仕事がデキる人事・総務のビジネスメール術(Web版)

【第2回】社員にやる気と意識付けをさせる社内通達の方法

人事・総務担当者は、社内の新制度やルール、法律の案内をメールで一斉にすることが多いでしょう。一斉に知らせるために、メールや社内ウェブで通達するケースもあります。通達は、ただ読んでもらえばいいというわけではありません。内容を理解し、行動が伴わなければならないのです。

今回は、社員が内容をきちんと理解し、意識して行動できるように促すことができるメールの書き方や送り方についてQ&A式で解説します。

社内通達メールを読んでもらうには…?

1.メールが読まれない事情

質問:社内通達メールが読まれないのはなぜでしょうか?
答え:開封の優先度が低く、後回しにされて開封すらされていないため。

仕事でたくさんのメールが行き来しています。お客さまからのメールや社内への依頼メールなど、業務に直結するメールの優先順位が高くなるのは仕方がありません。対して通達メールは文字数も多く、開封して、すぐに目を通して理解するのが難しいケースもあります。そのような経験があるため「時間ができたら読もう」と後回しにされます。

しかし実際は、大きな空き時間ができないため、常に後回しの繰り返しです。結果的には、通達メールを送っているのに、受信者の行動が伴わないということになります。

このような通達メールには、以前からできていることの連絡など、再度の徹底も含まれています。全てに目を通す必要はないことがあるため「また不要なメールが来た」、「できていることだろうから、いいだろう」と自分事に受け取ってもらえていない可能性があります。

2.メールを読んでもらう方法

質問:通達メールが読まれるにはどうしたらよいのでしょうか?
答え:熟読しなくても概略が分かるようにしましょう。

まずは、パッと見て重要度が分かるようにすべきです。通達の内容によって重要度が異なります。重要度が異なるのに「○○部からのお知らせです」と書けば、お知らせの重要度が判断できず、受信者も「またか」と思ってしまいます。

読み手に配慮して、熟読しなくても概略が分かるようにしましょう。具体的には、いつまでに読んだらいいのか、返事をしたらいいのかの「期限」。「どの程度重要なものなのか」。特に、誰に関係のある話なのかの「対象者」を伝える。この3つの情報があれば、いつ読むべきなのかの判断もつくでしょう。たとえば、制度のお知らせであれば、重要度を伝えるためにも、この制度を守らなかったら、どのようなリスクがあるのか。逆に、守った場合は、どのようなメリットがあるのかも伝えます。

ちょっとくらい守らなくても大丈夫だと考える社員が多いなら、この場で釘を刺した方がよいでしょう。このような基準を本文でまとめて伝えてもよいですが、件名で伝えると、開封しなくても判断がつくのでオススメです。

3.読みやすい通達

質問:長文でくどくなってしまいます。どうしたら読みやすくなるでしょうか?
答え:記号や罫線の活用、概略と詳細を分けて伝える。

長文のメールであっても、メルマガのように「■●★▼▲」などの記号で見出しを付けるだけで読みやすくなります。意味が変わるところでは、罫線(- ━)などの記号で区切るのも有効です。もちろん、一般的なメールのように「30文字前後で改行」「単語が2行にまたがらないようにする」「5行以内で1行空行を入れる」などのテクニックは使いましょう。

通達メールは、さまざまなリスクを考えて文章を作成するため、長文になるケースがあります。受信者は「すぐには読めない」と考え、後回しにする可能性があります。それであれば、メールの本文に概略を記載し、詳細はファイルにまとめて添付してはいかがでしょう。

通達する側は効率を考えて、もともとあった通達文書を、そのままメールの本文に貼り付けているかもしれません。しかし、それは受信者からすれば分かりにくく、読みづらいことがあります。メールに全て書かなければならないということはありません。内容に応じて概略と詳細を分けるなどの一手間が、読みやすさにつながります。

メールで相手の行動を起こすには…?

4.メールに意見をもらう方法

質問:社内通達のメールに建設的な意見をもらうにはどうしたらよいでしょうか?
答え:個別に打診して、一つひとつの意見を大事にする。

意見を出さない人の気持ちを考えてみましょう。そもそも、意見を出すのが面倒という人もいます。意見を出しても採用されないだろうと諦めている人もいるでしょう。人は、自分の意見が無視され続けると無力感を感じ「どうせ~~だから」と考え、何も行動しなくなります。送り手としては、意見を受け取ったら積極的に採用する、何かしらのフィードバックをする、メールでもしっかり感謝するなどの対応が必要です。

人は理由がないと動きません。意見を引き出したいなら「なぜ、意見を募集しているのか」「集めた意見をどのように活用していくのか」「どの程度困っているのか」「何に期待しているのか」といった情報をメールに書きましょう。意見を募集する場合は、一斉送信メールよりも1対1のメールの方が向いています。個別に打診して、一つひとつの意見を大事にする。そのような環境を作ってみてください。

5.メールの改善でできること

質問:それでも行動してもらえない場合はどう文章を改善すればよいでしょうか?
答え:対面や電話など別の手段で伝える。

メールの文章で伝えられることには限界があります。直接の対面でも100%伝わるわけではありません。ましてやメールでは、その伝達率も低下します。人は一度、言われただけで全てがこなせるほど処理能力が高いわけではありません。覚えていてもできない人、すぐに忘れてしまう人、勘違いをしてしまう人、いろいろなパターンがあります。

 

「メールで伝えたことが上手く伝わっていない」「行動に移してもらえていない」。

そう感じたら、対面や電話など別の手段で伝えるべきです。もしくは、上司に依頼して再度の伝達を促すべきです。通達は伝わるまで伝え続ける。それが仕事だと思って取り組んでください。

【まとめ】通達メールも1対1のメールと同じで相手への配慮が大事

メールは送って終わりではありません。確実に開封され、相手が内容を正しく理解し、納得して行動に移る。そのために、件名は重要度や優先順位が分かるよう具体的に付ける、本文は読みやすいレイアウトと分かりやすい文章がポイントです。後回しされないように期限を伝え、自分事としてとらえてもらえるように目的と理由の説明はセットです。

負担なく読めるメールは返事もしやすく喜ばれます。通達メールは1対多数に送ることが多いですが、ベースになるのは1対1のメールと同じ相手への配慮です。

※この記事はフリーマガジン「@人事第3号」(2016/2/29発行)に掲載した「第2回 社員にやる気と意識付けをさせる社内通達の方法」の内容を一部再構成しています。

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