変化したビジネス環境で戦える高いヒューマンスキルを備えた管理職を目指そう!
今の管理職研修は本当に大丈夫か? よくある落とし穴と解決のヒント
2021年も下期に入って階層別研修が多忙の中で、同時に来年度のプラニングに着手している人事育成担当者が多いです。しかし、困ったことに管理職研修を「今までどおり」「去年と同じ」にしようと思っている担当者が少なくありません。どう考えても、これだけ変化の激しいビジネス環境であるのにも関わらず変えなくて良いはずがないです。
「お客様の要望が変わっている」「社員のニーズが変わっている」「マネジャーに求められていることが変わっている」…
その変化に上手に対応して良い成果を出すのは管理職の役割ですが、人事や研修担当者の皆さん、本当に研修を変えなくても良いですか!?
目次
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- 現場の管理職の役割は大きく広がった
- 管理職研修の4つの代表的な落とし穴
落とし穴1:内容が「マネジメント知識やMBA中心」になっている
落とし穴2:内容が「従来のマネジメントの基本」に偏っている
落とし穴3:研修形態は集合研修主体で一部リモート研修
落とし穴4:内容が「講義とインプット」中心になっている - まとめ
現場の管理職の役割は大きく広がった
従来、管理職の役割は大きく分けて次の4つがあります。①と②がメインで③と④は兼任です。
①ラインマネージャー:経営計画実現のためチームの目標達成に責任を持ち、リソースの最適運用を行なう → 定番の管理職研修の主たる対象分野 ②エキスパートマネージャー:特定分野の知識・スキルを発揮して実務目標を達成する。 ③トレーナー:チームメンバー能力向上のため現場OJT、職場での日常の指導を行なう。 ④トラブルシューター:想定外のあらゆることへリアルタイムで対応する。 |
しかしビジネスも社内業務もリモート比率が拡大し、完全にコロナ禍以前には戻らない環境で、(これまでも叫ばれていた)重要な3つの役割(⑤⑥⑦)への期待が非常に高まっています。
⑤コーチ:エンゲージメントが低い不安な社員のモチベーションを上げて成功へ導く。 ⑥イノベーター:メンバーを率いて新分野(事業・顧客・商品・サービス)を切り拓く。 ⑦リーダー:従来の(対面を主体とした)リーダーシップを遥かに超える高いコミニュケーションスキルで海外・国内に離れている組織やプロジェクトのメンバーをリードする。 |
容易に理解できますが、⑤⑥⑦に共通しているのは、メンバーの「安心感」「ついてゆきたいと思わせる気持ち」「持っている能力を引き出す」といった働きかけを行う、“高いレベルのヒューマンスキル”です。コミュニケーションツールの土台であるデジタルスキルが重要なのは言うまでもありません。
管理職研修の4つの代表的な落とし穴
この大きく広がった管理職の役割を踏まえ、自分の担当している研修が大丈夫かどうかをぜひ確認してください。
落とし穴1:内容が「マネジメント知識やMBA中心」になっている
定番の管理職研修はこの図のように必要なマネジメントテーマを月一回ペースで少しずつ触れるイメージです。
テーマとしてどれも悪くはないですが、管理職として即戦力になるためのスキルが欠けています。繰り返しになりますが、今最も求められていることは「高いレベルのヒューマンスキル」です。例えば
- 早い環境変化を察知し、緊急な課題と捉えて対応する
- 国内外、グループ会社の多様なパートナーと上手に付き合う
- エンゲージメントが低い、不安な社員のモチベーションを上げる
- 接する機会の少ないメンバーを育成する など
わざわざ研修に参加させるなら職場で即役立つ、今困っている課題の解決となる内容にしましょう。それがヒューマンスキルです。
また、課題図書やeラーニングで知識のインプットは十分にできるので、講師と他の受講者と一緒に研修をするならヒューマンスキルは一番価値があります。
落とし穴2:内容が「従来のマネジメントの基本」に偏っている
「ドラッカーのような基本を押さえましょう」という考えは悪くないですが、関連の書籍はいくらでもあるし、相談できる先輩も多いし、各マネジャーは自分の経験もあります。
今後求められるテーマはノウハウ・経験・相談できる先輩の少ないテーマです。例えば、
- デジタル:デジタル化によってどんどん変わるツール、サービス、ビジネスモデルをうまく使って価値を出すマネジメントが必要です。
- イノベーション:今まで良かった事業だけでは、なかなか成長が期待できないケースが増えています。今までと違う、過去になかった新しいことをチャレンジできる社員とそれを上手にマネジメントすることが必要不可欠です。
- グローバル:今まで国内で完結できた部門でも外国のパートナーと英語で仕事をしないといけないケースが増える一方です。一部のグローバル人材だけではなく、多くの社員がその対応ができるようなマネジメントが必要です。
- ダイバーシティー:様々な観点から見て、関係者がより多様になっています。それぞれのニーズをうまく掴んで、対応できるようなマネジメントも当然必要です。
どれも世界的にも最重要課題で、簡単に解決することは難しいですが、管理職にマスターしてもらいたいなら研修のテーマとして前面に押し出した方が良いです。
落とし穴3:研修形態は集合研修主体で一部リモート研修
どの調査を見てもコロナ前のようなほぼ全社員が対面で働くワークスタイルに戻りそうもないです。海外拠点や他の事業所とのコミュニケーションを取りたい場合に毎回出張することもないでしょう。やはり対面とリモート、同期と非同期のようなハイブリッドになりそうです。そのような環境での良いマネジメントを体験したことのない管理職に見本を見せることが極めて重要です。研修形態にもこのようなバリエーションを入れましょう。
- 参加型、演習中心、インタラクティブなリモート研修
- 集まらないとできない交流と人間関係構築につながる対面研修
- 隙間時間でもできる便利な自己学習
- ITを使った活発な非同期コミュニケーション
そうすると、管理職が研修スタイルを現場で真似するだけでマネジメント力が上がります。逆に言えば、こうした良い見本を見せないと研修をする意味がだいぶなくなります。
落とし穴4:内容が「講義とインプット」中心になっている
管理職研修だけではないですが、研修の長年の課題は「研修効果が得られない」です。
- 「良いことを学ぶが職場で使わない」
- 「わかるけどできない、職場でやらない」
これは研修がインプットだけで、アウトプットを出していないからです。
もうこのような行動変容や成果につながらない研修は許されないはずです。
具体的な解決ヒントの要点は
- 月一回ペースで実施している毎月の(集合)研修の合間に「職場実施」を入れる
- 研修期間中に職場で研修内容を活かせているか、人事か研修担当者が定期的に確認やフォローを行う
- 職場でうまく活用できるように受講者の上司を巻き込んでサポートしてもらう
- 研修の最後に今までの活動と得られた成果を経営層に発表させる など
イメージは下記のとおりです
まとめ
改善点はいろいろありますが、一言でいうと「今までの管理職研修のままだとダメ」だということです。
最低ラインのやらないといけないことは
- 内容をヒューマンスキルに重点を置く
- 今後求められる能力を身につけさせる(イノベーションなど)
- 研修を通じて効果的なハイブリッドマネジメントを体験させる
- 研修期間中に即職場で実践して、成果を出してもらう
ぜひこの4点を取り入れて素晴らしい管理職研修を企画してください。
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