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リスキリング(リスキル)とは?企業が抱える課題や人事が押さえるべきポイントを解説【前編】

皆様、株式会社Works Human Intelligenceの伊藤裕之です。

従業員に対する学びの場の提供や、教育効果を高めるための施策の導入は、人事部門や教育担当部門にとっては重要なミッションであると同時に、従業員の意欲の向上、効果の測定、魅力あるコンテンツ作りなど、課題が多いポイントでもあるでしょう。

本記事(前編)では、ビジネスシーンにおいてリスキリングというキーワードが注目されている背景と、実際の運用に落とし込んでいく中で検討したいポイントについて整理しました。リスキリングに関する制度・運用を設計、実施するうえでの一助となれば幸いです。

※こちらの記事は下記の人事トレンド紹介コラム「リスキルとは?ビジネス環境の変化に対応するための人事施策を考える」を@人事の読者様向けに一部編集させていただいております。
https://www.works-hi.co.jp/businesscolumn/reskill

目次

  1. なぜ今リスキリングが求められるのか
    理由【1】DX(デジタルトランスフォーメーション)に象徴される、サービスや業務のデジタル化
    理由【2】リスキリングに対する企業の取り組みに対する、市場・投資家からの目
    理由【3】大企業を中心にコア年齢層となる、40代・50代社員の活性化の必要性
  2. 中高年人材の働き方調査でもクローズアップされるリスキリング
  3. リスキリング浸透に必要となる3つのポイント
    ポイント1.企業として、学びの重要性を明確に発信する
    ポイント2.管理職のパラダイムシフト
    ポイント3.学びを後押しする、制度と施策の実施

なぜ今リスキリングが求められるのか

まず、リスキリング(リスキル、学び直し)とは何でしょうか。

リスキリングとは、「企業側の視点で見た時に、従業員に対して新しいスキル、技術を身に付けさせることで、新たな価値、サービスの創出や生産性の向上、ひいては従業員の市場価値の向上に繋げること」と一般的に定義づけられています。

現在、クローズアップされている背景には大きく分けて3つの理由があります。

理由【1】DX(デジタルトランスフォーメーション)に象徴される、サービスや業務のデジタル化

DXというキーワードに象徴されるように、日本企業ではデジタル化への対応が必須となっています。そして、推進役として「DX人材」といわれる役割に対する、採用や育成が急務とされています。
しかし、企業が求める「DX人材」をすぐに外部から確保してくることは容易ではありません。既存の従業員に対して、デジタル化、あるいは新しいテクノロジー、スキル、トレンドに対する教育を行い、組織的な底上げをした方が速く、効率的であると考える企業が増えています。

理由【2】リスキリングに対する企業の取り組みに対する、市場・投資家からの目

リスキリング等の人材育成に投資を行い、企業の収益や業績を高める必要性は、株式市場や投資家等からも注目されています。
たとえば、昨年9月に経済産業省が発表した、「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会 報告書 ~人材版伊藤レポート~」でも、リスキル・学び直しは今後の人材戦略上の重要な要素の一つとして取り上げられています。

【図1】

出典:持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会 報告書 ~人材版伊藤レポート~(経済産業省)

従業員を人的資源(現在の労働力、コスト)として捉えるのではなく、投資し価値を高める対象である人的資本として考えてみましょう。すると、従業員が新しいスキルや技術を身に付けるため(リスキリング)に投資することは、生産性や価値創造、ひいては、企業としての資産、リターンに繋がる重要な施策になります。
また、そういった環境で働くという経験は、従業員のビジネス市場価値や処遇を高め、結果的に企業へのエンゲージメントを高める効果もある、と結論づけられています。このような提言が発信される背景として、日本の従業員には十分な教育投資がされていないという点が挙げられます。

【図2】

【図3】

出典:持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会 報告書 ~人材版伊藤レポート~(経済産業省)

日本の場合、メンバーシップ型の利点を活かして、新入社員から30代前半くらいまでは、OJTとして先輩・上司から現業の中で教育を受けるため、投資コストについて、ジョブ型ベースの諸外国とは一概には比較しづらい側面があります。
ただし、先輩・上司からの教育の多くは、自らの経験則に基づいたものであり、デジタル化に代表される新しいテクノロジーやトレンドへのキャッチアップには別のアプローチが必要です。

理由【3】大企業を中心にコア年齢層となる、40代・50代社員の活性化の必要性

加えて、OJTの対象外となる中堅層以降では、学びの量が個人に委ねられているのが現実です。さらに意欲があったとしても、以下の調査結果からも見える通り、最も公私とも繁忙である時期に、自発的に十分な時間や費用をかけることは現実的には難しい状況にあるといえるでしょう。

【図4】

出典:平成26年版 労働経済の分析<要約版> -人材力の最大発揮に向けて- 第3節より(厚生労働省)

各企業においては、従業員の平均年齢が40歳を超えつつあり、40代、50代が企業の労働力の中心です。
このコア世代が、市場環境の変化に対応し、事業の変化や新しいサービス・業務のキャッチアップを行い、関連するスキルや知識の習得に努めて、パフォーマンスや生産性が維持・向上しなければ、企業の業績や価値の低減に繋がる可能性があります。

【図5】

出典:労働力調査の第18表年齢階級別正規の職員・従業員数[エクセル:23KB](総務省統計局)を基に著者が作成

逆に、今後経験と学びが融合されれば、より大きな成果が生まれる余地が大きい、とも考えられます。

リスキリング自体はDXの文脈の中で語られることが多いですが、DXを抜きにしても、特に中高年社員を中心に学び直しを行うことは企業の業績、生産性、価値創造に必須であるでしょう。

中高年人材の働き方調査でもクローズアップされるリスキリング

弊社では、2021年8月~9月にかけて大手法人を対象に中高年人材(45歳~59歳)の働き方に関する状況調査を実施しました。

その中で、人事担当が中高年人材に対し最も課題感を強く持っているのは「自律的なリスキル(学び直し)の必要性」という結果でした。

【図6】

出典:【ワークスHI調査レポート】人的資本時代、45歳以上社員の働き方とは?人事担当が考える中高年人材の課題、1位は「自律的なリスキル」より

自由回答では以下のような声も寄せられました。

  • 50歳以上の方に対する教育研修の機会があまりないので充実させたい。
  • 専門性やスキルが時代によって変わっているにもかかわらず、昔取った杵柄や過去の成功体験に引きずられている人がいる。
  • 40代から50代にかけて、ライン管理職となっている者が多く、多忙のために自己研鑽の時間が取れない。

では、こうした課題感に対して、人事部門が企業の業績向上や従業員の成長に必要不可欠なリスキリングを推進するにはどのような点に注意が必要でしょうか。

リスキリング浸透に必要となる3つのポイント

リスキリングを推進するための3つのポイントをご紹介します。
制度と業務の連動によって浸透を図り、学びを組織文化として定着させることが重要です。

ポイント1.企業として、学びの重要性を明確に発信する

大前提として、学びの重要性、学び直しへの投資や支援についての方向性を、企業として社内外に明確に打ち出すことが必要です。

個々の現場においては、中長期的なスキルアップや研鑽よりも、短期的な業務への工数投下が優先されるケースが多いでしょう。
そのために、リスキリングに取り組む姿勢を社外含めてコミットすることで、社内にも意識の変容を促します。

企業の重要課題や中期計画で提示されている、戦略や方針の実現を担う人材の育成にどのような形で寄与することを想定しているのか、という具体的な人材のスキルやマインド例を企業から社内外に示します。
例えば、社内であれば、社内ポータルでの公開や人事制度説明会の開催など、誰でも閲覧できて、確認できる形で提示します。また、社外に発信するときは、社内の発信内容との齟齬により、従業員の不信・不満を招かないように留意する必要があります。
そして、「何年後に何人を新規事業に配置する」、といった目標および完了後のエビデンスを示したうえで、組織としての学びの文化を形成する過程を示す、“ストーリー立てと発信”が必要になるでしょう。

ポイント2.管理職のパラダイムシフト

どんな施策も現場の部門長、管理職の協力と理解がなければ、実現も定着も難しいと思われますが、人材育成はまさにその代表例です。
管理職は組織のリーダーであり、部下の育成を通じて組織や企業の成長に寄与する役割であることを再度定義し、お互いの共通認識としなければなりません。

そのうえで、学びの組織文化を構築するために管理職には以下のような工夫が求められます。

  • 部門で必要なビジネススキルや経験を言語化して定義し、メンバーの特性に合わせて必要な育成計画やキャリアをデザインする
  • 自組織に限らず、社内外にアンテナを立てて、トレンドや最新情報をインプットし、メンバーの学びに対する好奇心を喚起する
  • 今後増えるであろう「年上のチームメンバー」「自分よりもスキルのあるスペシャリスト」等にも、学び直しの必要性を理解(納得)してもらう

組織文化の構築を実現するためには、管理職を選出、配置する際にこれまでのような「プレイヤーとして優秀」という要素だけでなく、チームとして成果を出すことができるか、部下や後輩の成長を共に喜ぶようなメンタリティを持っているか等、優先すべきコンピテンシーの見直しが必要となるでしょう。

ポイント3.学びを後押しする、制度と施策の実施

ポイント1、2考慮したうえで、経営層に働きかけることもしながら人事制度や施策の中で、現場の学びの促進を後押しし、管理職をサポートすることが大切になります。

たとえば、2で掲げた学びの組織文化を構築するプロセスは、現場管理職や部門長1人が行うことは極めて困難です。人事部門のメンバーが間に入りながら部門横断的に実施する方が効率的であり、多くの賛同を得られるでしょう。

後編は、上記を踏まえ、リスキリングを推進するための具体的な施策案を紹介いたします。

>>>リスキリング(リスキル)とは?企業が抱える課題や人事が押さえるべきポイントを解説【後編】

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