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GAFAMの働き方と人事について

世界の時価総額ランキングで上位にランクし、私たちの日常生活におけるサービスでも身近な、GoogleやAmazon、Facebookらの米IT企業は、どのような人事・労務を行っているのか。@人事読者の関心が高いこのテーマについて村上英治氏が紹介します。
村上氏は、外資系証券会社で10年以上勤務し、世界経済や外国企業について考察を行ってきた経済学、資産運用のエキスパートです。人事や業績などが株価に影響する観点から米国企業の分析にも精通しています。
今回はGAFAMの採用、働く時間と場所について解説します。

目次

  1. はじめに
  2. GAFAMにおける採用
  3. 労働時間の自由度
  4. 労働場所の自由度
  5. まとめ

はじめに

米5大ITと称されるGoogle,Amazon,Facebook,Apple,Microsoft(GAFAM)は、世界的に大きな影響力を及ぼす企業として私たちの生活やビジネスにおいて欠かせない存在になっています。

そんな世界のデジタルを支配しているGAFAMは、働き方も合理的で生産性が高いことで注目されています。

より良い人材を確保、仕事の効率アップ、時代にあった労働環境の変化の受け入れについてGAFAMの人事はどのような対応をしているのでしょうか。
GAFAMの働き方を取り入れることで、今までの概念を覆すような発想を得ることができます。この記事では、GAFAMの人事について紹介していきます。

GAFAMにおける採用

近年、大学を卒業しないと良い会社に入れないと言う定義は、崩れつつあります。実際にGAFAMのうち、GoogleやAppleは4年制大学の卒業を、採用条件としていません。

確かに学歴は、採用におけるわかりやすい判断基準とはなりますが、学歴だけで判断し、優秀な人材を逃してしまうこともあります。
また、社会に出た時に、いくら学歴が優秀であっても仕事ができることに直結しているわけではありません。
確かに学歴で判断するのは、採用する側にとっては非常にコストや手間がかからない判断基準であったといえますが、今後は学歴に対する価値観がそれほど重要視されなくなると考えられます。

それを裏付けるように世の中には、大学中退や、高卒などの”低学歴”の人々が企業し、多大な成功をおさめた例も、たくさんあります。
Microsoftの創業者であるビル・ゲイツをはじめAppleの創業者スティーブ・ジョブズ、Facebookの創業者マーク・ザッカーバーグは、大学を中退して成功を収め世界に大きな影響を与えた企業者たちです。
Googleの元人事担当上級副社長であったラズロ・ボック氏は「学校に行かずに自分の道を切り開く人々の中には、並外れた人材がいる」と語っています。

そのような人材を見つけるために手を尽くすことが、より良い人材確保に繋がるのです。

労働時間の自由度

現代の日本社会に置いて過重労働は改善するべき重要課題となっています。日本では、働き方改革関連法が施行されたものの、いまだ古くからの慣例の影響か、残業することで上司からの評価が上がる企業もあり、まだまだ残業に対する価値観の変化が求められています。
では、世界の企業の労働時間はどうでしょうか。Googleでは、労働時間を問われません。時間で管理するのではなく、生産性の高さを重視しているのです。

確かに長時間労働したからといって、それが良い結果に繋がるわけではありません。人が何かに集中して取り組んでいられる状態を「フロー状態」といいます。

フロー状態に陥ると我を忘れてしまうぐらいに集中して作業に取り組むことができるので、必然的に生産性が上がります。ですが、ホワイトカラーの人の場合、1日8時間労働したとして、そのうちの30分ほどしかフロー状態にならないそうです。

そもそも時間で労働を管理するという考え方は、工場やレストランなど「決められた作業の中でどれだけ質の良い作業ができるか」という職業に適用するものであって、営業職や企画職、管理職などに当てはめてしまうと非常に効率が悪くなってしまいます。
それよりかは、短時間労働にして、フロー状態を30分から90分に維持することで長時間労働したときよりも高い生産性を得ることができるのです。働いた時間ではなく、どれだけ生産性を上げられたかということに着眼点をシフトする事だといえます。

労働時間を減らす取り組みとしてMicrosoftジャパンは、2020年、週4日勤務を実施しました。労働時間が世界ワーストワンとも言われる日本で、週休3日を実現したのです。
休日を増やすことで業務に影響が出るのでは?と思うかもしれませんが全く支障はなく、休養を多く取ることで、家族サービスや自身のスキルアップ、社会貢献などに時間を費やすことができるため創造性や生産性が向上しているそうです。
さらに無理な労働が減る分身体や精神の健康に繋がり、退職率を減らすという効果も期待できるのです。

このような取り組みは社員からも高評価を得られるため会社との信頼関係の向上にも繋がり、結果的に作業効率が上がることが予想されます。

労働場所の自由度

コロナでのリモートワークを契機に、フルリモートを含むリモートワークを恒久化する動きも出てきて、実際に在宅勤務を標準化した採用を実施している企業や無期限で在宅勤務を許可している企業も増えてきています。

さらに、リモートワーク環境を整えるための、資金面での援助施策を考案している企業もあります。

Googleでは、在宅勤務を継続する従業員に一律1000ドルを支給するなどの取り組みをしていたり、Facebookでは、リモートの体制を整えたうえで、従業員の半数程度がリモート勤務できる環境にしていくと示していて、それに伴い税制面でかかる負担を会社が負担する制度を取り入れています。

リモートワークするメリットとして、コロナ感染対策以外にも通勤する必要がないので時間や疲労を削減できること、自宅だけではなく、ホテルやカフェ、自然に囲まれたキャンプ場など好きな場所で作業することができること、ZOOMなどを利用することによって気軽に打ち合わせが出来るため、コミュニケーションをとる回数が増えること、などが考えられます。

今後は、オフィスで仕事をするという概念にとらわれずに、従業員が最大限力を発揮できる環境を提供していくという考え方を持つことが大切になってきています。 

まとめ

私たちの概念を覆す経営方針を打ち出しているGAFAMは、今後も成長を続ける企業として注目を集めています。

実際に世界時価総額でも常に上位にランクインしているGAFAMは非常に人気の高い米国株として、株式市場の中心に立っています。
この5社による影響力は強く今後も世界をリードする企業として発展していくことでしょう。そんなGAFAMの人事は、未来を創りだす働き方としてどんどん変化していくと予想されます。
働き方改革や、優秀な人材確保のために、参考にしてみてもいいかもしれません。【おわり】

※記事内の画像はすべてイメ―ジ

執筆者プロフィール

村上英治(むらかみ・えいじ)
外国の株式・通貨取引のエキスパートです。米国企業の分析を得意とし、人事や業績などが米国株へ与える影響などについて研究しています。
近年日本では、「過労死」や「ブラック企業」などが問題となり、多くの企業で働き方改革への動きが本格化しました。さらに新型コロナウイルスの影響で、テレワークや時差出勤など、働き方に大きな変化が生じました。そこで、今回は、今後の人事や社内労働改革に役立つような、米5大企業GAFAMの人事や働き方についてご紹介します。

■経歴概要
外資系証券会社で10年以上勤務し、世界経済や外国企業について考察を行ってきた。経済学、資産運用のエキスパート。

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