その採用を無駄にしないために!「幸せな就職」を実現するオンボーディングとは? Vol.1

株式会社manebiの田島智也と申します。
以前、@人事さまで『社員の自己実現を導く組織づくりとは』というタイトルのコラムを執筆させていただきました。そのコラムでは、manebiが組織づくりで実践し、具体的に効果がでた取り組みを共有させていただきました。今回のコラムでは、その取り組みの中の1つである「オンボーディング」について、さらに詳しく掘り下げて、その重要性や取り組むポイントを説明させていただきます。

参考:離職率30%から3%の優良企業へ復活させたスタートアップ社長が教える!『社員の自己実現を導く組織づくりとは』Vol.1~5

目次

  1. 多くの企業が関心を抱くオンボーディング
  2. なぜオンボーディングが重要なのか
  3. 中途採用=即戦力採用という意識を変えよう。
  4. オンボーディングは、人への投資である

多くの企業が関心を抱くオンボーディング

まずオンボーディングとは、「企業が新たに採用した人材を職場に配置し、組織の一員として定着させ、戦力化させるまでの一連の受け入れプロセス」とmanebiでは定義しています。そのプロセスの中には、「会社情報を共有する」こともあれば、「既存社員とのコミュニケーションの場づくりを行う」こともあれば、「これからの目標設定をする」ことも含まれます。
入社時にこうした様々なプログラムをしっかりと組むことで、新規社員は会社への愛着や貢献欲求が高まります。つまり、「この会社に入って良かったな。頑張ろう」と思ってもらうために企業側が行う努力のすべてがオンボーディングであり、これが上手くいくと新規社員にとっても会社にとっても「幸せな就職」を実現することができます。

このオンボーディングという言葉は、以前はあまり認知されていませんでしたが、少しずつ世の中に浸透してきています。manebiは、2021年10月に、オンボーディングについて学びを深める国内最大級のオンボーディングイベント『オンボーディングサミット 2021』を開催しましたが、そのイベントには経営者や人事担当者の方々をはじめとする1,135名の方にご参加いただきました。

イベント終了後、参加者アンケートには「オンボーディングに関する書籍は少なくとても勉強になった」、「オンボーディングを取り入れてみたが、他社の事例を知る機会がなかったので参考になった」というご意見を多くいただき、いかに、各企業がオンボーディングに関心を抱いているか強く感じました。
オンボーディングサミット詳細:https://at-jinji.jp/blog/40719/

なぜオンボーディングが重要なのか

オンボーディングの重要性は、データでも説明することができます。アメリカの世論調査会社であるギャラップ社が2019年に発表した調査では、オンボーディングプログラムにより、従業員の定着率が82%も向上することが分かっています。また、同調査から、オンボーディングを適切に行っていない企業は離職率が2倍になることも判明しました。
※参考
https://www.saplinghr.com/blog/10-employee-onboarding-statistics-you-must-know-in-2019

実際に、manebiでもオンボーディングの効果を感じています。私たちは、オンボーディングを2020年の4月から本格的に始めました。「幸せな就職を実現する」ことを目標に、約2年間にわたり試行錯誤を重ねてきた結果、離職率の減少や社員のエンゲージメント向上など、明確な成果となって現れてきています。

中途採用=即戦力採用という意識を変えよう。

先述のギャラップ社の調査では、88%の組織が適切にオンボーディングを行っていないとされています。これはアメリカで行われた調査ですから、必ずしも日本の会社には当てはまりません。しかし私の体感では、日本でも同等かそれ以上に、ほとんどの組織が適切なオンボーディングをできていないと感じています。事実、入社後1週間の事務的な手続きをオンボーディングと呼んでいる企業さえあるほどです。

ではなぜ今までほとんどの企業が、人材の定着と戦力化に重要なオンボーディングをできていなかったのでしょうか。原因は様々だと思いますが、1つあげるとすれば、「中途採用=即戦力採用」というイメージが、オンボーディングの不要さを連想させているのではないかということです。

新卒社員に対しては、多くの企業が懸命に育てようとします。しかし中途社員に対しては「もう社会人なんだから、自ら組織に順応していけるだろう」という前提を持っているのではないでしょうか。その結果、オンボーディングの努力を怠っているように感じます。

こうした社会の風潮に対して、私はむしろ中途社員ほど、オンボーディングが大切だと思っています。中途社員は培った経験値があるからこそ、自分のルールを持っていて、新卒社員のようになんでもスポンジのように吸収していけない側面があります。前の会社のカルチャーとのギャップを感じたり、仕事の進め方に違和感が生まれたりすることもあります。そうしたギャップや違和感がストレスに変わる前に、入社初期にていねいにチューンナップしていく。温故知新、アンラーニングとラーニングのバランスが大切で、そこから初めて中途社員が生き生きと輝き始めて、即戦力化が実現するのです。

オンボーディングは、人への投資である

オンボーディングの重要性は、企業規模や業界を問いません。入社した社員が成果を出していくために、会社が環境を整えることは、基本的な前提としてどんな企業でも大切だと思います。

昨今は世界的に、ESGという言葉にも注目が集まっています。これは企業の長期的成長には、環境(E)・社会(S)・カバナンス(G)の3つの観点が重要だという考えです。
その中でも社会(S)における人的資本には、特に注目が集まっています。多くの企業が、BSやキャッシュフローやPLといった財務諸表では表せない、人材戦略こそが成長可能性のかなめだということに気づいているのです。
だからこそ今後は、ますますオンボーディングの重要性が見直されていくでしょう。オンボーディングはまさに人材戦略の1つです。試用期間を“投資期間”と捉え、採用した人を活躍する人に成長させていく。その結果、必死に採用した人がすぐに離職したり、満足な活躍をしなかったりすることを防ぎ、企業価値をあげることができるのです。

初回のコラムでは、オンボーディングの重要性について述べました。これだけ企業にとって重要なオンボーディングはどのように構築し、具体的に何をしていけばいいのでしょうか?
次回のコラムで、詳しくつづっていきたいと思います

@人事では『人事がラクに成果を出せるお役立ち資料』を揃えています。

@人事では、会員限定のお役立ち資料を無料で公開しています。
特に人事の皆さんに好評な人気資料は下記の通りです。
下記のボタンをクリックすると、人事がラクに成果を出すための資料が無料で手に入ります。

今、人事の皆さんに
支持されているお役立ち資料

  • このエントリーをはてなブックマークに追加


資料請求リストに追加しました

完全版 HR系サービスを徹底解説! HR業務支援サービス完全ガイド 勤怠・労務管理 採用支援 会計・給与ソフト など