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対面の新入社員研修を予定もどうしても出てしまうリモート参加者の問題を解決

「何もないよりはまだ良いハイブリッド研修」の効果を高めるための工夫ポイント

来月、私が講師として登場する新入社員研修の9割が対面研修の予定です。しかし、全新入社員が毎日無事に対面で参加できるでしょうか。
今年に入ってから対面研修を多く担当してきましたが、体調不良、業務都合、濃厚接触、宿泊費・移動費の削減などの理由でどうしても毎回最低一人はリモート参加者がいました。企業によって研修参加者の人数と日数は違うものの、確率的に同じような状況が発生する可能性が非常に高いでしょう。

そこで今回は、理想的な研修スタイルではありませんが、対面研修の受講者とリモートの受講者が両方いる場合に、どのようにすれば研修効果を高められるのかをアドバイスします。

目次

  1. ハイブリッド研修の難しさを認めて、期待を下げる
  2. 工夫ポイントを実施する際に起きる問題と解決のヒント
    1. インプットのみ
    2. チームプレイ
    3. ナイスフォロー
    4. 並行実施
  3. まとめ

ハイブリッド研修の難しさを認めて、期待を下げる

一つの研修に対面受講者とリモート受講者が混ざっている研修スタイルはハイブリッド研修と呼ばれています。対面とリモートのいいとこ取りと思われがちですが、実際にやってみると、スムーズな進行も期待通りの成果をあげるのもかなり困難です。理由は、セッティングが大変、色々な設備が必要、進行が複雑、複数の関係者が必要など相当のリソースがかかるので基本的にお勧めしていません。(*参照)

*関連記事:「ハイブリッド研修のよくある問題と失敗しないための解決ヒント」

ここで言いたいのは、相当頑張らないとハイブリッドの研修効果は下がるということです。まずそれを認めましょう。その次に、完璧を求めず、研修を全く受けないよりは少しでも良い研修になるようできることを考えます。
そこで、「ちょっとしたハイブリッド研修」「何もないよりはまだ良いハイブリッド研修」にするための工夫ポイントが下記の4つです。

1~4の工夫ポイントを実施する際には、具体的にどのような問題が起きるのか、解決のヒントを交えもう少し詳しく解説していきます。

工夫ポイントを実施する際に起きる問題と解決のヒント

1. インプットのみ

イメージ:対面研修の講義をリモート受講者に配信するスタイルです。講師の近くにパソコンを置いて、講師の姿と投影するスライドを配信します。ただし、グループワークや演習がある時にリモート受講者のケアをしません。

適している研修:講師の解説と情報のインプットが中心で受講者のグループワークと演習がない研修

利点
+ セッティングが簡単
+ 研修中のフォローが不要
+ 複雑なオペレーションがない

よくある問題と解決ヒント:
(1) 講師のパソコンからリモート受講者に配信しようとすると、講師の対面研修に悪影響があったり、投影するスライドの映し間違いが起きたりします。
→パソコンを2台に分けます。講師は自分のスライド操作パソコンをプロジェクターにつなぐだけで、講義のリモート配信用にもう1台を準備します。

(2) 講師の姿と投影スライドの両方がパソコンのカメラで撮れるように、パソコンを講師から離す必要がありますが、そうするとパソコンのマイクで講師の声がうまく拾えません。
→外付けのマイクやカメラを使います。パソコンのカメラを使う場合は、スライドがよく見えるような位置に置き、外付けのマイクを講師の近くに置きます。その時に講師のパソコンのクリック音や他の雑音が大きく出ないように気を付けましょう。もしくは講師の声をパソコンのマイクで拾えるようにパソコンを講師の近くに置いて、外付けカメラを三脚に乗せて講師と投影スライドが見えるように設置すると良いでしょう。

2. チームプレイ

イメージ:リモート受講者が1-3人の場合にグループ内に対面受講者の一人の代わりにパソコンを置いてリモート受講者が参加するスタイルです。

適している研修:グループディスカッションと話し合いが多い研修

利点
+ リモート受講者が演習に参加できる
+ 複雑なセッティングが不要
+ 対面受講者とリモート受講者の一体感がある

よくある問題と解決ヒント
(1) 講義中にリモート受講者の雑音がパソコンから聞こえる、講師の声や対面受講者のディスカッションがリモート受講者にとって聞き取りづらいなどの音声問題が起きやすいです。
→リモート受講者は演習時以外、ミュートにします。ディスカッション時は、パソコンを声の小さい対面受講者の近くに置き、さらに対面受講者の全員の顔が映るように設定します。

(2) パソコンをグループの机の上に置くと講師の解説と投影スライドが見えません。
→準備と操作を簡単にするため講義配信用のパソコンは独立に用意します。そのセッティングは「1. インプットのみ」のパソコンと同じです。
→各チームでリモート受講者がディスカッションで参加するためのパソコンをそのチームの机の上に置きます。その時に受講者のパソコンを使うと準備も簡単だし、本人はパソコンに慣れているので操作がスムーズです。

3. ナイスフォロー

イメージ:リモート受講者が4-9人の場合に各演習をリモートで行いましょう。そのため、講師の解説が終わったら対面研修会場にいるアシスタントがリモート受講者の演習進行を行います。

適している研修:リモート受講者が1-2チームを組める人数がいて、色々な演習がある研修

利点
+ 対面の受講者とリモートの受講者のそれぞれは無理なく研修が受けられる
+ リモート受講者は演習の時間も有効活用できる
+ リモート受講者は演習を通じた効果を少しでも得られる
+ 対面受講者の負担がない
+ 講師料を2人分払わなくても良い

よくある問題と解決ヒント
(1)アサインされたアシスタントが演習の進行をうまくできない
→事前に講師とアシスタントと人材育成担当者が打ち合わせをして、各演習の指示・時間・求めるアウトプットを念入りに把握して準備をしましょう。

(2) リモート受講者の演習時間が足りない
→対面研修の進行スピードに合わせられるよう、アシスタントがリモート受講者のチームに入って進行をサポートしたり、リモート参加者側の演習内容を簡単にすることが有効です。例えば、対面受講者が話し合って議論をホワイトボードでまとめる演習の場合に、リモート受講者の演習を簡単なディスカッションに変更するやり方です。
大切なのは、リモート受講者の参加ハードルを低くして、余裕を持って参加できるようにすることです。

4. 並行実施

イメージ:リモート受講者が10人以上の場合に研修を分けて対面クラスとリモートクラスを別々にしましょう。

適している研修:色々なバリエーションの演習がある研修

利点
+ 対面研修もリモート研修も充実していて研修効果が高い
+ 受講者にとってやりやすくて研修に集中できる
+ 複雑なセッティングやオペレーションがない

よくある問題と解決ヒント
(1) 研修実施直前にリモート研修の開催を決めると準備が間に合わない
→受講者30人以上の場合2クラスに分ける場合があることを事前に関係者に告知しましょう。事前に準備することは複数講師の手配と受講環境です。最低でもその2つが揃えば、それ以外を直前でも対応できるはずです。
ちなみに私がこの形式で研修を請け負う際は、受講者30人に対し講師1名をアサインします。これが受講者50人なら講師を2人アサインしますが、事前に把握できれば大人数の対面研修(50人@1会場)、2つの対面研修(25人 x 2会場)、対面研修1つとリモート研修1つのどれも対応可能です。

まとめ

ハイブリッド研修は難しくて、セッティングが大変で、多くの場合うまくゆきません。そのため、ハイブリッド研修は基本的にお勧めしていません。ただし、どうしても対面とリモート受講者が両方いる場合には、今回ご説明したコツを使ってあまり苦労せず少しでも良い成果をあげられるようなハイブリッド研修を目指しましょう。

参考記事:*本格的なハイブリッド研修を挑戦する場合に役立つコラム
「ハイブリッド研修のよくある問題と失敗しないための解決ヒント」

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