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マネジャー昇格3年目までに覚えたい“普段づかい”のマネジメント 第4回

年上の部下を持ったらどうする?

今回は、マネジャーとして悩ましい場面の多い、「年上のメンバー」について考えてみましょう。
皆さんのメンバーの中に、皆さんより年上のいわゆる「年上部下」はどれくらいいるでしょうか?

管理職研修の受講者の皆さんのお悩み事の中でも、この年上部下(シニアメンバー)に頭を悩ませている、という方は非常に多い印象です。

参考:
第3回 マネジャーとしていかに良いチームを作るか?
第2回 第2回 煩わしい目標設定をマネジメントに生かすには?
第1回 マネジャーになってからのこと、ふりかえってみませんか?

目次

  1. 年上シニアメンバーとの接し方がマネジメントの疑心暗鬼につながる場合も
  2. 年上シニアメンバーにパフォーマンスを発揮してもらうためのヒント
    【1】立場を明らかにする
    【2】距離を取らない
    【3】シニアメンバーの置かれた状況を知る
    【4】高い期待をかける
  3. まとめ

年上シニアメンバーとの接し方がマネジメントの疑心暗鬼につながる場合も

過去に自分の上司だった、もしくはメンバー時代にお世話になった方を部下に持っていて、どう接していいのか分かりません・・・という声を聞きます。

当然、仕事の経験が豊富な方が多いでしょうから、どちらかというと職場の中でも、新人や若手に時間を割いてマネジメントすることが当たり前になってしまいます。その結果、年上のシニアメンバーとはなんとなく接点が少なくなり、お互いにかしこまったやり取りになってしまう…ということが起きがちではないでしょうか?

そうなってしまうと、気づけば、なんだかお互いぎこちなくなり…「自分のマネジメントに不満があるのでは?」と勝手に疑心暗鬼になってしまったりします。
このような事態を避け、パフォーマンスを発揮してもらうために、いくつかのヒントをご紹介したいと思います。

年上シニアメンバーにパフォーマンスを発揮してもらうためのヒント

【1】立場を明らかにする

まず、しっかりとコミュニケーションしておきたいのは、お互いの立場を明らかにしておく、ということです。
マネジャーもあくまで「役割」にすぎませんので、上下関係ではありません。そのことを、マネジャー自身も、またメンバーも自覚しておく必要があり、できれば共通認識にしておくといいでしょう。例えば次のような伝え方をします。

「私は今、このグループのマネジャーという役割ですが、関係としては〇〇さんと対等ですし、ビジネスパーソンとしては〇〇さんを尊敬しています」
「ただし、マネジャーという役割を果たす以上は、お願いしたことを実行していただく必要はありますし、そうした権限と責任は自分に今あります」

当たり前のように思われるかもしれませんが、立場に関してマネジャーからすると言い出しにくいですし、シニアメンバーからも聞きにくいことです。
職業人としては尊敬しているが、この職場における意思決定者は自分である、ということがバランスよく伝わるようにします。
その上で、次のような期待を伝えておくのも有効です
「〇〇さんの経験・知見は大変頼りにしているので、私が出す方針や指示に違和感がある場合は遠慮なく、異なる意見を述べてほしい」

【2】距離を取らない

【1】のような共通認識を持ったうえで、しっかりと協力関係を築いて行きましょう。

シニアメンバーに対して、べったりとつかず離れずのやり取りをする必要はもちろんありません。相対的にマネジメントにかける時間は減るでしょう。

大事なのは「質」と「接点数」になります。
ミーティングにずっと同席するとか、顧客同行するような時間の使い方ではなく。1週間に1回15分程度「気になっていることはあるか?」と確認したり、立ち話程度の会話を重ねたりする、などです。

特に、【1】でご紹介した方針や指示に対しての建設的な意見はできるだけ早めに、また個別にマネジャーに対して表明してもらうことが望ましいです。理由としては、メンバー全員の前ではマネジャーに対して指摘しにくいことも個別であれば言ってもらいやすいですし、意見が取り入れられたとなれば、実行に際してもやる気をもって推進してもらうことができるためです。

では、なぜ、このようなマネジメントが望ましいのでしょうか?

シニアメンバーは、これまでの経験から自分の仕事のやり方が確立していることも多く、「創意工夫をして自由にやらせてほしい」と思うでしょう。
ですので、上述したような限られた接点を利用し、ポイントだけ押されば問題ないことが多いのです。
それにより、「信じて任せてくれている」という安心感を持ってもらうことができます。

【3】シニアメンバーの置かれた状況を知る

自分より、経験豊富なシニアメンバーの状況や心情を推し量ることはどうしても難しいところがあります。実際に自分もその年齢や立場になってみないと分からないことはたくさんあります。
また、過去の仕事経験についても意外と知っているようで知らないこともあります。

おススメは、徹底的に1時間ぐらいかけてインタビューしてみることです。
これまでにどんな仕事をしてきたのか(具体的に)、どんな仕事に楽しさや喜びを感じてきたのか? などを聞いていくことで、今後、どんな仕事を担ってもらうといいのかが見えてくることもあります。
ぜひ、若手のころの話も聞いてみて下さい。本人も忘れていたり、意識していないような得意分野が出てくるかもしれません。

また、仕事だけではなくプライベートの状況も話せる範囲で聞いてみましょう。
もちろん、シニアメンバーの方に「状況を分かってもらえている」という安心感を持ってもらうことや「興味を持っている」ことを示すためにも重要です。加えて、マネジャー自身の今後を考える上でも非常に重要なヒントであり、人生の先輩からの学びになります。

以下は参考までにポストオフされた方を対象にした調査の結果となります。
マネジャーといったポストについていた方を対象にしたものになりますので、シニアメンバーすべてに当てはまるわけではありませんが、参考になります。

▼ポストオフ者に対する、上司のマネジメント行動

▼上司のマネジメントスタイルと、適応感およびキャリア停滞感

出典:「ポストオフ・トランジションの促進要因-50~64歳のポストオフ経験者766名への実態調査」(株式会社リクルートマネジメントソリューションズ)

【4】高い期待をかける

そして最後に、重要なのが「高い期待をかける」ことです。
ともすれば、シニアメンバーにはバックアップ的な業務を割り当てがちです。マネジャーも「今から新たな挑戦をしてもらうのもな・・・」と遠慮してしまいがちではないでしょうか?
そうすると、どうしてもシニアメンバー側は「自分には成長は期待されていない」と感じてしまいます。仕事を通じて成長するのは何も若手社員だけではありません。もちろん全く新しいことへのチャレンジをしてもらうか? というと難しい側面はあるかもしれませんが、これまでの経験を生かした上でさらに幅広い仕事をしてもらうことも十分にあり得ることです。

ぜひ、一緒に成し遂げたいことがあるんだ、とストレートに伝えてみましょう。
実際に研修などで、マネジャーの方で、もう数年で定年というメンバーの方に「もう一花咲かせるとしたら何をやりたいですか?」とストレートに聞いてみたことで、「実は…これはやり残したと思っていて…」という話が出てきて、新たな仕事のテーマにつながった、というエピソードを聞かせてくれた方もいます。

まとめ

以上、4点のヒントをお伝えしてきました。

読んでいただいて、「理想はそうだけど…うちのシニアメンバーは…」という方もいらっしゃったかもしれません。難しい現実も多々あるでしょう。
しかし、このように期待を伝えられるのはマネジャーである皆さん以外にはいません。
そして、相手は人生の先輩。色んな事を経験してきているので、真摯に向き合えば、真摯に受け止めてくれます。
ぜひ、胸を借りるつもりで、いろいろと話をしてみてください。

>>>第5回 1on1で何を話している?

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