アフターコロナの変革の時代を見据え「人材育成担当者として今やった方が良いこと」
最近、人材育成担当者と接していると「ちょっとした悩み」が伝わってきます。
- この1年間、リモート研修への転換で精一杯だったが、それが職場にマッチしていたかどうか、人材育成担当としてじっくり見直す余裕がなかった。
- 研修をやったのは良いがその後の行動変容になかなかつながらない。以前もそうだったが、リモートになってから余計それが見えるようになった。
- しかし、会社は仕事の進め方の変革を迫られ、現場レベルで変えるべきことや新たにやるべきことが山積み。社員が新たに求められることがたくさん出てくる。今の研修ラインアップでカバーできないスキマが出てくる。
ならばアフターコロナの変革の時代を見据えた「研修見直しの準備」が必要です。
目次
グローバル経済が復興し始め、日本にも変化が訪れる夏以降。準備はできていますか?
一方、社内も含めて世の中はこのような雰囲気もあります
- コロナがまだまだ続くね(落ち着くまであんまり動いてもしょうがない)
- ワクチンってどうなのかな(よくわからないので様子見よう)
- そろそろオリンピックだな(…うん)
- まぁ、8月はお盆と夏休み。その後は色々動きだすかな・・・
要するに今何もしなくても良いし、余計なことをしない方が良さそうです。
結果、やる気も能力もある人たちが変革を起こそうと新しく挑戦する元気や勢いを盛り上げることが難しくなっています。
しかし、グローバル経済が復興し始めています。そして現役世代でもワクチン接種済みの人の割合が急増する夏からは、日本での変化が加速する雰囲気があります。
この環境の中で人材育成に携わる方々にお勧めすることは、変化に対応するための研修の見直しの準備です。準備と言っても、実はあまり目立たない、意外と簡単にできる取り組みです。
今できる、研修ニーズを的確に把握するための3つの準備
1:過去の受講者ヒアリング
目的
現場の課題と悩みを把握して、研修プログラムの改善点を知ります
背景
リモートワークが普及してから現場ニーズが色々変わってきました。例えば、リモートマネジメント、在宅勤務社員のモチベーション維持、リモートワークの効率向上など。過去の受講者は研修の内容もわかっており、ニーズと研修のマッチングに役立つフィードバックが期待できます。
ヒント:お勧めのヒアリングポイントは
- 過去に受けた研修をどのような仕事の場面で活かしていますか?そこで、どんな成果が出ましたか?
⇒研修に対する評価を聞くのではなくて仕事で使った場面やシーンと成果にこだわりましょう。話に出てこない研修内容については「職場で役立たない」「使えない」と捉えてください。 - 過去に受けた研修内容以外に職場で求められていることは何ですか?
⇒どのような研修を受けたいかを聞くとありがちな思いつき研修名しか返ってこないです。切り口を「職場で求められていること」「ニーズ」「業務上の課題」とすると、参考となる具体的なコメントがもらえます。 - コロナ前と比べて仕事がどのように変わりましたか?何が難しいですか?
⇒最新のニーズを明確に知るためにはコロナ前後の比較が効果的です。
これで大まかなニーズと既存研修プログラムの効果的な部分がわかります。
2:現場マネジャーのインタビュー
目的
職場でどのような能力とアウトプットが必要かを把握します
背景
マネジャーが特に敏感なことは「職場でメンバーは何をすれば良くてどんな行動と成果が必要か」についてです。今のような変化が多い時代によくある問題は「社員が実際にやっていることと会社がやってほしいことにズレがあってミッションが達成されないこと」また「上司以外に誰もそのズレに気づいていないこと」です。是非マネジャーとコミュニケーションを取って、各職場のギャップを埋めるために情報を引き出しましょう。
ヒント:お勧めするインタビューポイントは
- 今の職場状況はどうですか? 何がうまくいっていますか?逆にうまくいっていないことは何ですか?
⇒研修・スキル・教育・能力について直接聞くと欲しい情報が得られないケースが大半です。職場イメージができる状況について聞きましょう。 - メンバーにどのようなアウトプットを求めていますか?
⇒マネジャーへのインタビューでしかわからない大切なポイントはここです。各職場で結局どうなれば良いかということです。後で研修を工夫した時にこのアウトプットを研修目的に設定しましょう。 - 今の環境で成果を上げている社員と改善余地のある社員の違いは何ですか?
⇒比較だと人材育成専門じゃないマネジャーでもわかりやすく明確に答えてくれます。今後の研修を企画する時に多くの社員をここで「成果を上げている社員」のように持っていくことがポイントです。
3:経営方針と人材育成施策をつなげる
目的
様々なニーズの優先度を決めて、大切なところから研修のプラニングができるようにします。
背景
変革の時代には経営方針や事業戦略はしばしば新分野や大きな成果目標のため大きく見直されることがあります。
一方、人材育成ではそれぞれの職場の細かい現場ニーズを全部対応できないし、仮に対応しても大きな効果は得られません。
研修効果が大きくて大事なテーマは経営方針や事業戦略に沿ったものであり、人材育成施策もそれをよく理解してつながりを明確にすることが大切です。
ヒント:2段階に分けましょう。ステップ1=調べる、ステップ2=確認する
自分で調べた理解を「経営者の考えがわかっている、かつ社員のことをよく考えている方=有識者」に確認しましょう。しっかり調べないと聞いた方からの信頼を失うことになりますので注意してください。
ステップ1=(有識者に)確認する段階 全社経営計画・部門別事業計画などをよく読み込んでください。 そこで大切な考えるポイントは
職場での行動→そのために必要な能力→それを習得する教育 です。 |
ステップ2 =(自分で)調べる段階
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注意:具体的な育成施策や研修プログラムには触れないようにしましょう。相手は限られた個人的な経験からしか言えないし、人材育成部門内で未定の段階で有識者の方を巻き込むことは賢明ではありません。
今だからこそ、目立たないけど意味のあるニーズヒアリングを
ニーズヒアリングにより優先事項、期待成果を明確にすることは、人材育成施策の期待効果を向上させ、最終的には変革に対応できるVUCA人材の育成につながるでしょう。
人材育成担当者にとって、現在のコロナの状況がパッとしないタイミングであればこそ、あまりエネルギーと時間のかからない、目立たないけど意味のあるニーズヒアリングを是非試してみてください。そうすると今後のプラニングと育成施策の効果を高めるために間違いなく役立ちます。
【付録】把握したニーズの結果を表にまとめよう
このように把握したニーズの結果は下記のような表でまとめると便利です。これができると経営の考え、現場のニーズ、育成施策が綺麗につながります。そうすると今までと全く違う良い研修効果が得られます。
企業向け専門 研修会社
アイディア社
IDEA DEVELOPMENT株式会社
https://ide-development.com/
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