すべての研修を連携させて、定期的にレビューと振り返りを入れます。研修の前後に職場の巻き込みと職場実践を入れます。

定着フォロー:定着を強化するアクションプランと進捗確認の個別フォロー
定着を強化するために研修中に具体的なアクションプランを作ります。研修後にそれを職場で実践します。進捗を確認するために1年目は個別コーチングがあります。2年目に上司面談があります。

職場の巻き込み:メンターと上司へのサポート
各新入社員にメンターをつけて、メンタースキルを高めるために成長支援テクニックの研修を行います。各研修の内容ダイジェストとフォローポイントを事前に上司に配信します。2年目から各研修の前後に上司面談があります。

3. BEST 定着フォロー:交渉力強化研修

「分かる」だけではなく、実際のビジネスに使えるレベルまで習得させる、しっかりした定着フォローのある研修の事例です。

研修内容が職場での行動変容とビジネス成果につながるかどうかの勝負は定着フォローです。「定着は大事」とよく耳にしますが、世の中には単発でやりっ放しの、定着フォローのない育成施策が圧倒的に多くなっています。今年実施した中で、定着にこだわってフォローを良く行い、ビジネス成果につながる事例はこちらです。

研修の背景

エンジニア集団で技術力が強く、製品もとても良い会社です。ただ、古い業界でお客様との強い上下関係があるうえ、コストダウンのプレッシャーが非常に強く、そのシビアな状況の中で少しでも自社の優位性を保つためには、強い交渉力が必要です。

弱い立場のサプライヤーでも顧客に交渉する勇気を持ち、少しでも自社にとって有利となるような合意を導き出せるように、交渉力強化研修を行いました。特徴は、弱い立場でも使える、業界の関係の中でも役立つ、交渉のテクニックだけではなくてマインド向上にもつながることです。

研修プログラムの構成イメージ

画像:研修プログラムイメージ

個別プログラムの内容と受講者視点の成長イメージ

  基本編 応用編 実践編 定着編
内容 ネゴシエーションの基本
・キーワード
・分析
・提案
分析テクニック
・ヒアリングスキル
・情報整理のスキル
提案テクニック
自社のケースを使った演習
(ペアワークとロールプレイ)
講師と1対1のスピードロールプレイとフィードバック

成長イメージ
(受講者の視点)

「ネゴって悪くないし、学ぶことが多くて喧嘩でもつらい話でもない、これならできるかも」 「まだ難しいが、少しずつやることが分かってきた。もう少し練習すればいけるでしょう」 「なるほど。実際のビジネスではこんなふうに使うのか。自信がないが自分のベストを尽くそう」 「何回も繰り返すと自分のものになる。以前とぜんぜん違う。ネゴは難しくないし、できるかも」

研修のポイントは以下の通りです。

  • 力関係を考えたうえで役立つ内容にする(弱い立場からも使える内容にする)
  • ディベートのような長期的な関係を害する内容を入れない(Win-Winにする)
  • グループワークだけではなく、受講者一人ひとりの力を伸ばす工夫をする
  • 解決アイディアを出す具体的なテクニックを教えて、繰り返し演習させる
  • リアルタイムでヒアリングをする、ゆっくり考えてアイディアを提案する
  • さまざまな設定とケースで演習して、受講者が幅広くアイディアが出せるようにする

4. まとめ

2023年を振り返ると、優れた研修プログラムには共有点があります。それはブレンドラーニング(対面、リモート、オンデマンド研修の組み合わせ)と定着フォローのしっかりした研修設計です。
来年度に向けたプランニングの時期だと思いますが、是非良い研修設計と良い定着フォローを意識して、良い成果を出しましょう。

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