適切な残業管理のポイントは? 8社の事例をご紹介
従業員だけでなく、企業の人事部や管理職の悩みの種である残業。
コロナ禍を経て在宅勤務やテレワークが進んだ結果、より従業員の労働状況を把握することが難しくなり、頭を抱えている管理職・人事部の方も多いのではないでしょうか。
現場の残業時間の上限超過は管理職の責任と言われたり、残業が積み重なってしまったがゆえに体調を崩してしまう従業員が出てしまったりと、残業に関する問題は後を絶ちません。
残業を抑制する方法としては、仕事を効率化する、仕事量を調整する、という仕事自体の調整が挙げられますが、こまめに労働時間や残業時間を管理し、可視化していくことも非常に重要です。
そこで本記事では、弊社のユーザー企業*の人事部門の皆様からお伺いした事例をもとに、各社が「どのように働きすぎを未然に防いでいるのか」、「労働時間や残業時間を可視化しているのか」について、残業時間管理の課題と併せてご紹介します。
*「COMPANY 勤怠管理」の導入企業
※こちらの記事は下記の人事トレンド紹介コラム「残業管理を適切に実施する方法とは?各社の事例をご紹介」を@人事の読者様向けに一部編集させていただいております。
https://www.works-hi.co.jp/businesscolumn/zangyokanri
目次
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- 残業時間管理の課題
- 残業時間管理の取り組み事例
[1]残業時間管理(超過防止)について
[2]残業の申請方法について
[3]日次の勤務実績入力促進について - 働きすぎを防ぎ適切な残業管理を行うためのポイント
残業時間管理の課題
多くの企業では、何かしらの勤怠管理システムやツールを利用して労働時間や残業時間の管理をしていることが一般的です。2019年に働き方改革関連法の一環として、健康管理の観点から「客観的な方法による労働時間の把握」が労働安全衛生法で義務化されたこともきっかけに、労働時間の客観的な把握方法を導入した企業も多くありました。例えば、各勤怠管理システムへの打刻機能の導入、ICカードからの入退館時刻の記録、PCのログオン・ログアウト時刻の記録等です。
一方で、人事部門からは以下のような声も伺います。
「月末にならないと残業時間が積み上がっていることがわからない」
「日々の勤務実績を入力するよう通知やアナウンスをしても、なかなか入力してもらえない」
「通知を多くした結果、最初は効果があったものの、段々と形骸化してきている」
現場で忙しくしている社員に対してどのような方法でアナウンスをし、残業時間の管理をするとよいのか、課題を抱えている企業が多いのではないでしょうか。
残業時間管理の取り組み事例
課題を持ちつつも残業時間の抑制や労働時間の管理を比較的行うことができている企業ではどういった取り組みが行われているのでしょうか。
実際の労働時間・残業時間の管理事例をご紹介します。
[1]残業時間管理(超過防止)について
働きすぎを未然に防ぐために、勤怠システム上で自身や上長にアラートを表示させる、日次の勤怠提出の際に残業申請を行わないとエラーメッセージを表示させ提出できないようにしている、といった工夫をされている企業もあります。
◆金融業A社 |
◆化学業B社 |
[2]残業の申請方法について
残業をするにあたっては、事前申告をさせている企業、事前申告事後申告どちらもさせている企業、事後申告のみの企業、そもそも申告や申請をさせていない企業等、運用方法やルールは様々です。どのような方法で申告をさせているのか、具体的に見ていきましょう。
◆機械業C社 |
◆製造業D社 |
◆金融業A社 |
[3]日次の勤務実績入力促進について
残業時間の管理以前に必要不可欠な情報となる、日々の勤務実績入力。しかし、課題にもあった通り、各従業員に日々の勤務実績を入力させることは容易ではありません。
日次の勤務実績入力をスムーズに進めるためにはどうすればよいのか、各企業の事例を見ていきましょう。
◆機械業F社 |
◆化学業B社 また、日次入力をさせないしくみづくりを行っているという企業もありました。フレックス勤務制、裁量労働制を採用している企業には参考になる点もあるのではないでしょうか。 |
◆保険業G社 |
働きすぎを防ぎ適切な残業管理を行うためのポイント
今回は、残業時間管理について、様々な企業の事例・声をご紹介しましたが、各企業、業種業態によって管理方法は様々であり、
「開発は日次入力をしっかりしてくれるが営業は会社にいないことが多いのでなかなか入力してくれない」「従業員によって入力度合いに差がある」「現場の変形労働時間制にはまだ対応ができていない」等、残業時間管理の取り組みが進んでいる企業でも、全体をカバーできている企業はまだ多くはないようです。
しかし多くの企業が以下の方法を採ることで、できる限り残業を抑制し、労働時間の適切な管理を実現しています。
・通知をこまめに行う、トップダウンで勤務実績の入力を根付かせる
・客観的な勤務実績情報を活用し、日次入力の負荷を軽減する
・システムの見やすさや利便性の向上を推し進める
いずれにせよ、日々の勤怠情報を可視化することは、従業員の健康を守り、適切な残業管理を行うためのひとつのポイントです。本記事をきっかけに、労働時間の管理方法の見直しとその習慣化を図り、労務管理の強化に役立てていただけますと幸いです。
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