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久しぶりの対面集合研修が失敗する4つの原因と解決のヒント

1990年代から毎年100 回以上の対面集合研修をやってきました。2020年4月からは、対面の研修がほとんどなくてリモート研修が9割以上でした。
ただ、今年は3月に数回の対面集合研修を実施しましたし、4月の新入社員研修を「一部でも対面でやりたい」というお客様がいます。

その対面にこだわる理由は4つ
・受講者同士の交流をして横のつながりを強化したい
・リモート研修に比べ、受講者がより積極的に参加してほしい
研修の効果を高めたい
・受講者の主体性を発揮させたい

気持ちはよくわかりますが、実施形態をリモートから対面に変更するだけでは、上記の目的はどれも達成されません。また「以前は対面研修をしていたから大丈夫」と甘く考えると痛い目にあいます。

今回は久しぶりの対面集合研修が失敗してしまう4つの原因と解決のヒントを紹介します。

目次

  1. 原因1.対面=ダイナミック ではない
  2. 原因2 受講者の期待が高いのに対面受講に慣れていない
  3. 原因3.講師は意外と慣れていない
  4. 原因4.環境の制約が多い
  5. クロージング:久しぶりの対面集合研修で失敗しないためのポイント

原因1.対面=ダイナミック ではない

2019年までの新入社員研修を思い出してください。代表的なシーンでは暗い研修室で講師が前に立って延々とスライドを投影して解説していました。しかしその多くは、スライドの字が細かく読めないので新入社員は眠くてしょうがない場面だったはずです。そんな研修のままでは対面にしても“だるい研修地獄”に戻るだけです。そうならないためのヒントは3つあります

  • 演習中心にする:講義をプログラム全体の5割以下にしましょう。また1回の講義を長くて15分にします。短い解説をしたら、小さいディスカッション、クイズ、ペアワーク、ロールプレイを入れてください。そうすると受講者の集中力と理解度が高まります。
  • 投影するスライドのインパクトを高める:パッと見てパッとわかるビジュアル中心のスライドにしましょう。文字に頼らずビジュアル、絵、イメージが伝わるようにしましょう。「フォントサイズは50以上」「1枚のスライドの説明する時間を1分以内にする」などの工夫をして受講者が迷子にならないようにしましょう。
  • アウトプットに重点を置く:情報発信、講義、解説のみで構成されるようなインプット重視ではなく、受講者の会話、ディスカッション、グループワーク、ロールプレイ、成果発表などのようなアウトプットに重点を置きましょう。そうすると受講者の習得度と研修効果が高まります。

ダイナミックなリモート研修については下記の記事の中で解説しています。参考にしてみてください。

ダメなリモート新入社員研修から脱却しよう。
https://at-jinji.jp/expertcolumn/285

原因2.受講者の期待が高いのに対面受講に慣れていない

2022年春に入ってくる新入社員は、大学で2年間オンライン形式の講義を経験してきて、インターンシップも就職活動もリモートでした。その新入社員にとって対面研修は非常に楽しみにしている反面、慣れていないので結構心配に思っています。
言い換えると対面研修に対する高い期待を持っていますが、その楽しい研修を実現するための受講態度、慣れ、スキルがありません。
これに対応する企画運営側のできることは以下の4つです。

  • 受講者として求められていることを明確に伝える:質問があれば遠慮なく聞く、演習に積極的に参加する、周りの新入社員と自らコミュニケーションをとる、とにかく主体的に動く必要があることを伝えます。
  • アイスブレイクの機会と時間を与える:場が和むまで思っている以上に時間がかかる可能性が高いです。時間を十分取って、アイスブレイクの機会を与えましょう。例えば、楽しい自己紹介、走り回る全員に聞くヒアリングインタビュー、チームビルディングの演習 など
  • オンラインと対面をつなげる:対面に慣れていない分、今年の新入社員はかなりリモート慣れしています。彼らの強みであるオンラインツール(ライン、チャット、SNSなど)でウオーム・アップして、その後対面でフォローするような流れが非常にスムーズです。
  • コミュニケーションと交流の場を意図的に作る:放って置くと一部の新入社員は、対面研修でも周りの同期と全くコミュニケーションをしないで、休憩や昼休みの時間でもずっと一人でスマホをいじってしまいます。短い時間でも良いので半強制的に交流する場を作りましょう。例えば、毎朝のチェックインのグループメンバーを変える、夕方の振り返り時間を新しいペアでやる、週一回新しい人と昼食を食べる など。

原因3.講師は意外と慣れていない

恥ずかしながら去年1年ぶりの対面研修をやったときに色々な細かいボロが出ました。
例えば、プロジェクターにつながっているパソコンで画面共有のボタンを探してしまう、発表するときにカメラ目線を意識してしまう、資料を配り忘れる、ビデオの音声を出すために必要なスピーカーの用意を忘れてしまう、といった事です。

どれも致命的な問題ではありませんが、リモート以前は当たり前にできていたことがたった2年で「習慣」ではなくなりました。何よりリモート研修に比べて対面研修で求められるエネルギーとパワーが全く違います。連続何日間の対面集合研修をするなら大きい声出しの練習とビジネスシューズのウォーキングをお勧めします。そうしないと1日で驚くほど疲れてしまいます。

原因4.環境の制約が多い

対面集合研修とは言ってもコロナ感染防止対策が必要になりました。例えば、全員マスク着用、ディスタンス、向かい合って座る島形式ではなくて全員が前に向くスクール形式、文房具や用紙などの手で触るグッズを極力使わない、積極的にグループ編成を変えないことなどです。

この制約の多い環境ではなかなか盛り上がらないし、演習がしにくいし、とにかく聞こえにくいです。グローバルではスマホを使ってアンケートを取ったり、質問を投稿したりする工夫もできますが、そのようにITに頼ると対面の必要性と価値がなくなります。対策は限られていますが
・必ずマイクを使い受講者が聞こえるようにする
・個人ワークを多く入れる
・ディスタンスを保ちながらペアワークを増やす

自分の経験から言うとこの制約の中で行うとしたら、対面研修より演習中心のリモート研修のほうがより効果的に成果を上げられると感じます。対面研修のみにこだわらず、事前学習または自己学習、職場実施などをリモート研修と組み合わせた「ブレンドラーニング」を検討してみるのも良いでしょう。

ブレンドラーニングの具体的な企画・運営については下記の記事の中で解説しています。参考にしてみてください。

・研修の効果を劇的に高めるキーワード 「ブレンドラーニング」
https://at-jinji.jp/expertcolumn/274

・人材育成の現状と下期のチャレンジに対するヒント:ブレンドラーニングへのトライ!
https://at-jinji.jp/expertcolumn/317

クロージング:久しぶりの対面集合研修で失敗しないためのポイント

コロナ前に対面の集合研修を多く実施した経験があっても、これからの対面研修に向けて、受講者の主体性を引き出し、効果を上げるためには、リモートで得られた経験も生かした準備と工夫が少し必要です。

  • 以前の対面研修に戻るのではなく、ダイナミックな研修へ変身させる
  • 対面に慣れない受講者に求められる受講態度を伝えることと、
    それをサポートする運営の工夫をする
  • リモート研修に慣れすぎた講師が対面で突き当たる課題への工夫をする
  • コロナ環境での制約をできるだけ乗り越える運営と工夫をする

上記のようなポイントをおさえると久しぶりの対面研修が成功するはずです。頑張ってください。

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