フリーランス人材をスムーズに活用するポイント
自社に最適なフリーランス人材の雇用形態と責任範囲の決め方
フリーランス人材を活用する際、契約形態の選択は非常に重要です。トラブルを避けるために、先を見据えて責任範囲を明確にし適切な契約形態を選ぶ必要があります。
またフリーランス人材や専門性の高い人材の確保が激化する中で、会社として柔軟な契約形態で備える必要があります。
本記事では、企業はどのようにフリーランス人材を活用するのが最適であるのか解説していきます。
目次
フリーランス人材をスムーズに活用する契約時のポイント
人材獲得競争が過熱していく時代の中で、企業が専門性の高い人材の確保に向けて、柔軟な契約形態に対応するのは今後企業として必須になると考えます。常にアップデートされる労務関係の法改定や派遣法の知識を身に付け、情報を整えて対処することが求められるでしょう。
業務委託か雇用契約の2種類から適切な契約形態を選ぶ
まず、業務委託と雇用契約(契約社員や派遣社員など)の2種類のどちらを選択するかという論点があります。短期契約という意味では一緒ですが、現場での指示の仕方によっては使用従属性*があるとみなされ、業務委託契約では不適切になってしまう可能性があります。契約前にどちらを選択すべきかを整理しておく必要があります。
また契約形態を選択する際、雇用する側が前提として知っておかなければならないことがあります。それはフリーランスの方の認識として、業務委託が一般的であり、雇用契約と業務委託との違いを認識されていない方が多いということです。雇用する側は、契約時にこの違いを丁寧に説明しないとトラブルになる可能性が高くなります。
*使用従属性:労働基準法における労働者に該当するためには、①使用者の指揮監督下で労働の提供をし、②労務の対償を支払われる者である必要があります(使用従属性)。
業務委託では準委任契約が一般的
初めに業務委託についてですが、業務委託契約は、「委任」「準委任」「請負」の大きく3種類に分かれていますが、フリーランスとの契約は準委任契約が一般的です。
準委任契約とは、特定の業務を遂行することを定めた契約のことで、特定の業務の遂行を目的に締結されます。準委任契約の場合、業務の内容や成果物に対して完成の義務は負いません。そのため、結果または成果物に不備があったとしても、修正や保証を求められないという事となります。業務に法律行為がある場合は委任契約であり、業務が法律行為以外であれば準委任契約となります。また、請負契約という成果物責任を負うという契約形態もありますが、フリーランスが個人で責任を負わなければならないため、請負契約はリスクが大きくあまり好まれないのが実情です。
準委任契約は責任範囲を明確に
トラブルを避けるために、契約時と成果物を提出する際に責任範囲を明確にしておく必要があります。業務内容の範囲を可能な限り詳細に記載し、精算の幅を設けます。
よくあるトラブルとして、契約時間外に労働した際の未払いの問題の例が挙げられますが、詳細に記すことで事前にトラブルを回避できます。それらを記載する書類は、秘密保持契約書と基本契約書(損害賠償など、責任の範囲が明記されていない場合があるので注意が必要)、個別契約書(案件ごとの契約書、精算範囲設定)もしくは注文書(案件ごとの契約書、精算範囲設定と呼ばれる書類)というものがあります。
雇用契約では契約社員または派遣契約を活用
次に雇用契約についてですが、短期での契約になるために契約社員、または派遣社員として契約することが一般的です。自社で直接契約する場合は、契約社員として、依頼する期間に合わせて数ヶ月単位で契約更新していく形になります。
契約社員という形態が難しい会社は、派遣会社に間に入ってもらい、フリーランスの方が派遣会社と雇用契約、もしくは派遣会社と自社で派遣契約を締結する形になります。
いずれにしても、労働者として扱われるため、フリーランスの方は業務を実施するにあたり、自社の現場から柔軟に指揮命令を行うことが可能になります。
契約社員および派遣契約はより丁寧な対応が必要
フリーランスの方は業務委託が一般的であるため、業務委託契約との違いを丁寧に説明する必要があります。
一番大きな違いは、派遣契約は雇用保険、社会保険に加入する必要があることです。この点に関して、フリーランスで働くコンサルタントが認識していない場合が多く、確定申告後の最終的な収入は変わらないのですが、業務委託の場合と比べると月々の手取額が少なくなるため、フリーランスの方とトラブルになる可能性があります。
また、雇用主である会社のリスクとしては、準委任契約よりも業務遂行に対する責任がなくなる点、雇用契約で契約解除は業務委託よりもハードルが高くなる点で、フリーランスの方が期待したパフォーマンスを発揮しなかった場合のリスクが大きい契約になります。そのため、雇用契約では少しでもリスクを軽減するために、契約期間を可能な限り短期で刻むことが重要になってきます。
最後に:人材獲得競争が過熱していく時代に向けて
会社として専門性の高い人材の確保に向けて、柔軟な契約形態に対応するのは今後人事として必須となるかと思いますので、常にアップデートされる労務関係の法改定や派遣法の知識を身に付けて情報を整えておき対処するべきと考えます。
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