2030年まで通用するグローバル人材を育成できていますか?

大きく変わったグローバル人材のニーズと新たな育成方法

1990年代から、日本でグローバル系研修のニーズが高まりはじめました。しかし、そのブームをきっかけに日本企業が世界で通用するグローバル人材を次々に排出したとは言えません。どのようにその“波”をくぐり抜けてきたのかを振り返ってみます。

・90年代:前半は英会話がメイン。後半はTOEICにシフト。
・00年~リーマン:一部のニーズの高い企業が実践的な研修を実施
リーマン後~2015年:グローバル人材ブーム。「英語で◯◯」のような一石二鳥研修や海外研修が一気に増える。
・2015年~現在:グローバルはクールダウン。働き方改革/リモートワークにシフト。

波に乗るどころか、グローバル研修は現在ホットトピックではなくなってしまい、力を入れている企業も少なく、斬新な研修企画も見当たりません。これでいいのでしょうか?

そこで「グローバル人材育成やグローバル実践力の見直し」を提案したいです。
理由は経営者にとってグローバルは依然として極めて重要なだけでなく、グローバル人材のニーズは変化し、さらに新しいツールがたくさん出てきたからです。グローバルビジネス環境やニーズ、人材育成の手段など一つずつ細かく見ていきましょう。

関連記事:世界最大の国際大会ATD ICE に「対面で3年ぶり」に参加して掴んだ グローバルで「重要で実用的で日本にも合う」人材育成のトレンド

目次

  1. 人材育成の置かれた立場 NEWグローバルビジネス環境
  2. 何が重要? NEWグローバル人材のニーズ
  3. どうすれば良い? NEWグローバル人材育成の手段
  4. まとめ

1.人材育成の置かれた立場 NEWグローバルビジネス環境

「JBIC(国際協力銀行)最新調査結果(詳細 表1)によれば 海外でのビジネス現状は
FY20実績見込 海外売上高比率36.5% 海外生産高比率33.2% 
FY23中期目標 海外生産高比率34.6%
と引き続き上昇傾向


【図】「わが国製造業企業の海外事業展開に関する調査報告 ー2021年度 海外直接投資アンケート結果(第33 回)株式会社国際協力銀行 企画部門 調査部」をもとに作成

個別企業状況は少し古いですが東洋経済「会社四季報」(2017年)では下記の通り

電子部品:村田製作所/TDK, 90%以上 ローム/京セラ60%以上
精密機械部品:日本電産 80%以上
ガラス:日本電気硝子 80%以上 日本板硝子/AGC 70%以上
化学:クラレ/住友化学/日立化成/ユニチャーム 60%以上
   富士フィルム/資生堂/東レ 50%以上
   花王/東洋紡/ライオン 国内家庭用品があるので40%未満
産業用電機:安川電機 70%以上 横河電機/堀場製作所/オムロン 60%以上
      キーエンス 国内盤石/超高収益だが海外へ進出で50%までアップ
電機/情報:ソニー 70%以上 パナソニック/日立 50%以上
     三菱/東芝 40%以上 富士通/NEC 40%未満
住宅関連:ダイキン 70%以上 国内大手 LIXIL/TOTO 30%未満
食品:キッコーマン60%以上(売上16位) ヤクルト40%以上
   大手ビール キリン/アサヒ/ 30%以上
    日清食品/カゴメ/東洋水産/日清製粉/サッポロ 15%以上
   明治/森永/江崎グリコ/ニチレイ/日本ハム/伊藤ハム 15%未満 

 参考までに国内の半導体工場が減少し、市場が海外に移動した業界ではこうです

 半導体装置 東京エレクトロン(売上世界4位)88%(決算短信より試算) 

コロナは中期計画にさまざまな影響を与えましたが海外先進企業は盤石です。
東京エレクトロン:2年前倒しで達成/新中期計画は売上50%増で3兆円/利益1兆円
ユニチャーム :長期計画2030年 売上1.4兆円/海外比率70%/利益17%
キッコーマン :大幅減少で次期中計延期したが海外が国内をカバー海外比率69%

2.何が重要? NEWグローバル人材のニーズ

大きく4つの観点でニーズが大きく変わってきています。

  • Virtual everything(とにかくリモート)
  • Write>Speak(スピーキングよりライティングの力が大切)
  • Culture is king(異文化対応が極めて重要)
  • Innovation and speed(イノベーションとスピード重視)

具体例を交えながら詳しく見ていきます。

●Virtual everything(とにかくリモート)

だいぶ前からグローバルビジネスではリモートやバーチャルが大切なポイントでした。
一般的にグローバルビジネスと言えば海外赴任と海外出張のイメージが強かったと思いますが、日常のビジネス業務はメール、SNS、ビデオ会議、電話会議のようにリモート中心でした。変化したのは海外出張のような対面が消滅し、リモートのみで業務の完結が求められるようになったことです。
そうすると、より高いスキルが求められます。具体的には「人間関係構築、提案、交渉、プロジェクトマネジメント、トラブル対応」を全て現場へ行かず「リモートで外国人と英語で完結する」必要があります。

●Write>Speak(スピーキングよりライティングの力が大切)

25年前からニーズヒアリングをしています。どの業界のどの階層でも必ず言われていたことは「ビジネス場面でもっと積極的に発言できるように」とか「英語のミーティングについていけるように」というようなスピーキングとリスニングを強化したいと言う声でした。
逆にリーディングやライティングの研修を受けたいかを聞くと答えはNoでした。確かに受身的な読み書きより話すことのほうが楽しいし、研修としてスピーキング・プレゼンテーション・ミーティング系のほうが明るくて刺激的です。

でも、実際のグローバルビジネスは圧倒的に読み書きの時間が長いし、ライティングの力が極めて重要。以前と変わったことはライティングのバリエーションと求められているレベルです。バリエーションとして、グローバルビジネスで通用するためには、このようなシーンに合ったライティングができないと通用しません。

どのスタイルでも文字や資料だけで通じる高いレベルが求められています

●Culture is king(異文化対応が極めて重要)

数十年前から海外赴任前研修に異文化対応のプログラムが加わることは珍しくありませんでした。また数年前からは、グローバルビジネスへのアレルギーをなくすためにグローバルマインドの基礎的な研修を実施し始めた会社が多々あります。
しかし問題なのは、職場が国内で仕事も主に国内で、海外とのやりとりが一部に過ぎない従業員に、「わざわざ異文化研修を提供する必要がないだろう」という考え方があったことです。これは大間違いです。日本にいながらリモートで接する時こそ異文化理解が大切です。その理由の一番わかりやすいポイントは切り替えの時間と現場感です。海外出張とリモート会議を比較すると

ご覧のように、リモート会議の場合は海外出張と比べて時間的にも体感(体験)的にも、異文化に触れる機会が限られます。この差を埋めるための努力が必要なのは言うまでもありません。

●Innovation and speed(イノベーションとスピード重視)

20世紀の代表的な日本のグローバルビジネスの目的は
・既存製品を海外に売る
・日本のプロセスを海外で再現する
・海外のお客様を支援する

一言で言うと「日本ですでにやっていることを新しい市場と違う言語で展開する」ことが中心でした。それに比べて今のグローバルビジネスの目的と必要なスキルは変わってきています。例えば

結論として、グローバルビジネスで必要な能力が変わってきています。ぜひ、その変化に対応できるよう研修を変えましょう。

3.どうすれば良い? NEWグローバル人材育成の手段

従来の代表的なグローバル系の研修スタイルは
・少人数のグループレッスン:語学研修のように外国人講師と4-6人受講者が週1回x2時間のレッスンを数カ月行う
・集中研修:異文化理解、グローバルマネジメント、英語スキル系に多い研修スタイルは終日研修
それ以外にeラーニング、アプリを使った自己学習、海外の電話レッスンもこの数年少しずつ増えてきています。

嬉しいことに便利なツールが色々増えてきて、これからグローバル系の研修を企画する際にぜひ視野に入れることをお勧めします。特に可能性を感じているツールと活用するためのヒントをまとめてみました。

また、上記のデジタルツールを効果的に活かすためにも、「ブレンドラーニング設計」が必要不可欠です。

まとめ

グローバルビジネスは過去と変わりなく重要です。実現できるよう従業員の育成が求められます。そこで必要なニーズは高い異文化対応能力と優れたリモートスキルです。
このスキルを身につけさせるために色々なデジタルツールと講師による研修を組み合わせたブレンドラーニングが効果的です。Good luck!

ブレンドラーニングの参考記事:
・研修の効果を劇的に高めるキーワード 「ブレンドラーニング」
https://at-jinji.jp/expertcolumn/274
・2022年だからこそ改善、実施したい新入社員研修の3つのポイント
https://at-jinji.jp/expertcolumn/337

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