日本の人材育成担当者のスキルアップを応援

今すぐ改善したい人材育成の分野と段階別アドバイス

海外企業の人材育成担当者には世界中の数え切れない人材育成関連記事、ウェビナー、講座、カンファレンスの機会があります。内容は幅広くて、ニーズ分析からリモート研修講師スキル、マインド研修から効果測定まであります。しかし残念ながら、国内では人材育成担当者の学ぶ機会は限られています。

私は日本の人材育成レベルを上げるために9月1日に「人材育成担当者向けオンデマンド・ブートキャンプ」を立ち上げました。その研修を通じて、人材育成担当者の現状(業務範囲やニーズ)が把握できたため、改善が求められる分野と人材育成のステップごとのアドバイスをまとめました。ご自分の状況と比較してぜひ参考にしてください。

目次

  1. 人材育成担当者の業務範囲がとても広い
  2. 改善が求められる分野とポイント
  3. 人材育成の段階別アドバイス
  4. まとめ

1.人材育成担当者の業務範囲がとても広い

私の人材育成のキャリアは1993年に幕を開けました。当時の人材育成業界は、1日単位の対面集合研修の企画・運営・実施のみが業務範囲でした。しかし今では、ニーズ分析から研修効果測定に至るまでさまざまなステップが含まれています。多様なラーニングテクノロジーや、対面研修以外の形態、さらには研修以外の施策も増加しています。

一言で表すなら、人材育成担当者としての役割は以前に比べ大幅に拡大しており、明確な成果が求められる状況になっています。

今回立ち上げた人材育成ブートキャンプの受講者からのアンケートも、この変化を反省したものとなっています。

このデータから読み取れる主なポイントを以下に要約します。

  • 多くの担当者が研修の企画、設計、実施準備、実施と幅広い分野を担当している
  • どの分野でも、最少で45%の人々が関与している
  • 研修の企画から効果測定までは数カ月を要するため、多くの担当者が異なるステージの複数の研修プログラムを同時に管理しなければならない
  • 研修形態は、対面研修だけではなくて、リモート研修、ハイブリッド研修、オンデマンド研修も含まれている(図:研修の実施形態)

  • 今後、実施回数が増える見込みのある研修形態、特にハイブリッド研修とオンデマンド研修は、多くの担当者がまだ実施に慣れていないものの、これらは従来の対面研修より相当複雑である(図:今後実施回数が増える見込みのある研修実施形態)

結論として、人材育成担当者の業務範囲は拡大し、仕事内容も複雑化しています。したがって、担当者自身の育成とスキルアップが不可欠です。

2.改善が求められる分野とポイント

これは、人材育成担当者に聞いた、自分の伸ばしたい点やより詳しく知りたい点、改善したい点に関するデータです。

このデータを分析すると、次のような解釈ができます。

  • 実施準備と研修実施は日常業務で学ぶ機会が多いため、積極的に学びたい意識はそれほど強くない
  • 研修の企画と設計を学びたいと考える人が多いのは、実施準備と研修実施の段階で頻繁に問題に直面し、その前の段階で問題を改善・予防したいから
  • 関わる機会がそれほど多くない研修の定着フォローと効果測定を学びたい人が多いのは、経験不足からくる研修成果を出すプレッシャーを感じているためでしょう
  • 担当者を経験別で見ると、人材育成の経験年数が3年未満の人は研修の企画と設計のような基本を学びたいと考えています。一方で8年以上の経験のあるは、研修の定着フォローと効果測定の向上を希望しています

個人的な意見として、多くの人材育成担当者は日頃やっている研修の企画と実施準備について、まだまだ学ぶことが多いと感じています。例えば、実施準備について10年以上の経験を持つ受講者は次のように述べました。

「“知っている→できる→やっている”の“やっている”まで到達するには、現場で役立つ感覚が不可欠です。研修は行動変容のきっかけに過ぎず、受講者に“研修を受講した結果、こんな良いことがあった”と感じてもらわなければなりません。その点をこれまでも伝え続けてきましたが、理解されるのはなかなか難しいです」(記載内容を要約)

まとめとして、経験年数に関わらず、人材育成では常に学ぶべきことが多く存在します。ぜひ自分の強みを伸ばし、改善の余地がある分野について積極的に学びましょう。
次の章で、具体的なワンポイントアドバイスをお伝えします。

3. 人材育成の段階別アドバイス

各ステップは奥深く、どれも数冊の本が書けるほどの情報があります。ただし、人材育成ブートキャンプを受けている受講者に強く響いていた、深く刺さっていたワンポイントアドバイスと参考コラムをまとめるとこのようになります。

段階 成功ポイント 参考記事
研修の企画 ステークホルダーの期待に答えるために研修内容→職場の行動変容→求めるビジネス成果のつながりを明確にする https://at-jinji.jp/expertcolumn/440
研修設計 研修を演習中心にして、研修内容が受講者の記憶に残るようにする https://at-jinji.jp/expertcolumn/423
実施準備 上司と職場のメンバーを巻き込んで研修内容をどのように使うのか具体的な計画を立てる
研修実施 講師とプロデューサーの2人ペアで研修をスムーズに進行する

https://at-jinji.jp/expertcolumn/378
https://at-jinji.jp/expertcolumn/285

研修のフォロー   研修内容を忘れないように定期的なリマインダーを送る https://at-jinji.jp/expertcolumn/419
研修効果測定 成果が強く求められている研修に絞って小さい単位でスタートする https://at-jinji.jp/expertcolumn/359


人材育成の各ステップ以外に、日本で実施する代表的に研修ごとのアドバイスも確認しましょう。

研修 成功ポイント 参考記事
新入社員研修   配属後のメンターと指導員に成長支援のテクニックを教えて、フォローする https://at-jinji.jp/expertcolumn/435
若手社員研修 実行力研修で行動量を増やして、アセスメントツールを使って内的モチベーションを上げる https://at-jinji.jp/expertcolumn/401

次世代リーダー研修 

管理職研修と違って、将来的に求められる能力に重点を置く https://at-jinji.jp/expertcolumn/397
管理職研修 MBA的な知識ではなく、ヒューマンスキルを強調し、研修前後でチーム成果を出させる https://at-jinji.jp/expertcolumn/344
知識系の研修 大量の知識を吸収できるようにアレンジして、記憶に残るようリマインダーでフォローする

スキル系の研修 反転学習を採用し、研修を演習中心にして研修後にも定着できるように繰り返し反復練習をする
マインド系の研修 具体的な行動計画を立て、上司と外部コーチの個別サポートで安心させる https://at-jinji.jp/expertcolumn/449
グローバル系の研修 語学力や漠然とした異文化対応力より、外国人と英語でビジネスできるグローバル実践力に重点を置く https://at-jinji.jp/expertcolumn/394

4. まとめ

リモート研修やオンデマンド研修の定着、対面研修の復活、AIテクノロジの登場など研修にはさまざまな可能性が広がっています。しかし経営層の期待は、研修がビジネス成果に直結すること。受講者と所属部署の期待はもちろん、モチベーションを高め、現場ですぐに役に立つことです。

そのため、人材育成チームに求められるのは個々の要求に応えるだけの受け身の姿勢ではなく、 経営方針やビジネスKPIから先を見据え、先手を打つような人材育成施策を主体的に提案することです。そして新入社員から若手、次世代リーダー候補、管理職、さらにミドル・シニア層までの幅広い研修で、現場での具体的な効果を出すことです。

実現するためには人材育成担当者のスキルアップが必要不可欠です。ぜひこの記事をきっかけにして自分の人材育成の知識とスキルを高めましょう。

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