高品質な教材開発・研修運営の効率向上・受講者の満足度向上に直結

これが面白い! すぐ役立つラーニングテクノロジー

毎年さまざまなITベースのラーニングテクノロジー、アプリ、サービスが出てきます。いずれも最初は大きな話題になりますが、しばらくすると忘れられてしまうものも少なくありません。しかしその中には人材育成に大きな影響を与えるものが含まれています。
共通キーワードは高品質な教材開発の迅速化/コスト削減・研修運営の効率向上・受講者の満足度向上です。

今回のコラムでは、イメージしやすい代表的なツールを挙げながら、人材育成に大きいインパクトを与え、成果につながる可能性の高いラーニングテクノロジーを紹介します。

目次

  1. 代表的なツールとそれぞれのポイントを知る
  2. 6つのカテゴリーごとの解説とイメージを知るためのツールの紹介
    1)AIアバター講師による高い品質の解説ビデオを数分で作成するAIビデオ作成ツール
    2)集中力アップ、時間短縮、ニーズ把握を可能にするインタラクティブ・ビデオ
    3)解説を超えた実践的なシミュレーションと体験を可能にするVR
    4)大人数でも細かい個別フィードバックを返してくれるAIシミュレーション
    5)受講者/運営側両方に負担のない個別定着フォローを実現するチャットボット
    6)複雑なラーニングジャーニーのスムーズな運営を可能にする専用プラットフォーム
  3. クロージング

代表的なツールとそれぞれのポイントを知る

代表的なツールとそれぞれのポイントをまとめました。

今回紹介しているツールはあくまでイメージを分かりやすく伝えるものをピックアップしていますので、実際にツールを選ぶ際は、自社の課題や人材育成担当者のリソース状況などを考慮して選ぶことをお勧めします。

6つのカテゴリーごとの解説とイメージを知るためのツールの紹介

1)AIアバター講師による高い品質の解説ビデオを数分で作成するAIビデオ作成ツール

課題:最近、知識研修の定番は数分程度の短いビデオやオンデマンドマイクロラーニングになってきています。受講者にとって必要な情報を必要なときに映像でアクセスできるのはとても便利ですが、提供する人材育成チームにとっては次に挙げるような高いハードルを乗り越えなければなりません。

  • 高レベルの映像を撮影するための機材が必要(スタジオ、カメラ、マイク、照明など)
  • 講師に高いレベルの発表スキルが求められる(特に社内講師には条件を満たさない人が多い)
  • 時間がかかる(企画、撮影、編集)
  • 変更や更新が必要な場合に撮り直す必要がある(そのたびに機材・人材・時間が必要)

対策:人間ではなくAIのアバターが登場して解説するビデオだと文字原稿があれば数分でオンデマンド映像が出来上がります。ツールにもよりますが、出来上がりは実際の講師映像よりはるかに良い場合が多いです。トライアル結果で細かい内容の変更と更新がある場合に特に便利です。

コメント:日本語でのAIオンデマンドツールはまだ少ないですが、欧米では一流企業の多くが導入して成功していますので、この1-2年以内にグローバルレベルになると予想しています。経営者やカリスマ講師の映像と声を使ってオリジナルアバターを作ることも可能ですが、受講者の知っている人のアバターを使う場合には良し悪しがあります。
良いポイントは親近感があって、受講者が内容に集中できることです。一方、アバターだとどうしても実際の人間とちょっと違うのでその微妙な差が気になるケースもあります。お勧めはアニメのキャラクターのような明らかに人間ではないがわかりやすい位置付けにすることです。

参考ツール:AI ビデオ作成プラットフォーム「 Synthesia(シンセシア)」

※矢印とコメントは分かりやすく伝えるための説明です。以下のツール解説も同じ。

2)集中力アップ、時間短縮、ニーズ把握を可能にするインタラクティブ・ビデオ

課題:スマホで学習することが多くなってきてから文字ベースの教材より映像が人気になってきました。ただ、単なる映像の弱点は受身的で受講者の集中力がもたないし、すでに知っている内容を延々と見ることが時間の無駄と感じる受講者が多いことです。

対策:インタラクティブ・ビデオというのは映像を見ながら受講者がストーリー展開を決めるスタイルです。詳しく言うと内容的に枝葉が色々あって、数分ごとに受講者が選択肢から次の内容を選んで進めることです。この利点は

  • 受講者がより積極的に関わるので集中力が高まる
  • 正解を選択することによってすでに知っている内容を飛ばすことができる
  • 内容が自然と受講者の個別ニーズに合わせられる
  • 学習時間が短くなる(ケースが多い)
  • 受講者の動きを分析することによって受講者の細かいニーズがわかる

コメント:インタラクティブ・ビデオという名前を聞いたときに素晴らしい映像を作らないといけないように思ってしまう人が少なくありませんが、ここの勝負ポイントはビデオではなくてシナリオ作成です。極論を言えばシナリオがよく考えられていれば、ありがちな棒読みのパワーポイントスライドの退屈なビデオでも十分使えます。
良いシナリオやストーリー展開を考えるためにこのキーになる数字を参考にしてください。

全体の長さ:10分未満
選択肢までの時間:2分未満
選択肢の適切な数:3-4択
枝葉やストーリー展開のバリエーション:5つまで

参考ツール:インタラクティブ・ビデオ作成プラットフォーム 「Adventr(アドベンチャー)」

3)解説を超えた実践的なシミュレーションと体験を可能にするVR

課題:新しいスキルとコンピテンシーを身につけるためには、実際のビジネス環境に近い実践的な繰り返し訓練が必要です。しかし多くの研修はインプットと解説中心で、実践演習が極めて少ないです。主な原因は全受講者に十分な練習する機会を与えるために膨大なリソース(練習できる環境、練習する時間、個別フィードバックできる講師など)が用意できないからです。

対策:VRだとそのリソースの問題が一瞬で解消できます。ヘッドセットとソフトさえあれば…

  • 練習できる環境はいくらでも用意できる
  • 何回繰り返して練習しても問題ない(できるまで繰り返すことができる)
  • 実際のビジネス場面に近い体験ができる
  • 細かい個別フィードバックが即もらえる
  • 受講者の能力と成長が把握できる

一言で言うとVRを使うと受講者一人一人がスキル習得するために必要な訓練をさせることができるし、「わかる」だけではなくて「できる」ところにもっていけることが最大のメリットです。

コメント:VRの第一歩として、市販ソフトのトライがお勧めで、分野は語学研修とプレゼンテーションスキルが最適です。VRを取り組むときの効果的なポイントは

  • 大切かつ実際に再現しにくい場面を優先する
  • 受講者が慣れるまで講師による対面研修と組み合わせる
  • VRで達成したいスキルを発揮できるようになるまで研修を終了しない

進め方のイメージは、VRトライ(スタートラインの設定)→ 講師によるインプット → VRで練習 → 講師からのフィードバック → スキルを発揮できるまで繰り返す → 終了
これにより講義を聴いたら研修終了というインプット中心から脱却して、スキルを発揮できたら研修終了というアウトプット中心にシフトできます。

参考ツール:AI x VR ビジネス英会話 「Smart Tutor(スマートチューター)」

4)大人数でも細かい個別フィードバックを返してくれるAIシミュレーション

課題:子供と違ってビジネスパーソンはゼロから始まらなくて最初からある程度知識があります。知らないことをいちいち教えるより、思っていることが正しいかどうかのフィードバックが大切です。またスキル習得でわかったことがうまくできるためには個別フィードバックが欠かせません。従来、適切なフィードバックをもらうためにはその分野の専門家が必要ですが、困ったことにその専門家が限られているし、忙しいし、高いし…結果的に鋭いフィードバックを受講者全員に返すことが難しいというのが実情でした。

対策:AIツールがフィードバックをすると、専門家が必要じゃなくなり一気に可能性が広がります。例えば、

  • 受講者がいくら練習しても毎回フィードバックがもらえる
  • 何千人が同時に練習しても全員が個別フィードバックをもらえる
  • いつ練習をしてもフィードバックがもらえる

すでに説明したVRと同じようにAIフィードバックによって、インプットと解説中心の研修から脱却してスキル習得にシフトが可能になります。こうしてインプット中心からアウトプット中心に変わったら研修の効果が劇的に上がります。

コメント:現時点でAIによる測定は専門家より精度が低く測れることが限定されており、AIが得意なのは測り易い定量的に測るスキルの範囲。逆に言うと「成果」やベストプラクティスが決まっているスキルに対してAIは専門家以上にわかりやすいフィードバックを返すことができます。
AIフィードバックを最初に取り組むときにスムーズな流れは、
講師のインプット → 練習とAIフィードバック → 専門家の最終チェック

参考ツール:ビデオベースの練習/コーチングプラットフォーム「Rehearsal(リハーサル)」

5)受講者/運営側両方に負担のない個別定着フォローを実現するチャットボット

課題:どんなに素晴らしい研修を受けても、定着フォローがないと職場で成果につなげることは難しい。残念なことに多くの研修が定着フォローを十分にできずやりっぱなしです。その理由は定着の手間で、時間、エネルギー、予算がかかるからです。講師から受講者一人一人に電話する個別コーチングが理想ですがリソースが必要です。だからといって研修1カ月後のフォローを受講者への一斉メールで済ませてしまうのは、手間はかからないものの、受講者にとってはモチベーションが上がらないし、手を抜いている感が伝わってしまいます。

対策:チャットボットは講師からの手厚い個別対応と、大量生産の自動フォローメールのちょうど間の位置付けです。次のようなメリットがあります。

  • 運営が楽(負担がメール作成とほぼ同じ)
  • 受講者にとって対応しやすい(テキストメッセージの軽いやりとりが気軽)
  • 得られる統一した質問に対する文字情報が分析しやすい

コメント:チャットボットが一番適している定着フォローの役割はアクションプランの進捗状況の確認です。次のような単純な質問(Q.)ならチャットボットに置き換えても十分対応できます。
Q.何に取り組んできましたか? → うまくいっていることは何ですか? 
Q.どのような課題や障害があって、どう乗り越えますか? → 次にやることは何ですか?

チャットボットを導入するには次の条件をクリアすると大体うまくいきます。

  • シリーズ研修
  • 具体的なアクションプランがある
  • 受講者のモチベーションが高い

参考ツール::チャットボットプラットフォーム 「MobileCoach(モバイルコーチ)」

6)複雑なラーニングジャーニーのスムーズな運営を可能にする専用プラットフォーム

課題:数年前から効果的な研修プログラムのほとんどがブレンドラーニングのシリーズ研修に移行しています。その研修の中にはさまざまな要素が含まれています。例えば、オンデマンド映像、事前課題、リモート研修、上司の巻き込み、職場実施、アセスメント、個別コーチング、課題図書 など。このようなラーニングジャーニーは非常に効果的ですが、構成が複雑になってしまうため、運営が大変で受講者にとってもわかりにくくなることもあります。
また、ジャーニーで成果を出すために重要な受講者同士のオンラインコメントを、普段仕事で使っているチームズやスラックなどで行うと研修と仕事と混在して互いにノイズになります。

対策:専用プラットフォームを使うと複雑なジャーニーでも企画も運営もかなり楽になります。
特に大切なポイントは、

  • 色々な施策や教材を1つにまとめられ、わかりやすい流れにできる
  • 受講者が迷子にならない
  • 運営がスムーズで進捗管理が簡単
  • 受講者同士のオンラインコメントを仕事のツールと分離できる

コメント:研修関連の資材保管だけならデータベースやLMS(学習管理システム)で十分ですが、複雑なジャーニーだと受講者は常に全体の流れがどうなっているか?今自分はどこにいるか?がわからなくて混乱します。ですからジャーニー専用のツールを使うことを強くお勧めします。

ブレンドラーニングジャーニーの成功ポイントは研修内容と受講者の仕事をつなげること。そのために事前学習があったら「今の内容は自分の仕事でどう役立つか」や「この内容をどの仕事の場面で活かせそうか」を投稿させて、その内容を研修に触れさせると研修効果が高まります。
お勧めするパターンは、

  • オンライン自己紹介:講師のビデオを見て、受講者は簡単な文字を入力する
  • 事前オンデマンド映像:基本を事前に伝えて、研修でいきなり演習に入るようにする
  • リモート研修:インプットを事前に行ったから演習中心にする
  • アクションプラン:研修内容を仕事でどう役立つかを具体的に提示させる
  • 研修後の進捗確認:1カ月後にアクションプランの進捗について聞く
  • ベストプラクティス共有:受講者の現場でのサクセスストーリーをまとめて全受講者に共有する

参考ツール:ラーニングジャーニー専用プラットフォーム「PROMOTE(プロモート)」

クロージング

毎年さまざまなソフト、アプリ、ツールが発売されます。中には面白いものもあるし、長く重宝できるものもあります。でも大切なポイントは職場で実践して研修の効果を劇的に上げることです。今回全てではありませんが、すぐ簡単に試しやすく効果がでるツールを紹介しました。

最終的に自社の課題や人材育成担当者のリソース状況などを考慮しながら、最適なツールを選ぶためにも、是非チャレンジしてみて、良い成果につなげてください。

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