第11回 HR EXPO (人事労務・教育・採用)[秋]第11回 HR EXPO (人事労務・教育・採用)[秋]

従来の管理職研修が次世代リーダー育成になぜ不向きなのか?

変化の時代に強いマネージャーを育成するための研修メソッド

多くの人材育成担当者にとって、下期のメインイベントは階層別研修であり、その中で次世代リーダー育成が大切なテーマの一つです。なぜならこの3年間のグローバルなビジネス環境やIT基盤の激変がビジネススタイルを大きく変えて、現役マネージャーの負荷が高まるばかりだからです。そして今の管理職(現役マネージャー)に代わって3年先の近未来で新しい変化を牽引できる次世代リーダー候補の育成の重要性がいよいよ高まっています。
*国内外の調査を見ても次世代リーダー育成は重要課題です。例えば https://at-jinji.jp/blog/40110/ をご覧ください。

そこで一つ気になることがあります。それは現在多くの企業で実施されている次世代リーダー育成研修の詳細を見ると、従来の新任管理職研修とあまり変わらないケースが多くなっていることです。しかしよく考えてみると、現役のマネジメントをしている管理職と今後のためにマネジメントを学ぶリーダー候補の研修ニーズは大きく異なるし、そのために適切な人材育成施策も変えないとダメです。
今後の激しい変化の時代に強いマネージャーを育てるためには、まず、適切な次世代リーダー研修から始める必要があります。

目次

  1. 管理職(現役マネージャー)と次世代リーダー候補の違い
  2. 次世代リーダー候補に適切な研修内容
  3. 次世代リーダー候補に適切な職場実施
  4. 次世代リーダー候補に適切な期待効果
  5. まとめ

1.管理職(現役マネージャー)と次世代リーダー候補の違い

人材育成の観点で考えると現役マネージャーと次世代リーダーの大きい違いがこの6つです。

管理職(現役マネージャー)

例えばメーカーの管理職を例にとってみると、マーケティング/営業/技術/製造/エンジニアリング/カスタマサービスなどの既存の組織に配置されています。

多くは自分の得意の領域で、一緒に仕事をしてきた仲間を中心に、従来の戦略をベースに、共有する暗黙知を生かし、目標を効率的に実現することが求められます。新しく入ってきたメンバーの育成も、先輩が主体で進められます。
自らは目標ブレークダウン、役割分担決定、進捗状況管理、上位組織報告というPDCAに注力できます。また想定外の事象にはベテランのプレーヤーとしてメンバーを指導することも容易です。これが管理職の典型的イメージです。

次世代マネージャー

これに対して次世代マネージャーに期待されるスキルではどうでしょうか?

まず重要なのは相談する先輩のいない立場だということです。そのうえで新しい事業目標や開発アイデムを目標に、異なる暗黙知を持つ組織から集められたエキスパートの集団を率いて、知的創造やイノベーションを成し遂げ、事業戦略を創造することが求められます。

そのためにはオーナーである経営者や上司とのコミュニケーションを絶やさず進めることが必須なうえ、成果を出すのに時間がかかることも多いため、メンバーのモチベーションを維持しながら進める必要があります。そうして、目的や期待効果を明確にしたリーダーシップや卓越したヒューマンスキル、そして最新のITを活用したコミュニケーションを磨いていくのです。
例えば遠隔地のメンバーとのコミュニケーションを保つディジタルフィードバックや心を結びつけるコーチングはその代表格です。

2.次世代リーダー候補に適切な研修内容

次世代リーダーは部下がいないため、マネジメントのイメージがあまりはっきりしていないケースが多いです。さらに言うとマネージャーになる時の職場環境が今の職場環境と異なります。そのために受講者が想像できるマネジメントのイメージを与えることと将来的に求められる能力の強化に重点を置きましょう。

マネジメントの具体的なイメージを持たせるためには、シミュレーション研修とロールプレイ中心のアセスメントが有効です。従来のマネジメントシミュレーションを言うとインバスケット演習が代表的ですが、IT活用によってよりダイナミックになります。
例えば、メール中心のインボックス演習はわかりやすい上に受講者の判断能力と優先順位の付け方を試すために効果的ですし、ヒューマンスキルならVRやインタラクティヴビデオがお薦め。さらに現実性とインパクトを高めるために一部の演習に講師や診断者を入れると最高です。

どのツールを使っても大切なポイントは受講者にとって想像しやすいイメージを与える、実際の職場に近い内容、個人別の細かいフィードバックです。(デジタルの一番の特長は具体的な細かい個別フィードバックがしやくなることです)
参考:今後期待できる可能性の高いトレンド 

インボックス演習のイメージ

【画像】セッション「Capsim Management Simulations」ATD ICE2022より

もう一つ、研修内容を考えるうえで重要な観点は、今後求められる能力の強化を重視することです。業界や企業によって求められるスキルは少し異なりますが、社会的なメガトレンドを考えると、今後共通して必要な能力はハイブリッドワーク環境の中で多様なチームメンバーとデジタルツールを使ってイノベーションを起こすことです。能力とワンポイントアドバイスを図にまとめてみました。

参考:今の管理職研修は本当に大丈夫か? よくある落とし穴と解決のヒント

3.次世代リーダー候補に適切な職場実施

マネジメント研修のベストプラクティスの一つはアクションラーニングです。各研修で習ったことをすぐ職場で実践し、自分のコンピテンシーを高めて研修期間中にすぐ成果を出してもらいます。残念ながら、次世代リーダー候補はまだ部下がいないため、普段の業務の中で自然に練習する機会がないです。
そのため、意図的に研修内容を活かせる機会を作れるよう受講者の上司を巻き込む必要があります。人材育成担当者が所属先の上司を上手に巻き込んで、次世代リーダー育成に貢献してもらうポイントを研修前、研修期間中、研修後のタイミングごとにまとめました。

研修内容を今の仕事で活かすために外部コーチも役立ちます。職場の上司と違ってコーチは作業の割り振りや業務内容の調整はできないものの、プランニングのために大きく活躍できます。たとえばこのような関わり方が考えられます。

次世代リーダー候補に適切な期待効果

現役のマネージャーの場合に期待する研修効果は職場でのビジネス成果です。一方、次世代リーダー候補の場合に成功ポイントは今後大切になるプロジェクトに対する専門性とマネジメント力の維持です。
具体的に言うと現役マネージャーの研修の場合によくある研修効果測定の方法は:
・最初に実行計画を決める
・研修期間中に職場で実施する
・研修の最後に経営者に向けて実施内容と得られた成果を発表する
・さらに長期的な成果を図りたい場合に数ヶ月後にアンケートでフォローする

参考:研修効果測定の基本の3ステップ

上記に書いたとおり、次世代リーダー候補は部下がいないので短期的な大きいビジネス成果が期待できません。その代わりに活動内容が大切です。今後の大切な経営テーマに関連するプロジェクトに入れましょう。(DX、イノベーション、グローバル展開、ハイブリッドマネジメントなど)

評価ポイントはそのプロジェクトの中で受講者はどのぐらい成長しているか、プロジェクトがどのぐらいスムーズに展開させているかです。成果発表のようなプレゼンテーションをさせる場合には、自分が担当しているプロジェクトが今後会社にどのような影響を与えるか、うまくリードするために何が大切か、自分は何をするか、あたりを意識して発表させるのが良いでしょう。

▼成果発表の内容イメージ
【画像】IDEA DEVELOPMENT株式会社の「実践マネジメント研修」より

最後に一つ大事なポイントはせっかく研修で身についた能力をマネージャーになる前に忘れないことです。解決方法として、代表的な知識とスキルを維持するテクニックを紹介します。

まとめ

変化の激しい環境を牽引していくためには、優秀なマネージャーが必要不可欠で、そのためにはまず、効果的な次世代リーダー育成が必要です。育成を考える時には、現役の管理職と今後の次世代リーダーの違いをわかった上に適切な研修内容、職場実施、期待効果を考えましょう。

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アイディア社
IDEA DEVELOPMENT株式会社
https://ide-development.com/

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