ハイブリッド研修のよくある問題と失敗しないための解決ヒント
この数年でリモート研修の良さが十分証明されました。同時に、対面集合研修ならではの受講者交流を通じた横のつながりがリモート研修では弱いという弱点も明確になりました。そのため、全員を強制的に対面研修に参加させられない中で、対面の良さを感じてもらうために、「ハイブリッド研修」を考えている人材育成担当者が増えています。
ハイブリッド研修とは一部の受講者が対面、一部の受講者はリモートというごちゃ混ぜ研修スタイルです。軽く考えると良いとこ取りで飛びつきたくなりますが、実際にやってみるととても難しくて失敗するケースがほとんどです。ハイブリッド研修で失敗しないために、今回はよくある問題と解決のヒントを紹介します。
目次
なぜハイブリッド研修が注目されているか
この数年でリモート研修の良さが十分証明されました。同時に、対面集合研修ならではの受講者交流を通じた横のつながりがリモート研修では弱いという弱点も明確になりました。そのため、全員を強制的に対面研修に参加させられない中で、対面の良さを感じてもらうために、「ハイブリッド研修」を考えている人材育成担当者が増えています。
ハイブリッド研修とは一部の受講者が対面、一部の受講者はリモートというごちゃ混ぜ研修スタイルです。軽く考えると良いとこ取りで飛びつきたくなりますが、実際にやってみるととても難しくて失敗するケースがほとんどです。ハイブリッド研修で失敗しないために、今回はよくある問題と解決のヒントを紹介します。
ハイブリッド研修とはどんな研修スタイルか
ハイブリッド研修では3つのシーンが混在します。
イメージ的には、メイン会場の対面集合研修と個別リモート参加者とサブ会場のリモートチームが同じ研修を受講するのを想像してください。
1) 対面集合研修:講師と受講者が同じ部屋(メイン会場)で研修を行います
2) リモート参加者:集合研修の講義を聞いて、グループワークをブレイクアウトルームで他のリモート受講者と一緒に行います。 在宅もありえます。
3) リモートチーム:遠隔地の数人の受講者が一つの会議室(サブ会場)に集まってビデオ会議で参加します。
このごちゃまぜスタイルのメリットは一石二鳥。すなわちリモートの便利さ(移動がない、どこでもできる)と対面集合研修の良さ(他の受講者との交流と関係構築)の両立ができる柔軟性のはずです。例えば、
- 集合に負担を感じない受講者は対面で参加できるし、移動の時間や費用で集合できない受講者はリモートで参加できます。
- 会場のキャパより受講者が増えた場合に(ディスタンスが求められる時によくある)一部の受講者をリモートで対応できます。
しかし残念ながら、現実はまったく違います。大半のハイブリッド研修の現実は、「いけていない」対面集合研修(なぜわざわざ集まったか?)と「機能していない」リモート研修(すみません。聞こえないですが…)の最悪のコンビネーションになっています。
ハイブリッド研修の課題
ハイブリッド研修の代表的な課題はこの3点です。
・研修の進行と運営が難しい
・属するシーンによって受講者からみると研修の質が異なる。
それぞれの内容を詳しく見てゆきましょう。
1) セッティングと研修運営が異常に複雑
必要な設備が多くなります。最低でも対面の教室に2台の講師パソコン、外付けカメラとマイク、講師用のイヤフォン、リモート参加者の声を出すためのスピーカーが必要です。さらに同じ部屋に別のリモート研修用の講師も必要。とにかく複雑で、費用、人員、エネルギー、時間がかさみます。
2) 研修の進行と運営が難しい
1)の理由から、リモート研修を担当する講師はスライド進行、ブレイクアウトルームの設定、演習の指示出し、受講者のフォロー、チーム共有の進行を全て講義中にやる必要があります。仮にセッティングがOKでも、ここまでスムーズに対応できるリモート研修スキルを持っている講師は少なく、講師が研修に集中できるため進行を司るプロデューサーも必要になってきます。
3) 属するシーンによって受講者から見た研修の質が異なる
もしセッティングと進行がOKでも最終的に受講者にとって差が生じます。
対面集合研修の受講者がメインに見えて、リモート受講者がマイナーな気分になりがちです。運営の問題が発生するとこの差がさらに強調されます。
ということで軽く考えてハイブリッド研修をやると、失敗する可能性が非常に高くなります。次にどうすれば良いかの解決ヒントを見てみましょう。
ハイブリッド研修の成功ポイント
ここで3つの対応策を紹介します。どれも素晴らしいとは言い難いが、難しいハイブリッド研修を成功させるためには悪くない、現実的なやり方です。
A案 2つの研修に分ける
B案 リモート講義とハイブリッド演習
C案 対面集合研修+一部のリモート演習
A案:2つの研修に分ける
一番楽でうまくいくスタイルは2つの別の研修を行うことです。
例1 :新入社員研修のような大人数の場合
同じ日に同じ内容を対面とリモートで別々に実施するとスムーズです。
例2 :階層別研修のような強制参加の研修
複数の実施日程を設定して、リモート開催と対面開催を混ぜることが受講者にとって参加しやすいです。
例3 :シリーズもの研修の場合
ある回を対面で行い、ある回をリモートで行えば良いです。
前者はヒューマンスキルやチームビルディングのようなテーマがふさわしく、後者は知識やテクニカル系の研修がお勧めです。
ブレンドラーニングについては下記の記事の中で解説しています。
参考にしてみてください。
・研修の効果を劇的に高めるキーワード 「ブレンドラーニング」
https://at-jinji.jp/expertcolumn/274
・2022年だからこそ改善、実施したい新入社員研修の3つのポイント
https://at-jinji.jp/expertcolumn/337
B案:リモート講義とハイブリッド演習
少人数の受講者がチームごとに集まって、講師がリモートで講義を配信するスタイルです。
昔のサテライト教室のようなイメージで、インプット映像と対面のグループワークの繰り返しです。このスタイルの利点は受講者が対面のお陰でチームワークが良くて、人間関係構築にも繋がります。気を付けるポイントは講師が各チームの進捗把握とフィードバックができるように工夫することです。また、それぞれのチームが学んだポイントを他のチームに共有できるような仕組みがあると全体感が出ます。
▼映像による講義
▼対面のグループワーク
C案:対面集合研修+一部のリモート演習
講義をライブではなくて録画した内容を再生するスタイルです。
どうしても一つの研修を対面集合研修の受講者とリモート参加の受講者と一緒にやりたい場合にお勧めします。
事前に録画をすると撮り直しや編集が効くし、受講者はリモートでも対面でも全く同じ講義が聞けます。講義後の演習に関しては対面でフォローする講師とリモートでフォローする講師の役割分担があれば良いです。同じような研修内容を何回も実施する場合には、運営がスムーズ、研修の質が均一、講師は演習フォローをするだけで高度なスキルが求められないといった利点もあります。
結論
ハイブリッドを聞くとWin-Winのように全てがうまくいくイメージを持ちがちですが、ハイブリッド研修の場合にはうまくいかないケースが多いです。今回紹介したテクニックを使って少し改善はできますが、基本的に対面なら対面、リモートならリモートのように同時に色々な研修スタイルをやろうとしないことがお勧めです。
■実践に役立つ参考記事の紹介:リモート研修の効果を高めるヒント
ダメなリモート新入社員研修から脱却しよう。
https://at-jinji.jp/expertcolumn/285
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