@人事編集部 × イーディアス採用コンサルティング事業部

今だからこそ見直しを。課題解決に役立つ「採用サイト」の制作・リニューアルのポイント

採用プロセス全体の改善にも貢献

学生がどの就活段階・心理状態であっても、いつでも欲しい情報にアクセスできる、立ち戻れる場所、それが「採用サイト」です。
学生はオンラインでさまざまな活動をしながら情報収集を行います。その際、採用サイトは「情報の集積基地」になり、採用母集団形成に効果を発揮します。また、採用プロセス全体の改善にも貢献するほか、最大1年半に及ぶ採用活動の中で、自社の採用ブランドを育てる「醸成機能」を持ちます。

このコラムでは、『採用サイト』の制作・リニューアルのポイントを解説。効果的な採用サイトを作り、活用することで、採用プロモーション全体へ良い効果をもたらすだけでなく、採用担当者がコア業務に集中するためのリソース捻出も期待できます。

※この記事は、企画・制作を@人事編集部と株式会社イーディアスの採用コンサルタントが担当した、2021年9月17日公開の@人事e-book「採用課題を解決する『採用サイト制作/リニューアル』の指南書【採用サイト評価項目入り】」の内容を編集して構成しています。

目次

  1. 採用活動の成否は、情報発信戦略で決まる
    ・採用プロモーションの主軸となる採用サイト
    ・採用ブランドを育てる採用サイト
  2. なぜ、いま採用サイトなのか
    ・オンライン就活一般化への適応
    ・「まずは検索」のZ世代との価値観フィット
  3. 採用サイトでできること、変わること
    ・採用サイトがもたらす効果
    ・採用サイトで行う母集団のクオリティコントロール
  4. 採用サイト制作のポイント
    ・モバイルファースト
    ・コンテンツボリューム
    ・効果検証で「情報の資産化」を目指す
  5. 良い採用サイトとは
    参考:「採用サイトランキング」

採用活動の成否は、情報発信戦略で決まる

採用プロモーションの主軸となる採用サイト

就職活動のなかで求職者が企業の情報収集に利用するツールは多様化しています。求職者(学生)の態度変容に合わせた情報発信を行い、母集団を戦略的に育成するのが採用プロモーションです。
学生がどの段階・状態であっても、いつでも欲しい情報にアクセスできる、たち戻れる場所、それが採用サイトです。

採用サイトは、
ほぼ全てのフェーズで学生の態度変容のきっかけ・動機形成につながる情報提供が可能なプラットフォームです。

採用ブランドを育てる採用サイト

「採用ブランド力がある」とは、ターゲットにおけるマインドシェアが競合よりも高く、自社を選択してもらう力が強い状態のことを指します。取引先や消費者などに対する「自社ブランド」よりも作り出すことが容易であり、採用の成否に直結する力であるため、意識的に作っていくことが必要です。

採用サイトは、
最大1年半に及ぶ採用活動の中で、自社の採用ブランドを育てる「醸成機能」を持ちます

なぜ、いま採用サイトなのか

オンライン就活一般化への適応

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、感染リスクが高い学内セミナーや合同説明会は規模の縮小や開催形態の再考を迫られました。今後はオンラインを活用したアプローチ方法が主流になることが予想されます。

オンラインを活用した母集団形成が重要に
コロナウイルスの影響による経営状況の悪化や今後の景気後退の懸念から、採用数を絞り、即戦力となる優秀層を早期から囲い込む企業が増加することも予測されます。リアルな場での説明会やセミナーなどの手段が困難になる状況で、オンラインセミナーの実施やダイレクトリクルーティング、逆求人サービスなどのオンライン手法の積極的な活用が人材獲得のカギとなります。あわせて学生への認知拡大、自社の理解促進をオンラインで行う体制の準備も必要です。

●オンライン化が加速すると想定される母集団形成の手法

採用サイトは、
学生はオンライン下でさまざまな活動をしながら何度も情報収集に訪れる「情報の集積基地」になる。

「まずは検索」のZ世代との価値観フィット

今後、新卒採用の対象になる世代の学生は、私たちとは全く異なる環境、時代背景を過ごしてきており、価値観や就労観も当然違うものです。
この世代の学生の志向は「自分に合う」ことが価値観の優先順位上位を占めていることから、求める人材を含む母集団形成ができ、シンプルに自社と学生の価値観マッチングを実現できれば、実は採用難易度はそれほど高くないのです。
※Z世代とは
1996年から2015年の間に生まれた世代(2021年現在:〜25歳)、世界全体では人口の4分の1を占める

採用サイトは、
日々大量の情報にアクセスする習慣を持つ世代の志向に合うよう、ナビ媒体のような企画化された情報ではない「自社独自の情報」を発信することができます。

採用サイトでできること、変わること

採用サイトがもたらす効果

採用サイトは採用に関する情報発信のプラットフォームです。掲載形式がパターン化したナビサイトは集客ツールとして捉え、採用サイトで応募者をフィルタリングし、次のアクションを促します。
採用サイトがもたらす効果を理解し、設計段階で「採用サイトでどんな課題をどのように解決するか」を考え、コンテンツ企画・運用計画を練っていきます。

採用サイトで行う母集団のクオリティコントロール(1)

自社にとって「良い母集団」ができれば採用効率は、一気にあがります。
「良い母集団」とは、採用母集団が必要十分な「量」が確保され、その中のターゲット含有率が高い母集団を指します。採用サイトでの情報収集活動を通じ、学生自ら「応募者として適しているか」を判断させることで、採用担当者が手を動かすことなく「良い母集団」形成のクオリティコントロールを行います。

⇒RJP※をコンテンツや表現に盛り込むと同時に、その他施策と連動させることで、母集団をコントロールすることができる。

※RJP(リアリスティックジョブプレビュー)とは?
応募増加事前の情報提供によってミスマッチや応募をコントロールし、次の効果を期待する施策です。
(ワクチン効果・セルフスクリーニング効果・コミットメント効果・役割明確化効果)

採用サイトで行う母集団のクオリティコントロール(2)

採用サイトを活用した施策(情報提供の工夫)を行うことで、母集団形成時の課題解決に効果を発揮します。

採用サイト制作のポイント

モバイルファースト

Z世代を対象にした採用サイトはスマートフォンに最適化する=モバイルファーストであることは必須です。

※モバイルファーストとはユーザーの利用状況などの情報を元にWebサイトを設計し、スマートフォンでもストレスなく利用できるデザインにすること

●大学生のデバイスの利用時間の割合

【図】「キャリタス就活 大学生のインターネットおよびスマートフォンアプリ利用実態調査」をもとに作成

また、ターゲットの利用デバイス・シーンに合わせた設計が必要です。

スマホサイトとPCサイトではレイアウトや操作方法、利用シーンが大きく異なります。そのことに配慮してモバイルファーストで情報や画面の設計を行います

スマホサイトの利用シーン
● 移動中・出先で見る→すぐに連絡をとりたい
● 短時間でチェックする→素早く概要を把握したい
●スキマ時間で見る→大事なポイントだけ確認したい

PCサイトの利用シーン
●デスクで座ってみる→情報収集をする
● 時間をとって確認する→内容をしっかり確認したい
● 画面に集中してみる→詳細を把握して比較検討したい

コンテンツボリューム

Web上での情報収集を習慣的に行うZ世代学生は、採用サイトへの期待値が高い世代とも言えます。
「あって当たり前」の情報がないことは不満につながります。短期の情報発信を行うSNSやLINEなどのツールを併用していない限り、採用サイトでは予算とリソースを考慮しつつも、可能な限り「情報の網羅性」を意識してコンテンツボリュームを調整しましょう。

また、こだわってつくったコンテンツの中で最もターゲットのリアクションのよいコンテンツを資産化し、他の採用ツールやインナーブランディングの際に活用しましょう。

コンテンツ開発/企画時のポイント

・自社が属する業界は、学生が詳しくわかる業界だろうか?
・自社が生み出している価値や存在意義は、学生の動機形成に繋がる要素だろうか?
・自社は、採用担当者が説明せずとも客観的な情報が様々得られる規模や知名度だろうか?
・業界や職種、地域軸だけで選ばれてしまって、それでいいのだろうか?
・自社に合うかどうかを考える機会は、エントリー前に提供できているだろうか?
・やりがいや魅力は、学生が理解できる言葉、ビジュアル(デザイン)で提供されているだろうか?

⇒学生自身が取捨選択をできる十分な情報があることで、無駄な応募を減らし、質の高い学生にのみリソースを投下できる。また、選考時の動機付けの精度も高まる。
>>>内容の薄い採用サイトは、百害あって一利なし

効果検証で「情報の資産化」を目指す

Webサイトでは、ユーザーの行動に関するデータがわかります。例えば、「サイトの訪問者数はどれくらいか」「訪問者はどこから来たのか」「どの時期にどのコンテンツが見られているか」などを計測することができます。
データに裏付けされた効果を測定しつつ、学生の活動傾向や人気コンテンツを特定し、有用なコンテンツを「情報資産」として他の採用プロモーションに転用・活用していきましょう。

採用サイトで調査できること
エントリー学生の特徴、興味関心の方向性
エントリーに結びつかない学生の特徴やその原因となったコンテンツ
動画は、どこを見たか、飽きられたのか
どの時期に、どんなコンテンツが人気だったか。それらはエントリーに結びついたのか
ターゲット層に響いたコンテンツは何か
前年/前月/曜日ごとの各種データとの比較
(配付資料にQRコードで)どのイベントが見てもらえたか、どの層が見てくれたのか、どの資料が効果的だったか
(診断や判定系コンテンツで)ある特定コンテンツを経由した学生のエントリー率や傾向
・E
S、選考に進んだ特定学生が、見たページ、見ていないページ、事前調査の深度
SNSでの広まり方、効果

また、採用サイトは効果検証が明確に・定量的にできます。

下記は効果検証サイクルの例です。

効果検証ツールの設置例:ヒートマップの導入

ヒートマップとはユーザーがサイト内のどこを見ていたのか(行動)を可視化するツールです。導入する場合は有料ですがABテストを繰り返すよりも費用対効果が高い検証ができる可能性があります。

【右画像】出典:「5分で理解。ヒートマップとは? 仕組みと、活用方法を解説。」

良い採用サイトとは

参考:「採用サイトランキング」

イーディアスは毎年、約30,000社のサイトを徹底調査した「採用サイトランキング」を公表しています。
採用サイトの特性から評価項目を策定し、各社の採用サイトの評価・考察を行っています。採用サイトランキングの評価軸を、自社の採用サイトの分析に活用できます。

採用サイトランキング
https://ii-deais.co.jp/ranking/

評価軸について
採用サイトは、見た目だけでは良し悪しを測れません。採用ターゲットを惹きつけ、意図したアクションに導くための設計、必要な情報が過不足なく掲載されている必要があります。

本当に学生が必要としている情報は何なのか、「人的魅力」「働き方・制度」「表現」など、最新の傾向をもとに採用サイトで提供すべき情報に着目して評価軸を設定しています。


e-bookでは、今回紹介しきれなかった、採用サイト制作の失敗例や採用サイトの活用例など解説の詳細版を紹介しています。【おわり】

【画像】採用課題を解決する「採用サイト制作/リニューアル」の指南書【採用サイト評価項目入り】より

記事企画:株式会社イーディアス、制作:@人事編集部

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・株式会社イーディアスの「採用コンサルティング」(@人事サービスガイド)
https://at-jinji.jp/service/1/1

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