@人事編集部 × イーディアス採用コンサルティング事業部

中途採用体制の見直しと有効なツール「採用ピッチ資料」「採用サイト」の生かし方

中途採用のオンライン化を踏まえ、今の取り組みを見直すヒントをまとめました

中途採用市場は、紙媒体が衰退し新しいWeb媒体の台頭、転職者の情報収集力の高まりなどの変化が起きています。市場の変化を受け入れつつ、どのような対策を打っていくか今後の成果を左右します。
また、採用活動(転職活動)のオンライン化が進んだことで、うまく対応できている企業とそうでない企業との差も明確になりつつあります。オンラインでのコミュニケーションが一般化したことや、「転職潜在層」が増えたことにより、採用サイトをはじめ、リファラル採用やアルムナイ採用、タレントプール活用など、一段上の中途採用の仕組みを導入しようとしている企業も増えています。

このコラムは、昨今の中途採用市場に有効な、“いますぐ” 取り組みたい代表的な施策「採用ピッチ資料」と「採用サイト/ページ」の制作と活用方法について事例を交えながら具体的に解説します。
オンライン採用を強化したい方、人材紹介やナビ媒体だけでなくリファラル採用にも取り組みたいと考えている方にも役立つ内容です。

※この記事は、企画・制作を@人事編集部と株式会社イーディアスの採用コンサルタントが担当した、2021年10月25日公開の@人事e-book「採用市況を踏まえた中途採用体制 見直しポイント【採用ピッチ資料作成と採用サイト活用の解説付き】」の内容を編集して構成しています。

目次

  1. 昨今の転職市場/中途採用市場
  2. いま求められる中途採用の考え方
  3. 採用手法の多角化・ツール併用の一般化
  4. 中途採用の取り組みステージ〜自社はどのレベル?
  5. 採用ピッチ資料とは
  6. 採用ピッチ資料の制作方針
  7. 採用ピッチ資料の制作時のポイントと事例
  8. 採用サイト/ページ

昨今の転職市場/中途採用市場

いま、転職市場(中途採用市場)はどのよう状況にあるのか。人事担当者、競合企業、求職者といった「ステークホルダー」と、求人広告媒体、人材紹介といった「採用手段」の両サイドから考察します。

ステークホルダー

人事担当者(抱える課題)
●発信のプロではないため何を打ち出していいかわからない  ●採用手法の多様化
●作業負担増  ●費用対効果の不透明な施策への対応  ●量を増やすよりも、質を高めたい
●欲しい人材からの応募が無い  ●媒体出稿しても応募が少ない  ●予算を増やしても採れない
●面接に来ない、辞退が多い  ●どこに課題があるのかわからない ●知名度が低く見つけられない
●専門職種の応募が少ない  ● 応募者の偏りがある  ●応募経路が複雑で対応しきれない
●ミスマッチ(ムダな面接)がある  ●内定辞退率が高い  ●入社後の定着率が悪い
競合企業
●コロナ禍~徐々に景気回復へ/採用増/質への転換/競争激化
●採用サイト保有企業の増加
●媒体ではなく自社サイトへの囲い込み
●企業規模のより強い会社が強くなりやすい(総力戦)
●一方で、企業規模と関係なく採用力の強い会社が出現
求職者
●オンライン面談等で一社を深く知る機会の増加
● 多くが転職を意識して働く「転職潜在層」
● 短期間で大量の情報収集
●イメージ先行の会社選び
●大量の選択肢(媒体・就活方法)
●知りたい情報と実際に知った情報に乖離
●情報収集方法の変更~スマホ、SNS~

 

採用手段

中途採用の代表的な採用手段である「求人広告媒体」と「人材紹介」については、それぞれの弱みと強みを押さえておきましょう。

求人広告媒体

POINT求人媒体ごとの機能的な差は小さい。メリットは圧倒的に少なくなってきており、過度な偏重はリスクに


人材紹介

POINT高度人材には有効性が高い。ただしコントロールは全くできないため紹介のみに頼れば採用計画は未達も

昨今の転職市場をとりまく採用環境のまとめ

●紙媒体の衰退、新しいWeb媒体の台頭
●採用コストは上昇の一方
●転職者の情報収集力の大幅アップ
●不人気業種の極端な採用難

⇒市場の変化を受け入れて、トータルプロモーションで中途採用を変える!

いま求められる中途採用の考え方

採用手法の多角化や求職者のニーズ変化に伴い、中途採用は「マーケティング的発想」での複合的な取り組みが成否を分ける市況になりました。

「採用ブランド力がある」とは、ターゲットにおけるマインドシェアが競合よりも高く、自社を選択してもらう力が強い状態のことを指します。取引先や消費者などに対する「自社ブランド」よりも作り出すことが容易であり、採用の成否に直結する力であるため、意識的に作っていくことが必要です。

中途採用で成果を出すための考え方

☑できることが限られる中途採用では小さな仕掛けが大きな差を生み出す。
☑採用競争に打ち勝つ情報発信戦略で、採用力を高めることが必要。
☑予算と施策のポートフォリオ組み換えが重要に。

⇒マーケティング思考で採用ブランディング。ナビ媒体以外の手法との組み合わせで、応募者の数×質を上げる!

採用手法の多角化・ツール併用の一般化

ナビ媒体への出稿や人材紹介のような従来の手法に加え、さまざまな採用手法があります。
必要なときに適した人材を採用するためには、即時採用に適した手法の利用だけではなく、すぐに転職活動はしないものの「転職潜在層」として常に情報収集している人材に対する継続的な情報発信として“求人情報の常設開示” できる手法を併用することが一般化しています。

⇒すぐに転職活動はしないが常に情報収集している「転職潜在層」へ継続的な情報発信を行うのが、当たり前に。

中途採用の取り組みステージ〜自社はどのレベル?

さまざまな採用手法はあるものの、戦略的な活用に成功している企業はごくわずかです。
採用力の高い会社=レベルの高い採用の仕組みができている会社です。また、ステージレベルが高い施策ほど、オンライン採用との相性がいいという実態もわかってきました。オンラインでのコミュニケーションが一般化したこと、転職潜在層が増えたことにより、高いステージの仕組みの導入を検討している会社が増えています。

現在の取り組みレベルを踏まえ、オンラインコミュニケーションの波に乗り遅れることのないよう、
⇒中期的な取り組みにチャレンジするなら「いま」。

採用ピッチ資料とは

転職潜在層の急増やオンラインコミュニケーションの一般化等の外部環境の変化や、中期的に取り組むべき採用手法の必要性を踏まえ、「認知」~「選考」のフェーズに有効な『“採用情報の常設開示”機能も担う』採用プロモーションツールの「採用ピッチ資料」「採用サイト/ページ」を紹介します。

採用活動全般で活用でき、カスタマイズ性に優れた“最も使い勝手の良いツール”「採用ピッチ資料」

採用ピッチ資料は、企業理念や事業内容を体系立てて整理できるだけでなく、視覚的に表現でき、詳細な情報も網羅的に伝えることができます。
以下のような特徴があることを押さえておきましょう。

  • 目的・用途を限定せずとも制作でき、さまざまなシーンでの活用を想定して構成を組むことで、制作後に採用担当者自身でカスタマイズして利用することができる。
  • 情報を追加していくことも可能。文字ベースのスライド制作はテンプレを用いて社内で拡充していくことや、最新情報への更新が容易に行える。
  • 採用サイトや動画のように、容易に修正・情報追加ができないツールとは異なり、その時伝えたい情報に合わせ自社ですぐに修正しながら活用できる即効性がある。

採用ピッチ資料の制作方針

採用ピッチ資料を制作するときの3つのポイントとよくある失敗を紹介します。

ポイント01 訴求内容は適切か

●採用ターゲットや採用方針などを考えた上で、発信すべき情報は何か、どう魅せるべきかを設計した上で制作を行う

よくある失敗|時間がないのでよく考えずに会社を紹介すれば良いだろうととりあえず作った
       ⇒自社が伝えたい情報ばかりの相手に響かない資料に…

ポイント02 伝わりやすいか

●見せ方により分かりやすさ、読みやすさは全く異なる
●デザインが古かったり、整っていないだけでマイナスイメージになる
デザインやビジュアルは印象を大きく左右するので正しく伝わるよう制作する

よくある失敗|プロのデザイナーに頼まず、デザイン知識のない人が制作した
       ⇒自社が伝えたい情報ばかりの相手に響かない資料に…

ポイント03 運用しやすいか

●ピッチ資料は使用用途が広い=用途に合わせてスライドを抜き差し、編集する
●最新の状況や求職者/学生のニーズに合わせて資料内容は都度修正していくべき
編集しやすい仕組み、自社内で編集しても資料のクオリティを保つ仕組みが必要

よくある失敗|運用を考えずに制作した
       ⇒自社が伝えたい情報ばかりの相手に響かない資料に…

⇒オンライン環境でのコミュニケーションに合わせたデザインはもちろん、利用タイミングやターゲットに応じた情報構成を設計し、効果のあるものにするにはノウハウ/スキル/労力が必要です。

採用ピッチ資料の制作時のポイントと事例

採用ピッチ資料は単なるスライドではありません。どのような目的・シーンで利用するかによってアウトプットがかわります。汎用性の高さ、主軸とするターゲットの転職活動における態度変容に合わせた情報設計、各デバイスで見た時のわかりやすさなど、検討ポイントは複数あります。

POINT 01 フルスタックで制作

利用シーンによって発信すべきメッセージを選定し、スライドを入れ替えて使用する

用途例
●採用サイトへの掲載
●ナビ媒体/スカウトメールへの添付
●人材紹介会社へのプレゼン
●面接前後の情報提供
●社内共有

POINT 02 視覚的な情報による理解促進

人間の5感は視覚が8割以上を占めると言われています。
(味覚 1.0%、触覚 1.5%、臭覚 3.5%、聴覚 11.0%、視覚 83.0%)
⇒ページ数を減らし、視覚で訴える「わかりやすさ・理解促進」を優先する

採用サイト/ページ

中途採用“専用” の採用サイト/ページは、求職者が自分のタイミングで情報収集する際に参考にするもっとも重要な情報発信ツールです。オンラインコミュニケーションが主流の今、採用サイト/ページでの情報提供が企業イメージをつくります。

採用サイト/ページで「できること」と「変わること」

できること

  • 作ったコンテンツの資産化効果で都度コストからの脱却
  • 訪問者の分析は自由自在。だから、改善ができる
  • 求人媒体ではできない自由でオリジナリティ溢れる表現
  • 期間もページも無制限。だから必要なことを必要なだけ伝えることができる
  • キャリア登録機能による潜在求職者の抱え込み
  • 応募者専用ページでセンシティブな情報も発信可能
  • 応募者管理機能で面接対応や書類選考が容易に
  • 自社の魅力をしっかり伝えられるから企業の大きさや知名度に左右されない

変わること

  • 自社の強みを確実に訴求可能
  • 採用の効率化/省力化
  • 自己応募の増加
  • 求人媒体の効果が上がる
  • 採用ミスマッチの低減
  • 書類選考、面接の精度向上
  • キャリアチェンジ人材の関心を喚起
  • 応募者の家族などステークホルダーへの訴求
  • 採用予算の削減

採用サイトによる「採用ブランディング」で長期的な関係性維持・構築を目指す

採用ブランドの構築が必要!
訴えたいブランドイメージを打ち出し続けていくひと工夫で他社と差別化ができる転職活動を始める「まで」のブランディングが必要
例)オウンドメディア型情報発信

長期関係性構築のためのコンテンツ
キャリア登録、募集開始アラート機能、ブログ更新登録、メルマガ登録、チャット質問機能、SNSフォロー、オウンドメディア化…etc.

いかに魅力的に、求職者にとってのメリットを発信できるかが重要。

採用ブランドの構築
転職市場における自社の市場価値を理解する必要があります。経営戦略から落とし込んで、打ち出したい自社の特徴(求職者にとっての選択軸)を明文化していきます。

求職者の企業選択軸
認知度・ブランド、業界、企業規模・安定性、職種、価値観、一緒に働く仲間、採用担当スタッフの魅力、会社の評判、自分が活躍できるか、待遇、成長支援、地域

自社を売り込むのではなく、軸を売り込むことが必要です。

見せ方・伝え方は伝える人次第

「結局は企業力で差がつくのでは」と考えてしまいがちですが、採用においてはそうではありません。
「社員数20名ほどの会社が予算200万円で700人以上の応募があった」、「設立3年目の地方企業であるにも関わらず直近入社の6名は極めて優秀なエンジニア」といった、規模や一般的な知名度によらない採用事例は枚挙に暇がありません。採用活動を有利にすすめるためだけには変えられないものは多くありますが、一方で見せ方や伝え方、伝える人によって魅力的に見せることはできます。また、採用ブランドに関してマイナスをゼロにすることも可能です。【おわり」


e-bookでは、今回紹介しきれなかった、採用サイト/ページの活用方法や自己応募を増やすタレントプール機能などを紹介しています。

【画像】@人事e-book「採用市況を踏まえた中途採用体制 見直しポイント【採用ピッチ資料作成と採用サイト活用の解説付き】」より

記事企画:株式会社イーディアス、制作:@人事編集部

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・株式会社イーディアスの「採用コンサルティング」(@人事サービスガイド)
https://at-jinji.jp/service/1/1

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