エンジニア採用に適した採用手法とは? 特徴とメリット・デメリットを解説
paiza株式会社の倉内愛美です。ここまで本連載では、エンジニア採用の準備として採用要件の決定、エンジニア求人票の書き方についてお伝えしてきました。今回はそれらを踏まえて、エンジニア採用の採用手法をご紹介します。
準備をしっかりおこなっているにもかかわらずエンジニア採用がうまくいかない場合、採用手法が間違っていたり、利用中のサービスを十分に活用できていない可能性があります。
各手法の特徴やメリット・デメリットを見比べて、自社の採用課題を解決するためにはどの採用手法を選ぶべきか、考えてみましょう。
第1回:ITエンジニアの採用はなぜこんなに難しいのか
第2回:エンジニア採用を成功させるには?絶対にやっておきたい求人票作成前の下準備
第3回:応募が来ないのは求人票のせい? エンジニアにスルーされる求人票はどこがいけないのか
目次
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- 5つの採用手法の特徴とメリット・デメリット
(1)求人広告サイト
(2)ダイレクト・リクルーティング
(3)ソーシャル・リクルーティング
(4)人材紹介/エージェント
(5)リファラル・リクルーティング - 採用サービスの総合型と特化型の違い
- まとめ:エンジニア採用手法の選択で大切なポイント
- 5つの採用手法の特徴とメリット・デメリット
5つの採用手法の特徴とメリット・デメリット
ここでは、一般的な5つの採用手法について解説します。
(1)求人広告サイト
求人広告サイトに求人票を掲載して、応募を待つ手法です。掲載に費用が必要な場合(掲載課金型)と掲載は無料で採用できた際に費用が発生する場合(成果報酬型)とがあります。
おもな求人広告サイト掲載費用比較(中途採用)
※2021年8月時点各社公式サイトより
また、大手求人広告サイトであれば利用ユーザー数がかなり多いため、幅広い求職者にアプローチできます。たとえば、リクナビNEXTの会員数は業界最大級の約1,043万人、マイナビ転職の会員数は約623万人となっています。(どちらも2021年8月時点各社公式サイト掲載情報)
メリット
・幅広い層を大量採用したい場合は有利
・求人票を公開したら待つだけなので、採用担当者の負担が軽い
・よく利用される手法で社内にノウハウが蓄積されており運用しやすい可能性が高い
デメリット
・求人票が埋もれやすく、自社の知名度が低いと公開してもなかなか応募が来ない
・少人数採用の場合は採用単価が高い
(2)ダイレクト・リクルーティング
採用企業側から求職者を探し、スカウトメールなどを送ることでアプローチしていく手法です。経験者採用の難しいエンジニア採用では特に従来の「待ち」の姿勢では十分な人材を確保できず、積極的にダイレクト・リクルーティングを実施する企業が増えています。
はじめに紹介した求人広告サイトがスカウトメールサービスを提供していることも多くなってきました。通数や内容、料金など各社特徴があります。
媒体別スカウト機能概要
※2021年8月時点各社公式サイトより
メリット
・転職意識が高まっていない潜在層のエンジニアにもアプローチできる
・経歴やスキルを見て「採用したい」と思った優秀な求職者にアプローチできる
・自社の存在を知らない求職者にもリーチできる
デメリット
・一人一人にスカウトメールを送る必要があるため採用担当者の負担が大きくなる場合がある
・候補者のピックアップにエンジニア募集要件の理解やノウハウが必要
(3)ソーシャル・リクルーティング
ソーシャル・リクルーティングは、SNSを通して採用活動をおこなう手法です。
TwitterやFacebook、Instagramなど日本のSNS利用者は2020年末には7,975万人(普及率80%)に達し、2022年末には8,241万人へ拡大すると言われています。SNSの利用目的は知人・友人とのコミュニケーション以外に「仕事やビジネスで連絡を取りたい」といったものも挙げられています。また、利用者数はもちろん、利用時間も増加傾向にあります。(出典:ICT総研「2020年度 SNS利用動向に関する調査」)
企業のSNS利用というと広報活動や自社のブランディングのイメージが強いと思います。しかし、年代問わずアクティブな利用者も多いSNSは求人情報の発信、求職者とのコミュニケーションツールとしても非常に注目されています。
メリット
・転職意識があまり高くないエンジニアにも広く情報発信できる
・面接や求人票だけではわからない社内の雰囲気や人物像を知ってもらえる
・企業を身近に感じてもらえる
デメリット
・自社の認知度を上げるには常に発信が必要となるので運用コストがかかる
・SNS利用のリテラシー教育や社内に適切な人材を置くコストがかかることがある
・一方的な発言や宣伝ばかりではイメージが悪くなり逆効果になることがある
(4)人材紹介/エージェント
人材紹介会社やエージェントに依頼し、企業と求職者をマッチングしてもらう手法です。採用担当者は募集職種の採用要件を人材紹介会社の担当者に伝え、条件に合致した人材を紹介してもらいます。求職者との面接日程の調整などサポートを受けられることもあります。
メリット
・応募者のピックアップや面接までを担当者が調整してくれるため、自社の採用担当者の負担が少ない
・応募者の転職意欲が高い場合が多い
デメリット
・他の手段と比べると採用1人あたりの費用が高額
・担当者にIT業界の知見がないとスクリーニングができずマッチ度の低い応募者が来る
・採用活動の大半が他社任せとなるため、社内にノウハウが蓄積されない
(5)リファラル・リクルーティング
社内外の人から、知り合いや友人を推薦・紹介してもらう採用手法です。エンジニアはリファラルを利用して友人・知人の会社へ転職するケースが多く、紹介者と転職者の双方に報酬を出すなどの制度を作り積極的に取り入れる企業が増えています。
転職時の行動についてのアンケート調査結果を公開している「HR TECH LAB」によりますと、エンジニアは友人のつながりを利用して転職活動をおこなう割合が実際に多いことが明らかになっています(下図参照)。
出典:「【転職時行動の調査レポート】エンジニアはエンジニア以外の職種と比べて、圧倒的に“友達のつて”で転職活動する」より
具体的に見てみると、他の職種よりも「友達の所属している会社に訪問した」の回答者が約3倍、「友達に他社の人事担当者を紹介してもらった」の回答者が約2倍多い結果となっています。これはエンジニア特有の傾向と言ってもいいでしょう。
メリット
・社員からの紹介では属性が近しい人が多く、人物像やスキル面がマッチしやすい
・転職市場には出てこない人材にリーチできる
・採用コストを削減できる
デメリット
・不採用となった際やトラブルが起きた場合にフォローが必要になる
・同じようなタイプの人材に偏ってしまいやすい
採用サービスの総合型と特化型の違い
求人広告サイトやエージェントサービスを利用する場合、大きく2種類のタイプがあることを知っておく必要があります。
総合型:あらゆる業種・職種の求人を幅広く扱う、ユーザー数が比較的多くサービス自体の知名度が高い 特化型:業種・職種・地域などを限定して扱う、専門的なスキルを有した求職者がいる一方、求人数が少ないため利用ユーザーそのものも少ない |
エンジニアのような専門職を募集する場合は、特化型サービスを利用したほうが要件にマッチした人材を探しやすくなります。ただし、募集職種によっては、複数の領域や役割を求めることもあり、その際は人材が豊富な総合型サービスを利用したほうがよい場合もあります。
採用手法の選択でもやはり自社が求めるエンジニアの経験・スキル、入社後にどのような業務や役割を任せるかといった応募要件を明らかにしておかないと※適切な判断はできません。
※具体的にどのような求人要件情報をどのように整理しておくと良いのかはこちらの記事を参照してください
→応募が来ないのは求人票のせい?エンジニアにスルーされる求人票はどこがいけないのか
まとめ:エンジニア採用手法の選択で大切なポイント
エンジニア採用手法の選択で大切なポイントをまとめました。
- 複数の採用手法を組み合わせること
- 企業からも応募者にアピールできること
- エンジニア採用のノウハウがあるサービスを利用すること
- 応募者のスキルレベルをはかる手段を持つこと
ひと昔前は採用活動というと「転職サイトに求人票を掲載したら、あとは応募を待つだけ」だったかもしれません。しかし、それでは優秀なエンジニアの採用はなかなかうまくいきません。
エンジニア採用手法を選ぶ際はこれらの点を意識していただければと思います。
次回は、エンジニア採用で特に有効な採用手法をより詳しく解説し、また応募者のスキルの見極め方もお伝えします。
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